ユキマツの「長期投資のタイミング」

「景気(企業利益動向)」「中銀の金融政策(金利動向)」「投資家のリスク許容度」などから長期投資のタイミングを探る投資ブログ

週末の乱高下 ~日本市場の概況 2017.11.11~

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週末に乱高下した今週の日本市場を、株式の「割安割高の目安」になりそうな5つの指標で定点観測してみます。

5つの指標

日本バフェット指標 <日本の時価総額÷日本の名目GDP>

信用買い残 <信用取引における買い方の残高>

東証一部PBR <東証一部上場企業全体の株価純資産倍率>

信用評価損益率 <日本市場。信用買いの損益>

日経平均ボラティリティー・インデックス<日経平均版の恐怖指数>

日本バフェット指標

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※出所:以下サイトデータより管理者作成 日本取引所グループ 世界経済のネタ帳 ※期間:1985年1月末~2017年10月末

11.10の日本バフェット指標は「1.27」でした。

11.2の「1.26」より上昇しています。

この指標のピークとしては約28年前、1989.12月の「1.45」に次ぐ高い値になっています。

 

11.10の時価総額は約「689.6兆円」(全市場の合計値)。

今週も過去最高を更新しています。

11.8には「695.6兆円」で700兆円に迫っていました。

 

1985年からの日本バフェット指標の長期平均は「0.75」です。

割高圏の目安「1.0」以上なので、日本株は割高圏と推測。

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※出所:以下サイトデータより管理者作成 日本取引所グループ 世界経済のネタ帳

日本バフェット指標について詳しくはコチラ↓

日本バフェット指標 <日本の時価総額÷日本の名目GDP>


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信用買い残

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 ※出所:トレーダーズ・ウェブより管理者作成 ※期間2001年6月1日~2017年9月29

2017.11.2 26888億円(約2.7兆円)です。

前週比939億円の増加です。

久々に大きく増加しました。

これまであまり動きがなかった方が不思議な感じ。

7月以降2.6~2.7兆円のレンジですが、上抜けして2.8兆円以上に増加するでしょうか。

 

上記期間の長期平均は約2.3兆円であり、11.2は長期平均から少し上方に偏った値です。

この指標では「ふつう~やや割高傾向?」と推測。

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 ※出所:トレーダーズ・ウェブのデータより管理者作成

信用買い残について詳しくはコチラ↓

信用買い残 <信用取引における買い方の残高>

東証一部PBR 

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※出所:その他統計資料 | 日本取引所グループのデータより管理者作成 ※グラフの期間:1999年1月末~2017年10月末

2017.10月末の東証一部PBRは「1.4」でした。

2007年8月以降、10年以上ずっと「0.7~1.3」のレンジでしたが、10月末に上抜けしています。

 

割安の目安「1.0」以上なので、割安ではなさそうと判断。

東証一部PBRについて詳しくはコチラ↓

東証一部PBR <東証一部上場企業全体の株価純資産倍率>

信用評価損益率

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※出所:トレーダーズ・ウェブのデータより管理者作成 ※グラフ期間:2001.6.1~2017.9.29

2017.11.2は「-8.02」でした。10.27の「-8.36」からややマイナス幅が減少。

2017.4月後半からほぼ「-5~ー10」のレンジ内に収まっています。

 

経験的には指数がこれだけ上がれば、信用評価損益率も「-5~0%」のレンジに入ることが多いのですが、相変わらず鈍い動きです。

 

上記期間の長期平均は約「-11」なので、「-8.02」は若干の安心モード。

 

割安の目安「-25」以上なので、割安ではなさそうと判断。

信用評価損益率について詳しくはコチラ↓

信用評価損益率 <日本市場。信用買い残高の損益>

日経平均ボラティリティー・インデックス

<長期チャート>

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※出所:日経平均ボラティリティーインデックス(JNIV - Investing.com

<ここ3ヵ月のチャート>

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※出所:恐怖指数(VIX 日経VI VSTOXX) 日経平均比較チャート

日経平均版の恐怖指数、日経平均ボラティリティー・インデックスの長期チャートとここ3ヵ月のチャートです。

1998年からの

・長期平均:25.4

・最低値:11.82(2017.7月)

・最大値:91.45(2008年10月)

 個人的には30以上で「株価の割安圏」を示唆しやすい指標と考えます。

 

11.10は「19.97」。

週末の乱高下で大きく上昇はしていますが、まだまだ平均以下の水準であり、市場心理は比較的安心、楽観に偏っていると推測されます。

 

恐怖指数について詳しくはコチラ↓

www.yukimatu-value.com

 

現時点での日本市場の割高割安、5つの指標からの推測、まとめ

あくまで個人的な判断ですが、現時点で各指標が示唆する株式の割安、割高の判断をまとめます。

★日本バフェット指標⇒割高圏?

★信用買い残⇒ふつう~やや割高?

★東証一部PBR⇒割安ではなさそう

★信用評価損益率⇒割安ではなさそう

★日経平均ボラティリティー・インデックス⇒割安ではなさそう

総合的に判断すると、わたしは日本株式は「やや割高~割高圏?」と推測します。

※信用買い残が伸びてくれば「割高圏?」

したがって、現時点での日本株の長期投資のタイミングとしては

◎資産配分において、株式の配分比率を減らす

◎資産配分において、現金の配分比率を増やす

◎長期投資を一時やめる

のに適す時期だと考えています。単なる経験則ですが。

※長期投資に関する一つの判断です。短期、中期的な投資には役立たない可能性が高いです

※基本的にできるだけ「割高な時期に株を売り、割安な時期に株を買う」という判断に基づいています

※単なる個人の感想です。未来は誰にも予知できません。投資は自己判断、自己責任で 

※指標ごとに、データ確認時期にタイムラグがありますので、必ずしもリアルタイムの判断ではありません

バブル期、株価低迷期と「今」のデータ比較

<バブル期との比較>

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※出所:日経平均、TOPIX⇒Yahoo!ファイナンス、東証REIT指数⇒東証REIT指数 日足 時系列データ

今週、TOPIXが2007年2月「1823」を一時上回りました。

TOPIXが「1800」を上回ったのは最近(?)では2007.2月、その前は1991年11月

<株価低迷期との比較>

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※出所:日経平均、TOPIX⇒Yahoo!ファイナンス、東証REIT指数⇒東証REIT指数 日足 時系列データ

あとがき 

ただの経験則ですが、例年11月~3月くらいまでは株価が上がりやすい時期です。
時価総額が700兆に届きそうな日本市場はどこまで伸びるでしょうか。
それともTOPIX「1800」あたりでまたぽしゃるのか。
 
今週は信用買い残が大きく増えたのが印象的でした。
昨年来のトランプ相場では時価総額や株価との連動性が妙に低く、気にかかっていました。
相当警戒感の強かった信用買い市場のプレーヤーが、少し買いに動き出したか、あるいは週末の乱高下を見て、すぐにまたカメのように閉じこもってしまうか?
 
ちなみにJリートは変わらず不調で、11.10のREIT平均分配金利回り(%)は
4.30%
に上昇しました。
利回り6%台の銘柄もちらほら。
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