ユキマツの「長期投資のタイミング」

「景気(企業利益動向)」「中銀の金融政策(金利動向)」「投資家のリスク許容度」などから長期投資のタイミングを探る投資ブログ

タイガー・ウッズと2015年の中国株バブル、そして日本の栄枯盛衰

わたしはゴルフをやりません。

特にタイガー・ウッズ選手に思い入れがあるわけではありませんが、昨日のタイガー・ウッズ選手のニュースで少しもの寂しく感じたので記事にしてみます。

headlines.yahoo.co.jp

絶頂期との落差

ウィキペディアによれば、タイガー・ウッズ氏は「歴代2位のメジャー選手権優勝14回、史上2人目のトリプルグランドスラム達成、生涯獲得賞金額1億ドルを突破し歴代1位。」の伝説のゴルファーです。

一時期、いつも勝ってる、そんな印象さえ与えるいわば頂点を極めたプロゴルファーだったと思われます。

 

上記ニュースはあくまで「酒気帯び運転の疑い」で逮捕したということなので、別に今回何か問題があったわけではない可能性も十分にあり、わたしのようなものが、とやかくいうことではないのですが、まあ、少しもの寂しかったわけです。

つまり、タイガー・ウッズ氏がどうのこうのではなく、頂点を極め絶頂期にあった頃の威風堂々たる様子と、今の様子の落差に、栄枯盛衰のはかなさを感じて、少しだけ寂しく感じたのです。

※今、腰痛で苦しみつつ選手を続けているタイガー・ウッズ氏のことをとやかくいうつもりはありません

そこで、栄枯盛衰、バブルにかこつけて、近年の中国株と、かつての日本について書いてみます。

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相場の世界の絶頂期

直近ではビットコインなどが話題になっているようですが、ごく近年のバブルといえば、わたしは中国の株バブルが印象的です。

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※出所:SBI証券

上記グラフはここ5年間の上海総合指数です。「2000」から「5000強」まで、一年足らずで跳ね上がり、ピークから約半年後には「3000」を下回るところまで暴落しています。

また、上海と深センの取引所を併せた時価総額を中国の時価総額として、2014.1月~2016.2月の様子を観察してみます。

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※出所:WFEデータより管理者作成

時価総額(市場規模)の方でも4兆ドルから10兆ドルへ、その後6兆ドルに戻っています。短期間で2.5倍になり、その後、4割減ったことになります。

 

この短い期間のうちに、これだけ値が動けば、どれだけの人を巻き込んだ悲喜こもごものドラマが展開されたのか、わたしの知るところではありません。

絶頂期からの転落で財産をすっ飛ばした人、指数が2.5倍になる過程でレバレッジを効かせて株に賭け、富豪へのきっかけをつかんだ人、そんな人たちがたくさんいたに違いありません。

こういう推移を観察するたびに、栄えあれば衰えることもある、そんなことを思い出します。

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1990年頃の日本は尋常ではなかった

同様に、かつての日本と今の日本も少し見てみましょう。

 

1990年頃の日本人の人口は1億2300万人ほど、全世界に占める割合は約2.5%でした。

その日本の経済規模(実質GDP)は、1990年当時、全世界の12.6%を占めました。

世界経済の約8分の1は日本のものでした。(2015年では実質GDPで8.4%)

 

そしてもっと尋常でなかったのは、株式の市場規模です。

2015年末の全世界の時価総額は約67.1兆ドル、日本は4.9兆ドルだったので、世界の約7.3%を占めます。

7.3%でも大したものだと思いますが、1990年末はすごいです。

1990年末の全世界の時価総額は約9.6兆ドル、日本はそのうち約2.9兆ドル、全世界の約30.6%を占めました。

「ホントか?」

多すぎると思って何度か確かめてみたのですが、どうもこの数字は確からしい。

 

1990年頃、わずか2.5%の人口シェアの国民が、世界経済規模の12.6%を占め、さらに世界株式市場の30%以上を占有していた・・・尋常なことではないでしょう。

経済的には我が世の春を謳歌し、頂点を極めた一時期だったといってもおかしくない、30年ほど昔の日本はそんな状態でした。

 

「失われた20年」という言葉もありますが、このような歴史的な推移を知ると「失われた」と否定的にとらえるより、現在はかつての異常な繁栄期から「ほどほどに豊かな国」に急速に修正されつつある過程、と考えてもおかしくないのかもしれません。

※データ出所◎実質GDP⇒グローバルノート ◎時価総額⇒WFEグローバルノート◎人口⇒世界経済のネタ帳

過去は過去として「今」と「これから」、3つのバランスが大事か?

ただ、かつての栄光、思い出は昔のことです。

再現できるわけではありませんし、「異常な繁栄を」再現する必要があるかも微妙です。

昔のいいイメージや成功体験にしがみつくと、「今」や「これから」を腐らせてしまうこともあるでしょう。

栄枯盛衰は、何千年も前から人が、そしてすべての生き物が体験してきた真理です。

ずっと上がり続ける相場もないし、ずっと下がり続ける相場もなく、絶頂を極めた稀有なプレイヤーも一国の経済も、いつか黄昏の時を迎えます。

 

過去は大事です。

しかし「今」と「これから」も大事です。

 

「これから」だけを優先して「今」や「過去」を犠牲にするのもつまらないし、「今」だけを優先して「これから」や「過去」を犠牲にするのもうまくない気がします。

特に日本は近年、経済的に妙にうまくいった「過去」を引きずっているので、過去を過大視し過ぎず、「今」と「これから」を重視していくバランス感覚が今後日本で生き抜く上で、とりわけ大事なのかなあ、と思いました。

 

何だか謎の文章を書いてしまいましたが、それではウッズ氏の「これから」、わたしの運用成績の「これから」、みなさんの運用成績の「これから」に幸あれ・・・ということで、締めとさせていただきます。

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