ユキマツの「長期投資のタイミング」

比較検討により、長期投資における「比較的よさそうなタイミング」と「比較的有望な投資対象」を探るサイト

人はすぐ慣れてしまいがちなので、ときどき時間軸を移すことを試みてもいいのかもしれない

人の感覚は「慣れる」もの

人は「慣れる」生き物です。

わたしの場合、サラリーマンをやめて、3カ月くらいは、開放感が強くありました。

半年くらい経つと、かなり開放感は薄れ、1年も経つ頃には、リタイア生活が「当たり前」になりました。

 

サラリーマン時代の感覚は、サラリーマンでなくなったころから急速に変化を始め、徐々にリタイア生活の感覚に順応し、1年も経つころにはすっかりわたしから抜け落ちていた、のかもしれません。

 

同様の「自分の感覚が知らないうちに変貌する」現象は投資においてもみられます。

例えばマックス・ギュンター氏は著書の中で次のように述べています。少し長いですが引用します。

 投機が成功して富が増えると、すべてのポジションが新しいポジションのように感じられるという、奇妙な事実だ。

 たとえば、1000ドルからスタートする。銀の信用取引に投資するとしよう。あなたの予測が正しく、一年後に2000ドルになった。お金を倍にしたのだ。すばらしいことだ。もし、それを毎年繰り返せれば、すぐに億万長者になれるだろう。しかし、不可解なことに、実際にはそれほどすばらしいと感じられないのだ。その代わり、すぐに、自分は資格があってその利益を手にしたと感じるようになる。とくに、短期間ではなく、一年を通してゆっくりと利益を積み重ねてきたのだったら、その利益が当然のように思えてしまう。「お金を倍にしたぞ」とか「1000ドルも儲かったぞ」と言う代わりに、以前から2000ドル持っていたように感じるものだ。

 あなたは、この2000ドルでポジションを手仕舞うべきだとは思わない。まるで新しく始めるポジションのように感じるのだ。そのために、自分自身をこの投機から解放するのが困難になっていく。

※引用元:『マネーの公理』 マックス・ギュンター 著 石川由美子 訳 日経BP 2005

投資する前は、もし実現したらどんなにすごいだろう、そう思っていた金融資産額に到達しても、いざ到達してみると、それほど感激しない、むしろ「当然」「当たり前」と感じてしまい、さらなる高みを目指してしまうという謎の感覚異常、これはけっこうやっかいな代物でもあります。


スポンサーリンク


★ブログランキング参加中! にほんブログ村 株ブログ 米国株へ

 

この感覚異常は必ずしも常にネガティブなものでもないでしょうが、ときに投資家を重大な危機に追い込むものでもあります。

どのように付き合ったらいいものでしょうか。

 

時間軸を移すといろいろなことが見えてくる

一つの対応策は、時間軸を移すことです。

 

なぜ投資を始めたのか、投資のゴールはどこに定めたのか?

投資期間を1年と定めていたのなら、1年前に時間軸を移して当時の自分に向き合い、じっくり再認してみることです。

あるいは3年、5年、10年前の金融資産を確認し、今、どれだけふくらんだのか、じっくり確認してみるのも有効かもしれません。

 

現在運用がうまくいっている人に限った話になりますが、5年前の2012年頃、こんなに資産が大きくなってることが想像できたでしょうか?

アベノミクス以前、欧州債務危機がくすぶっていた2012年7月末の

・世界の時価総額⇒約50兆ドル(現在:約78兆ドル)

・S&P500⇒1379(現在:2441くらい)

・日経平均⇒8965(現在:19730くらい)

でした。

たった5年で情勢が大きく変化したことは明らかです。

今後の5年もこのペースで株価が上昇していくのか(このままいけば、5年後、S&P500は4000ポイントを超えます)、それは誰にもわかりませんが、過去5年はかなりのハイペースだったのではないかと、個人的には感じます。

f:id:yukimatu-tousi:20170814132624j:plain

また、過去の失敗があれば、そこに時間軸を移すことも有効です。

投資で欲をかきすぎて失敗したことのある人は、失敗した時期、失敗を後悔、反省していた時期に時間軸を移すことで、現在の自分の強欲を抑える、あるいは軽減できる可能性があります。

 

