今週の日本市場の概況です。日本の時価総額は615兆円以上をキープし、高値安定でした。現状判断に大きな変化はありません。
直近の日本市場を株式の「割安割高の目安」になりそうな
★日本バフェット指標 <日本の時価総額÷日本の名目GDP>
★信用買い残 <信用取引における買い方の残高>
★東証一部PBR <東証一部上場企業全体の株価純資産倍率>
★信用評価損益率 <日本市場。信用買いの損益>
★貸し出し態度判断DI <金融機関の貸し出し態度が「緩い」から「厳しい」比率を引いた値>
の5つの指標の最新データで観察します。
また今週からは、
①ドル円名目レート
②円の実質実効為替レート
③日本の長期金利の推移
④日本の消費者物価指数
⑤日銀の保有資産の動向
も簡単に確認していきます。
各指標の現在
日本バフェット指標
※出所:以下サイトデータより管理者作成 日本取引所グループ 世界経済のネタ帳 ※期間:1985年1月末~2017年5月末
2017.6.23は「1.13」です。
日本バフェット指標の長期平均は「0.75」です。
割高圏の目安「1.0」以上なので、日本株は割高圏と推測。
日本バフェット指標について詳しくはコチラ↓
★日本バフェット指標 <日本の時価総額÷日本の名目GDP>
信用買い残
※出所:トレーダーズ・ウェブより管理者作成 ※期間2001年6月1日~2017年4月28日
2017.6.16 25297億円(約2.5兆円)です。
上記期間の長期平均は約2.3兆円です。
概ね長期平均「2.3兆円」あたりの数値なので、割安でも割高でもなさそうと判断。
信用買い残について詳しくはコチラ↓
★信用買い残 <信用取引における買い方の残高>
東証一部PBR
※出所:その他統計資料 | 日本取引所グループのデータより管理者作成 ※期間:1999年1月末~2017年4月末
2017.5月末 1.2です。
割安の目安「1.0」以上なので、割安ではなさそうと判断。
東証一部PBRについて詳しくはコチラ↓
★東証一部PBR <東証一部上場企業全体の株価純資産倍率>
信用評価損益率
※出所:トレーダーズ・ウェブのデータより管理者作成 ※期間:2001.6.1~2017.5.12
2017.6.16 「-7.76」です。
上記期間の長期平均は「約-12」です。
割安の目安「-25」以上なので、割安ではなさそうと判断。
信用評価損益率について詳しくはコチラ↓
★信用評価損益率 <日本市場。信用買い残高の損益>
貸し出し態度判断DI
※以下サイトデータより管理者作成 日銀 ※期間:1983.6月~2017.3月
2017.3月 「+20」です。
※3カ月ごとの更新データです
割高の目安「+10」以上なので、割高圏と推測。
日本の金融機関の貸し出し態度は1980年代並みに「とても緩くて甘い」状態です。
貸し出し態度判断DIについて詳しくはコチラ↓
★貸し出し態度判断DI <金融機関の貸し出し態度が「緩い」から「厳しい」比率を引いた値>
現時点での日本市場の割高割安、5つの指標からの推測、まとめ
あくまで個人的な判断ですが、現時点で各指標が示唆する株式の割安、割高の判断をまとめます。
★日本バフェット指標⇒割高圏?
★信用買い残⇒ふつう?(割安でも割高でもない)
★東証一部PBR⇒割安ではなさそう
★信用評価損益率⇒割安ではなさそう
★貸し出し態度判断DI⇒割高圏?
総合的に判断すると、わたしは日本株式は「やや割高~割高圏」と推測します。
したがって、現時点での日本株の長期投資のタイミングとしては
◎資産配分において、株式の配分比率を減らす
◎資産配分において、現金の配分比率を増やす
◎長期投資を一時やめる
のに適す時期だと考えています。単なる経験則ですが。
※長期投資に関する一つの判断です。短期、中期的な投資には役立たない可能性が高いです
※バリュー投資の発想から「割高な時期に株を売り、割安な時期に株を買う」という判断に基づいています
※単なる個人の感想です。未来は誰にも予知できません。投資は自己判断、自己責任で
直近の「ドル円名目レート」「円の実質実効為替レート」「日本の長期金利」「日本の消費者物価指数」「日銀の保有資産の動向」
今週から上記5つの指標も確認しておきます。
今のところ、不穏な動きはありません。
ドル円名目レート
※出所:セントラル短資FX
円の実質実効為替レート
※出所:<BIS>Effective exchange rate indices(Monthly data: Narrow indicesupdated 15 June 2017)のデータより管理者作成
長期的な視点から「通貨の実力」を示唆する、という人もいる実質実効為替レートです。円の1973.1月~2017.5月の推移です。
2017.5月は「78.5」であり、円安が疑われる水準です。
日本の長期金利(10年国債の金利)
※出所:日本 10年債券利回りチャート
近年の日本の長期国債の利回りの推移です。2011~2012年頃にはまだ1%以上の金利がついていましたが現在は「0.05%」程度です。「0%」程度の低位水準です。
日本の消費者物価指数
※出所:統計局ホームページ/消費者物価指数(CPI) 時系列データのデータより管理者作成
2015.1月以降の消費者物価指数<生鮮食品を除く総合。前年同月比>です。
消費税増税による上昇効果は2015.4月に剥落し、その後は「-0.5~0.5%」程度で推移しています。
2017.4月は「0.3%」です。
日銀保有資産
※出所:Bloomberg Markets ※<単位:10億円>
過去5年の日銀保有資産の推移です。尋常ではない増加を続けています。
2017.6.20で497.5兆円です。2017年の日本の名目GDPは推計で546.2兆円です。
おわりに
今週の日本の時価総額は615兆円以上をキープ。高値を安定的に維持していました。
ゆるぎなく、今後も上昇を続けるのか、揺らぐのか、何年投資していても来週の動きがわたしには全くわかりません。
物価も長期国債金利も大きな動揺なく、ひたすら凪です。
来週はどうなりますか。
物価や長期金利を掲載している理由は下記記事を参照ください。