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「長期投資に適しそうな国の選定作業」⑭ ~台湾・経済成長編~

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長期投資に適する国は事前に分かるものなのか?

そんなことは考えない方が身のためか?

「長期投資に適しそうな国の選定作業」シリーズの14回目は台湾です。

台湾のメモ

人口は約2350万人、世界55位(2016年)です。

名目GDPランキング(ドル建て)では、世界第22位(2016年)。

一人当たり名目GDPは約22500ドル、世界36位(2016年)。

【EEM】iシェアーズ MSCI エマージング・マーケット ETFでは台湾への資産配分は2017.11月現在「11.46%」。

【VWO】バンガード®・FTSE・エマージング・マーケッツETFでは、「14.9%」。

かなり大きな比率です。

台湾の株価動向を気にしている方は多くないかもしれませんが、【EEM】や【VWO】の値動きに比較的大きな影響力を持っています。

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※参照サイト

iシェアーズ MSCI エマージング・マーケット ETF

https://www.vanguardjapan.co.jp/docs/FS_VWO_JP.pdf

台湾の経済 - 世界経済のネタ帳

 

中国のメモ

全世界の株式を対象とした株価指数「MSCI ACWI」(浮動株調整後)では、中国は約3.7%程度の配分になるようです。

この指数の国別シェアでは米国、日本、イギリスに続いて第4位にランクインしています。

※データ出所:iシェアーズ MSCI ACWI ETF 2017.7.21時点

長期投資に適するのは、長期的な経済成長率が高い国ではないか?

一般にある国の「名目経済成長率」とその国の「時価総額(市場規模)の増加率」には長期的には正の相関があるとされます。

そして、「時価総額の増加率」と「株式インデックスの上昇率」にも正の相関があります。 

したがって、

長期的に経済成長する国の株式インデックスは長期的に上昇しやすい

つまり、

長期投資に適するのは、長期的な経済成長率が高い国ではないか?

という仮説が成り立ちます。


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長期的な経済成長が期待できる国を予測することは可能なのか?

上記の仮説が正しくて、投資する前に長期的な経済成長を成し遂げる国を予測することができれば、その国の株式インデックスを長期保有することで、長期投資の収益率を大きくできそうな気がします。

 

では、長期的な経済成長が期待できる国を予測することは可能なのか?

 

おそらく確実に予測することは不可能だと思われます。

 

今、高い成長率を維持していても、今後何らかの理由でガクッと落ちるかもしれない、その後も長期的に低迷するかもしれない、逆に今、成長率が低くても、何らかの理由で成長率が上昇しないとはいえません。

 

内戦や政治の混乱、大地震、自然災害、感染症の大流行など、全く予期せぬアクシデントが起きれば、経済成長どころの話ではなくなります。

株価予測と同様、未来のことは断言できないと思われます。

ただ、以下のような手順を踏むことによって予測の精度を少し向上させることができる、かもしれません。

※あくまで「予測が当たる確率が上がるかもしれない」程度の話です

 

①できれば人口が増える国や地域の株式インデックスを選択する

実質経済成長率に関しては、

実質経済成長率

=人口増加率+一人当たり経済成長率

という式が成り立ち、二つの要素に分けて考えることができるようです。

 

つまり、一年間で人口が1%増えれば、一人当たり経済成長率が0%でも、実質経済成長率は1%になります。

逆に、人口が1%減れば、一人当たり経済成長率が1%でも、実質0成長になってしまいます。

この式を見れば、長期的な人口の増減が一国の経済規模に大きな影響を与えることは明白です。

 

そして、「人口予測」は数ある経済指標の中で、比較的、的中率が高い指標とされます。

※「予測」という言葉を使っていい経済予測は、人口くらいだ(他の指標はなかなか予測が難しい)と主張する人もいます

 

「現在の人口、将来の出生率、将来の生存率、将来の国際人口移動率」などのデータがあれば、ある程度精度の高い予測ができるようです。

したがって、比較的予測が当たりやすい人口増加率を頼りに「長期的な経済成長が期待できる国を予測する」こと、つまり

できれば人口が増える国や地域の株式インデックスを選択する

 のは理屈では正しいことになります。

※単に人口増加率が高ければいいわけでもなく、一人当たり経済成長率とのバランスが大切だと思われます

②一人当たり経済成長率は、近年の長期データを用いて推測するのもアリか?