また、過去にこの異常感覚にうまく対処したことのある人は、その成功体験に思いを馳せることも有効と思われます。

あのとき自分はもっと儲けたい、もっと金融資産がふくらむのを見てみたい、という欲を理性でうまくコントロールできた。

あの理性が現在の成功につながっている。

だから、今回、今の今も、あえて機会損失のリスクをしょってゲームからいったん降りるのだ

そんなふうに判断できれば、大きくなった資産に慣れきってしまう異常感覚にうまく対応できるかもしれません。

 

また、時間軸を移すことは下落相場、上昇相場の渦中において長期投資の長期的なパフォーマンスを向上させる判断を下すのに役立つかもしれません。

 

例えば、下落相場の渦中においても、冷静に視点を5年後、10年後に移して、

きっと5年後には事態はずいぶん好転しているはず。だから、今苦しいけど、何とかしのごう

そうやって苦しみを自分で緩和できる長期投資家は優秀かもしれません。

 

上昇相場の渦中にあっても、冷静に視点を3年後に移し、

この勢いは異常だ。もうあと数年も持続できないのではないか。

今から3年かけてリスク資産を徐々に減らしていこう

そうやってまだ相場があたたかいうちから対処に踏み切れる長期投資家は優秀かもしれません(「早すぎる撤退」となる可能性も十分ありますが)。

 

投資に限らず、日常生活において常に発生する悩みについても、この手法は少し役に立つかもしれません。

今、自分はこの案件でずいぶん悩みふさいでいるけれど、3日後、あるいは3週間後、あるいは3ヵ月後、あるいは3年後も、同じことで悩んでいるだろうか?

例えば3年前の今日、2014年8月15日の悩み事、その悩み度合いを正確に思いだせる人は少数派だと思われます。 

けっこう多くのネガティブ案件は3ヶ月後には、気にもなってない程度のもの、かもしれません。

 

そうはいっても苦しい歯茎の痛み

ところで、あなたは

局所麻酔を打ち、歯茎を切開し、下に埋まっている親知らずを割って抜去した後、切開された歯茎を糸で縫合する処置

を受けたことがあるでしょうか?

 

先日、4本ある親知らずの1本(右下)だけが、地面と水平に近い角度で生えてきており、今後いろいろな悪影響を及ぼすであろう、との説明を受け、この「右下水平親知らず」を抜歯することになりました。

けっこう気楽に同意したのですが、いざ抜くのかと思いきや、抜歯を勧めた街の歯医者さんは「うちではできないので、紹介状を書きます」とのこと。

不安を抱えながら大きな病院に行き、説明を受け、処置を受けたのですが、その処置が

 局所麻酔を打ち、歯茎を切開し、下に埋まっている親知らずを割って除去した後、切開された歯茎を糸で縫合する処置

でした。ちょっとした手術です。

 

処置を受けて数日なのですが、これが地味に痛い。

痛いというよりボディブローのように不快というか、

右下の奥の方の歯茎を糸でグイグイ締め付けられているような感じ

が続いております。歯茎の治癒過程における縫合糸のいたずらっぽいのですが、とても嫌な感じ。そして、困ったことに、この痛みには慣れることができません。

 

おそらく3日後にはかなり痛みは軽減しており、抜糸がとっくにすんでいる3週間後にはきっと不快感は消失しており、3年後には「親知らず抜歯後の歯茎の痛みで苦しんだ事実」すら、忘れてしまっているような気がするのですが、今は3年後どころではなく、日夜「ハグキ」と向き合って暮らしています。

 

そして、この症状の特徴として、何かに集中していると症状はマシなのですが、歯茎のことを考え出すと、悪化します。

 

そこそこ集中して書けたこのブログ記事はもうすぐ終わりを迎えます。

するとまたハグキが「おかえり」と言ってお待ちかね、またぐいぐい引っ張られる時間のスタート。

いつもは記事を書き終えるといい気分なのですが、今日は気の重い、最終段落・・・

 

というわけで、決して万能ではない「時間軸を移す話」でした。

【免責事項です。ぜひご確認ください】
☆本ブログが提供する情報については万全を期しておりますが、その内容の正確性および安全性を保証するものではありません。また当サイトの記載内容は、予告なく変更、追記、削除することがあります。
☆本ブログが提供する情報を閲覧したことによって、閲覧者に生じたあらゆる損失について、本ブログ筆者・管理者は一切の責任を負わないものとします。
☆本ブログは情報の提供を目的としたもので、特定の銘柄や投資対象について、特定の投資行動や運用手法を勧誘するものではありません。くれぐれも投資は自己判断、自己責任でお願い致します。
 

【更新の励みになります。よければ応援クリックを!】