ユキマツの「長期投資のタイミング」

「景気(企業利益動向)」「中銀の金融政策(金利動向)」「投資家のリスク許容度」などから長期投資のタイミングを探る投資ブログ

FRB、ECB、日銀の資産動向の確認 <2017年10月データ>

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2017年10月末のFRB、ECB、日銀、3つの中央銀行の資産動向を確認する記事です。

※本記事では便宜的に1ドル=110円、1ユーロ=130円で円換算しています


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中央銀行の動向を確認するメリット

中央銀行の動向は

投資タイミングの時期を判断する手掛かりになり得る

とわたしは思います。

一般論として、金利が下がると

◎経済活動が活発になり景気に好影響

⇒企業利益の増加⇒株高

 

◎企業の借入金の金利負担は減少

⇒企業利益の増加⇒株高

 

◎債券利回り低下

⇒投資先としての債券の魅力DOWN

⇒債券以外の投資先(株、不動産など)の相対的な魅力UP

株高

などの要因で株高になりやすいと思われます。

 つまり、

・中央銀行が緩和政策をとり、市中の国債などを購入し(国債価格は上昇、金利は下がる傾向)、

・対価として債券保有者にマネーを供給し、中央銀行の資産規模が増大することは

・基本的に株価に好影響を与える、

その逆も然りだと考えられます。

※中央銀行の資産規模が

◎増加⇒株価に好影響

◎減少⇒株価に悪影響

以上のことから、ECB、FRB、日銀などの中央銀行の資産規模やその動向を確認しておくことは、長期的視点から、投資環境を考える上で重要だと思われます。

◎中央銀行の資産規模が大幅に増える見通し

≒緩和マネーが大幅に増える

≒金利低下傾向

⇒株式などのリスク資産の配分を増やすのに適す時期?

 

◎中央銀行の資産規模が大幅に減る見通し

≒緩和マネーが大幅に減る

≒金利上昇傾向

⇒株式などのリスク資産の配分を減らすのに適す時期?

という考え方も一つの判断材料としてアリかもしれません。

FRBの動向

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※出所:All Federal Reserve Banks: Total Assets | FRED | St. Louis Fed

上記グラフはここ5年のFRBの資産推移です。2014年の後半から、ほぼ変化なしです。

2017年10月末:4.46兆ドル(約491兆円)でした。

9月末の4.46兆ドルと変わらずです。まだFRBの資産縮小は本格的に始まっていない様子。

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※出所:All Federal Reserve Banks: Total Assets | FRED | St. Louis Fedのデータより管理者作成

上記表は2006年からのFRBの年末の資産を表記したものです。2017年は10月までのデータです。

今年はほぼ変化なしです。

今後どのくらいのペースで減っていくのか、気になるところ。

ECBの動向

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※出所:Central Bank Assets for Euro Area (11-19 Countries) | FRED | St. Louis Fed

上記グラフはここ5年のECBの資産推移です。2015年頃から激増しています。

ECBの資産は2017年10月末:4.37兆ユーロ(約568兆円)でした。

9月末の4.32兆ユーロから0.05兆ユーロ(約6.5兆円)増加しています。

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※出所:Central Bank Assets for Euro Area (11-19 Countries) | FRED | St. Louis Fedのデータより管理者作成

上記表は2006年からのECBの年末の資産を表記したものです。2017年は10月までです。

今年は10月までで約92兆円増加。おそらく12月末には100兆円を超えると推測され、2017年、ECBは2007~2017年で2番目の大規模緩和をやり切ることになりそうです。

日銀の動向

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※出所:Bank of Japan: Total Assets for Japan | FRED | St. Louis Fed

上記グラフはここ5年の日銀の資産推移です。2013年頃から増え続けています。

日銀の資産は2017年10月末:約518兆円でした。

9月末の513.3兆円から約4.7兆円増加しています。

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※出所:Bank of Japan: Total Assets for Japan | FRED | St. Louis Fedのデータより管理者作成

上記表は2006年からの日銀の年末の資産を表記したものです。2017年は10月までです。

今年は10月までで約41.5兆円増加。

このままのペースだとおそらく2017年12月末には50兆円程度の増加額になると推測され、2013年以降では最小の緩和規模になりそうです。

3つの中央銀行、トータルでの変動

f:id:yukimatu-tousi:20171120223101p:plain※出所:Bank of JapanCentral Bank Assets for Euro Area Total Assets | FRED | のデータより管理者作成

上記グラフは2006年末以降の3つの中央銀行の資産推移です。

2017年は10月末までのデータです。

2007年末は約400兆円だったのが、約10年後、2017年10月末でざっと1600兆円に。

1200兆円ほど増えています。

わたしにはこの1200兆円が世界の金融市場にどういう影響を与え、株式市場で株価をどれだけ押し上げる効果があるのか、大きすぎてよくわかりませんが、現在の株価は中央銀行の緩和マネーの影響を受けてはいると思います。

※全世界の株式時価総額は2017年9月末で約81.4兆ドル(ざっと9000兆円。浮動株調整していない数値)

3つの中銀のトータル資産は2017年10月末:約1577兆円でした。

9月末の1566兆円から約11兆円増加しています。

2017年年間では150~160兆円の増加ペースになりそうです。

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※出所:Bank of JapanCentral Bank Assets for Euro Area Total Assets | FRED | のデータより管理者作成

おわりに

FRBは10月から資産規模縮小、のはずですが、データ的には動きなし。

11月はほんの少し減りそうな雰囲気です。

3つの中央銀行の動向は月1回程度、記事にする予定です。

ブログでも書いていないと、自分ではわざわざ毎月は確認しないかもしれませんが、しつこく確認していると投資環境の大局をつかむのに役立つ、かもしれません。

マニアックですが興味のある方はお付き合いください。

関連記事、4つです。

www.yukimatu-value.com

株式市場と「FRBの資産動向」 - ユキマツの「長期投資のタイミング」

株式市場と「日銀の資産動向」 - ユキマツの「長期投資のタイミング」

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