【雑だけど俯瞰するにはとても便利 ~世界時価総額からみた近年の株式市場の歴史①~】の続きです。
※本記事で【時価総額】⇒【全世界の時価総額】です
第3期:2002年9月~2007年10月
※出所:World Federation of Exchanges、Global Noteのデータより管理者作成
2002年9月の時価総額は
●約20.1兆ドル
2007年10月の時価総額は
●約63.0兆ドル
5年1ヶ月で
●約3.1倍
に増加しました。
ITバブルの崩壊後の長い受難時期に続く、ブリックスブームやサブプライムバブルを含む世界的な上昇相場でした。
わずか5年ほどで約3.1倍。
第1期が
【長期じわじわ型】の上げ相場
とすれば、第3期は
【短期沸騰型】の上げ相場
といえるかもしれません。
第4期:2007年10月~2009年2月
※出所:World Federation of Exchanges、Global Noteのデータより管理者作成
2007年10月の時価総額は
●約63.0兆ドル
2009年2月の時価総額は
●約28.9兆ドル
1年4ヶ月で
●約54.1%
減少しました。
米不動産バブル・原油バブルの崩壊、リーマンショック後の世界同時株安期を含む、大きな下落相場です。
わずか1年半足らずで時価総額は半値以下になりました。
第2期が
【長期じわじわ型】の下落相場
とすれば、第4期は
【短期集中大暴落型】の下げ相場
といえるかもしれません。
第5期:2009年2月~2017年11月
※出所:World Federation of Exchanges、Global Noteのデータより管理者作成
2009年2月の時価総額は
●約28.9兆ドル
2017年11月の時価総額は
●約83.5兆ドル
8年9ヶ月で
●約2.9倍
に増加。
欧州債務危機(2010~2012年頃)で、一時停滞しますが、長期的な上昇トレンドが続いています。
●【長期じわじわ型】の第1期(1990.12~2000.3)
●【短期沸騰型】の第3期(2002.9~2007.10)
どちらかというと第1期に似た、【長期じわじわ型】の上昇相場といえるかもしれません。
すでに8年9ヶ月続く第5期は現在も継続中。
もちろん、いつがピークとなるかは不明です。
世界の時価総額 ボトムとピーク
※出所:World Federation of Exchanges、Global Noteのデータより管理者作成 ※いずれも月末値
世界の時価総額のボトムとピークだけを単純化してグラフにすると、上記のようになります。
世界の時価総額の増加・減少期間と変動幅
※出所:World Federation of Exchanges、Global Noteのデータより管理者作成
1990年12月以降、便宜的に第1~5期に分けた時期を表にすると上記のようになります。
世界の時価総額の年次変動比率
※出所:World Federation of Exchanges、Global Noteのデータより管理者作成
※2017年のみ11月末までのデータ
世界の時価総額の年次ごとの変動率です。
この27年に関しては
●増加 20回(約74%)
●減少 7回(約26%)
圧倒的に増加することが多いです。
※出所:World Federation of Exchanges、Global Noteのデータより管理者作成
※2017年のみ11月末までのデータ
27回のうち時価総額が10%以上減少した年は
●4回 (約15%。赤枠の年)
だけです。
ただ、
●2000~2002年の長期下落(青枠の時期)
●2008年の暴落
は厳しいものがあります。
逆にいえば、こういう時期にそこそこうまく対処できるなら、長期投資は希望に満ちたものになる可能性もありそうです。
まとめ
以上、1990年12月以降の世界の時価総額に着目して、株式市場を見てみました。
この期間に限った、わたしなりの経験的な知見を羅列してみます。
①時価総額の増加・減少期間について
時価総額が増加するのは比較的ゆっくりだが、減少するのは比較的急速だった
②時価総額の変動率・期間
・ボトムからピークまで5~10年程度
・時価総額の増加幅は2.9~3.7倍程度だった
・ピークからボトムまで1年半~2年半程度
・時価総額の減少幅は4~5.5割程度だった
③時価総額の年次変動比率
この約27年に関しては時価総額は
●増加 20回(約74%)
●減少 7回(約26%)
であり、圧倒的に増加することが多かった。
さらに10%以上減少した年は
●4回 (約15%)
だけ。
ただ、
●2000~2002年の長期下落
●2008年の暴落
など、厳しい時期もあり
③世界の時価総額からの経験的な判断
・時価総額が直近のボトムから2.5~3.5倍程度まで増加したら、少し警戒してもよいかもしれない
・時価総額は減少期間は直近のピークから1年半~長く見積もって3年程度?
・減少幅は少なくとも4~5.5割程度を想定
※海外投資の場合、一時的に円高でさらに2割程度、円建て資産評価額が減る可能性もあり
・いつ下落が始まるかは誰にもわからず、最長3年程度の最悪の時期を想定するのは不自然ではない
・それでも、世界経済が長期的な拡大を続けるなら、10年20年の長期で勝負すれば、全世界への分散投資は
勝つ確率は比較的高い賭け
といえなくもなさそう
※上記の知見は、この期間に限ったただの経験則なので、今後15年にわたるの長期上昇相場で時価総額が5倍になることがあるかもしれませんし、その後、5年間続く下落相場で時価総額が70%暴落することがあるかもしれません。先のことはわかりません。投資は自己責任でお願い致します
おわりに
まだはっきりしませんが、2017年12月末の時価総額は85兆ドル程度になりそうです。
2009年2月末の28.9兆ドルの約2.9~3.0倍?
どこまで伸びるか、観察を続けていきます。
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