ユキマツの「長期投資のタイミング」

「景気(企業利益動向)」「中銀の金融政策(金利動向)」「投資家のリスク許容度」などから長期投資のタイミングを探る投資ブログ

もしもの円暴落に備える確認作業 <2017.9.12>

f:id:yukimatu-tousi:20170908145941j:plainもしもの円暴落があるとわたしは現在の投資ポジションでは非常に困るので、

「もしも」の兆し

がないか適時確認しています。

その確認内容を記事にするシリーズです。

約2週間ぶりの更新になります。

 
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円暴落の兆しを知るための指標

わたしは以下の5つの指標を適時確認しています。

①ドル円名目レート

②円の実質実効為替レート

③日本の消費者物価指数

④日本の長期金利(10年国債の金利)

⑤日銀の資産動向

※あくまで個人的な対策に過ぎないので、本当に役立つかはわかりません

それぞれが何を意味するのかの説明は以下の記事を参照ください。

 

ここから5つの指標を一つずつ確認していきます。

 

「ドル円名目レート」

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※出所:セントラル短資FX

先週は107円台まで円高が進みましたが、9.11の昼間は108円台にもどっています。

短期的には7月から続く円高相場で、円暴落の気配はありません。

 

円の実質実効為替レート

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※出所:<BIS>Effective exchange rate indices( Monthly data: Narrow indices:last updated 17 August 2017) ※グラフ期間:1973.1月~2017.7月

上記は長期的な視点から「通貨の実力」を示唆する、という人もいる円の実質実効為替レートの推移グラフです。

上記サイトのデータでは、近年の最安値は2年ちょっと前、2015.6月

70.94

です。

この頃は名目ドル円レートでは「120円」を超えていました。

2017.7月の数値は「76.76」であり、前月より円安傾向にぶれており、水準としても円安が疑われますが、急激な動きではありません。

日本の長期金利(10年国債の金利)

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※出所:日本 10年債券利回りチャート  ※データ取得時間:2017.9.11、14:30頃

近年の日本の長期国債利回り推移です。

最近また長期金利がマイナスになる日がちらほら。

現在はほぼ0%の低位水準であり、急激な金利上昇の雰囲気は皆無です。

日本の消費者物価指数

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※出所:統計局ホームページ/消費者物価指数(CPI) 時系列データのデータより管理者作成

2015.1月~2017.7月の消費者物価指数<生鮮食品を除く総合。前年同月比>です。

消費税増税による上昇分は2015.4月には剥落し、その後は「-0.5~0.5%」程度で推移しています。

 

8月のデータはまだ出ていません。

2017.7月は「+0.5%」でした。

昨年の今頃は「-0.5%」だったので、1年で「1%」上昇したことになります。

持続的な物価上昇トレンドなのかはわかりません。

とりあえず今は低水準で推移しています。

日銀保有資産

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※出所:Bloomberg Markets ※<単位:10億円>

過去5年の日銀保有資産の推移です。

こんなペースでわたしの資産も増えると面白いのですが、なかなかそうはいきません。

 

8月31日が約511.6兆円で、史上最高額を更新しました。

2017年の日本の名目GDPは推計で546.2兆円であり、現在の日銀の保有資産額は名目GDPの約93.7%です。

あと一年経たないうちに名目GDPを超えてくるかもしれません。

ちなみに米国の名目GDPは19.42兆ドル(IMF推計)、FRBの資産は約4.47兆ドルなので、名目GDPの約23%になります。

スイスを除いて主な先進国中央銀行の資産は名目GDPの概ね30%以下のようであり、経済規模に比べてとても大きな資産を日銀は保有している、といえそうです。

 

また、2016.9.4のデータは約453.0兆円なので、概ね1年で58.6兆円の増加となっています。

一時期、年間80兆円の増加ペースだったので、それに比べるとペースダウンしており、現在、実質的に日銀のテーパリング真っ最中と言えます。

※テーパリング: 中央銀行が、量的金融緩和政策による金融資産の購入額を徐々に減らしていくこと。 テーパリングとは - コトバンク 参照

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<日銀資産の推移、ここ1年>※出所:Bloomberg Markets ※<単位:10億円>

米国債の利回りとギリシア国債の利回りの確認(ともに10年物)

もしも日本円が暴落するとき、市場はいわゆるリスクオフ一色の相場になると思われます。

そのとき投資家の資金が逃げ込む国債市場の一つは、流動性や信用力の高い米国債ではないかと思います(ドイツ国債などもおそらく同様)。

逆に投資家が資金を引き揚げる国債の一つは、多額の負債を抱え事あるごとに国債利回りが急騰しているギリシアの国債ではないかとわたしは推測しています(他にもいろいろあると思いますが)。

 

したがって、もし円に何かあれば、米国債の利回りは下がり(米国債は買われて価格が上がり利回りが下がる)、ギリシア国債の利回りは上がる(ギリシア国債は売られて価格が下がり利回りが上がる)と推測されるので、この意味で米国債やギリシア国債の利回を観察しておくと、役に立つのではないかと思われます。

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※出所:米国 10年 | 米国 10年 債券利回り ※データ取得時間:2017.9.11、14:30頃

米国長期国債利回りは先週大きめに下がり、一瞬「2.016%」まで下がりましたが、徐々に回復、9.11は「2.09%」くらいです。

ここ半年は「2.0~2.6%」の間でうろうろしています。

「パニックによる急落」には程遠いです。

 

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ギリシャ 10年 | ギリシャ 10年 債券利回り ※データ取得時間:2017.9.11、14:30頃

ギリシア長期国債利回りは5%台です。

しごく落ち着いています。

まとめ

日本から近い国、北朝鮮のミサイルや核実験のニュースで市場が動揺しても、円は

”リスクオフの円高”

でむしろ価値を増しています。

円暴落の気配はありません。

 

関連時事です。

FRBの資産縮小の可能性に関する記事です↓

www.yukimatu-value.com

 

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