次に、一人当たり経済成長率について考えてみます。

こちらは、人口増加率より予測が難しく振れ幅も大きな要素です。

何か手はあるのか?

 

経験的な私見に過ぎませんが、

実質経済成長率

=人口増加率+一人当たり経済成長率

なので、

一人当たり経済成長率

=実質経済成長率ー人口増加率

になります。

したがって、例えば、

過去10年の一人当たり経済成長率の平均

=「過去10年の実質経済成長率の平均」ー「過去10年の人口増加率の平均」

になります。

10年を20年にしても同様です。

 

このように、単年度ではなく、一人当たり経済成長率の「長期平均」を参考にすることで、ある程度将来予測はできるかもしれません。

仮に、2005~2015年の一人当たり経済成長率の平均=1.0%であれば、2015~2025年の平均値も「1.0%」から極端に大きくぶれないのではないか、という推測です。

一年ごとの変動は大きいですが、長期でならすと意外とぶれは小さいようなのです。

台湾の実質経済成長率、人口増加率、一人当たり経済成長率

ここから台湾の実質経済成長率、人口増加率、一人当たり経済成長率について紹介します。

長期的な俯瞰

まず長めの期間で俯瞰してみます。

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※出所:世界経済のネタ帳のデータより管理者作成

上記の表は、台湾の実質経済成長率、人口増加率、一人当たり経済成長率を

「1980~2015年」の35年間

「1990~2015年」の25年間

の年率平均で示したものです。

この期間、人口の年率平均増加率は1%に届かないものの、「一人当たり経済成長率」は「4~5%」の成長。

35年間の年率平均での実質経済成長率が約6%です。

この数値だけみるとかなりいい数字です。

年代ごとの年率平均と所感

次に、1980~2015年の35年間を10、10、10、5年間で区切って年率平均を算出し、さらに「長期投資」を想定し、2015~2035年の人口増加率の推計を加えると、下記表になります。

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※出所:世界経済のネタ帳国連人口推計2015年版(中位推計)のデータより管理者作成

まず、人口増加率をみると、

2015-2035年の20年で年率-0.1%の減少

と推計されています。

1980年代の1%以上の増加水準からずっと低下してきています。

 

一人当たり経済成長率も同様に低下傾向。

6~7%程度の高度成長を1980~1990年代まで続けていましたが、トレンドは明確に低下している印象。

2010年代に関しては2%台前半まで低下してきています。

 

未来のことはわからず、わたしの勝手な推測ですが、これまでの推移を重視すると、2015-2035年の実質経済成長率は年率平均で

-0.1%<人口増加率>+2.0%程度<一人当たり経済成長率>=2%程度?

に留まるのかもしれません。

ここ数十年の実績を考えれば文句のつけようがないものの、今後の人口予測や成長率の低下トレンドなどから、個人的にはあまり台湾への長期投資に気が進まないです。

※わたしの推測が当たる保証もなく、過去のデータを眺めて行った一つの判断に過ぎないので、投資は自己判断、自己責任でお願い致します

参考データ

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※出所: GLOBAL NOTE、WFEのデータより管理者作成 ※時価総額は2003年末~2016年末で比較

これまで記事にした国や全世界のドル建て「名目GDP」と「時価総額」の変動を、データがそろいやすい2003~2016年の期間でまとめた表です。

 

この期間、台湾は他の新興国に比べるとデータ的には見劣りします。

あとがき

台湾は急速に少子高齢化が進んでいる国の一つです。

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※資料:GLOBAL NOTE 出典:世銀 https://www.globalnote.jp/post-3758.html

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※資料:GLOBAL NOTE 出典:国連 https://www.globalnote.jp/post-14077.html
平均年齢ではすでに米国を超えています。

・人口が増えず少子高齢化が著明

・経済成長率は長期的には低下トレンド(今後は分かりませんが)

・一人当たり名目GDPがすでに一部の欧州国家(ポルトガルなど)を上回っている

このような状況の台湾が、【EEM】【VWO】で比較的大きな存在感があるのが少し不思議。

個人的にはあまり”エマージング”感がしませんが、台湾は先進国・新興国間の中間あたりの微妙な立ち位置にあるのかもしれません。 

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【経済成長率と名目GDPの関連】

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「長期投資に適しそうな国の選定作業」シリーズ

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