ユキマツの「長期投資のタイミング」

「景気(企業利益動向)」「中銀の金融政策(金利動向)」「投資家のリスク許容度」などから長期投資のタイミングを探る投資ブログ

時価総額615兆円以上をキープ 日本市場の概況 2017.6.24

今週の日本市場の概況です。日本の時価総額は615兆円以上をキープし、高値安定でした。現状判断に大きな変化はありません。

直近の日本市場を株式の「割安割高の目安」になりそうな

日本バフェット指標 <日本の時価総額÷日本の名目GDP>

信用買い残 <信用取引における買い方の残高>

東証一部PBR <東証一部上場企業全体の株価純資産倍率>

信用評価損益率 <日本市場。信用買いの損益>

貸し出し態度判断DI <金融機関の貸し出し態度が「緩い」から「厳しい」比率を引いた値>

の5つの指標の最新データで観察します。

また今週からは、

①ドル円名目レート

②円の実質実効為替レート

③日本の長期金利の推移

④日本の消費者物価指数

⑤日銀の保有資産の動向

も簡単に確認していきます。

各指標の現在

日本バフェット指標

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※出所:以下サイトデータより管理者作成 日本取引所グループ 世界経済のネタ帳 ※期間:1985年1月末~2017年5月末

2017.6.23は「1.13」です。

日本バフェット指標の長期平均は「0.75」です。

割高圏の目安「1.0」以上なので、日本株は割高圏と推測。

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日本バフェット指標について詳しくはコチラ↓

日本バフェット指標 <日本の時価総額÷日本の名目GDP>

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信用買い残

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 ※出所:トレーダーズ・ウェブより管理者作成 ※期間2001年6月1日~2017年4月28日

2017.6.16 25297億円(約2.5兆円)です。

上記期間の長期平均は約2.3兆円です。

概ね長期平均「2.3兆円」あたりの数値なので、割安でも割高でもなさそうと判断。

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信用買い残について詳しくはコチラ↓

信用買い残 <信用取引における買い方の残高>

 

東証一部PBR 

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※出所:その他統計資料 | 日本取引所グループのデータより管理者作成 ※期間:1999年1月末~2017年4月末

2017.5月末 1.2です。

割安の目安「1.0」以上なので、割安ではなさそうと判断。

東証一部PBRについて詳しくはコチラ↓

東証一部PBR <東証一部上場企業全体の株価純資産倍率>

 

信用評価損益率

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※出所:トレーダーズ・ウェブのデータより管理者作成 ※期間:2001.6.1~2017.5.12

2017.6.16 「-7.76」です。

上記期間の長期平均は「約-12」です。

割安の目安「-25」以上なので、割安ではなさそうと判断。

信用評価損益率について詳しくはコチラ↓

信用評価損益率 <日本市場。信用買い残高の損益>

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貸し出し態度判断DI 

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※以下サイトデータより管理者作成 日銀 ※期間:1983.6月~2017.3月

2017.3月 「+20」です。

※3カ月ごとの更新データです

割高の目安「+10」以上なので、割高圏と推測。

日本の金融機関の貸し出し態度は1980年代並みに「とても緩くて甘い」状態です。

貸し出し態度判断DIについて詳しくはコチラ↓

貸し出し態度判断DI <金融機関の貸し出し態度が「緩い」から「厳しい」比率を引いた値>

 

現時点での日本市場の割高割安、5つの指標からの推測、まとめ

あくまで個人的な判断ですが、現時点で各指標が示唆する株式の割安、割高の判断をまとめます。

★日本バフェット指標⇒割高圏?

★信用買い残⇒ふつう?(割安でも割高でもない) 

★東証一部PBR⇒割安ではなさそう

★信用評価損益率⇒割安ではなさそう

★貸し出し態度判断DI⇒割高圏?

総合的に判断すると、わたしは日本株式は「やや割高~割高圏」と推測します。

したがって、現時点での日本株の長期投資のタイミングとしては

◎資産配分において、株式の配分比率を減らす

◎資産配分において、現金の配分比率を増やす

◎長期投資を一時やめる

のに適す時期だと考えています。単なる経験則ですが。

※長期投資に関する一つの判断です。短期、中期的な投資には役立たない可能性が高いです

※バリュー投資の発想から「割高な時期に株を売り、割安な時期に株を買う」という判断に基づいています

※単なる個人の感想です。未来は誰にも予知できません。投資は自己判断、自己責任で 

 

直近の「ドル円名目レート」「円の実質実効為替レート」「日本の長期金利」「日本の消費者物価指数」「日銀の保有資産の動向」

今週から上記5つの指標も確認しておきます。

今のところ、不穏な動きはありません。

ドル円名目レート

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※出所:セントラル短資FX

円の実質実効為替レート

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※出所:<BIS>Effective exchange rate indices(Monthly data: Narrow indicesupdated 15 June 2017)のデータより管理者作成

長期的な視点から「通貨の実力」を示唆する、という人もいる実質実効為替レートです。円の1973.1月~2017.5月の推移です。

2017.5月は「78.5」であり、円安が疑われる水準です。

日本の長期金利(10年国債の金利)

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※出所:日本 10年債券利回りチャート 

近年の日本の長期国債の利回りの推移です。2011~2012年頃にはまだ1%以上の金利がついていましたが現在は「0.05%」程度です。「0%」程度の低位水準です。

日本の消費者物価指数

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※出所:統計局ホームページ/消費者物価指数(CPI) 時系列データのデータより管理者作成

2015.1月以降の消費者物価指数<生鮮食品を除く総合。前年同月比>です。

消費税増税による上昇効果は2015.4月に剥落し、その後は「-0.5~0.5%」程度で推移しています。

2017.4月は「0.3%」です。

日銀保有資産

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※出所:Bloomberg Markets ※<単位:10億円>

過去5年の日銀保有資産の推移です。尋常ではない増加を続けています。

2017.6.20で497.5兆円です。2017年の日本の名目GDPは推計で546.2兆円です。

おわりに 

今週の日本の時価総額は615兆円以上をキープ。高値を安定的に維持していました。

ゆるぎなく、今後も上昇を続けるのか、揺らぐのか、何年投資していても来週の動きがわたしには全くわかりません。

物価も長期国債金利も大きな動揺なく、ひたすら凪です。

来週はどうなりますか。

物価や長期金利を掲載している理由は下記記事を参照ください。

www.yukimatu-value.com

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