ユキマツの「長期投資のタイミング」

「景気(企業利益動向)」「中銀の金融政策(金利動向)」「投資家のリスク許容度」などから長期投資のタイミングを探る投資ブログ

「米国失業率」と「投資スタンス」の一例

f:id:yukimatu-tousi:20180313195747p:plain

米国の景気動向を【米国の失業率】で観察し、一つの投資スタンスについて考えてみます。

米国の失業率を知るメリット

「失業率」と「景気」は関連が強く、「景気」と「株価動向」にも関連があり、「失業率」は長期的な「株価動向」を探る材料になり得る、と思われます。

失業率 ⇔ 景気 ⇔ 株価

失業率の長期推移(1948年~)と景気後退

f:id:yukimatu-tousi:20180111200825p:plain

※出所:Civilian Unemployment Rate ※期間:1948年1月~2017年12月

上記は米国失業率の約70年の長期推移です。

灰色のライン景気後退期でこの期間、11回あります。

よくよく観察すると、

●失業率のボトムからしばらくして

あるいは

●失業率のボトムから失業率が上昇し出すタイミング

景気後退が訪れるというパターンが目立ちます。

「景気後退期」や「景気後退の直前」には、株価は大きく下がりやすいので、景気拡大が続いている時期にできるだけ高値で売り抜けたい場合、

●可能な範囲で失業率のボトムを探り

●ボトムらしき時期に株式の比率を下げたり現金比率を上げる

という対処は、この期間においては有効な経験則ではあるかもしれません。

※株価と同様、失業率もいつがボトムかなのかは事前にはわかりませんが・・・

米国失業率のデータ

1948年1月~2018年2月で最低の失業率は1953年の2.5%です。

その他、失業率のボトムは1960年代に3.4%。

その後はITバブルの頃(2000年)の3.8%が目立ったところ。

最大値は1982年11~12月の10.8%。

比較的近年では2009年10月に10.0%を記録。

平均値は5.79%。中央値は5.60%。

f:id:yukimatu-tousi:20180313200157p:plain

※出所:US Unemployment Rate

最新の失業率

f:id:yukimatu-tousi:20180313200915p:plain

※出所:US Unemployment Rateのデータより管理者作成 ※期間:1995年1月~2018年2月

もう少し新しいデータ、1995年からの推移です。

この期間の長期平均「5.6%」で、ラインを引いています。

失業率のボトムの時期に赤丸をつけています。

2018年2月の失業率は先月と同様「4.1%」でした。

米国失業率が示唆すること

2018年2月の失業率「4.1%」は

・サブプライムバブルの頃のボトム「4.4%」は下回り

・ITバブルのころのボトム「3.8%」よりは高い

値です。

今は近年のバブル期に匹敵する非常に失業率の低い時期です。

2009年6月以降、9年近く、米国の景気拡大が続いていることも考慮すると、今後の景気後退や株価の下落を警戒するのは、個人的にはあまり不自然でないと考えます。

ただ、景気拡大が10年、11年と続かないとする明確な根拠もないので、一つの経験的な判断に過ぎません。

株価(S&P500)と米国失業率

f:id:yukimatu-tousi:20180313201740p:plain

※出所:US Unemployment RateYahoo Financeのデータより管理者作成 ※期間:1995年1月~2018年2月

米国の失業率と「<S&P500>÷200」の推移を併記したグラフです。

現在2017年10月より、5カ月連続で失業率は「4.1%」を記録。

2月は株価が下落し、失業率は不変だったので、大きく開いたワニの口は、ほんの少し閉じました。

米国失業率と投資スタンスの一例

この期間において、長期的な傾向としては微妙にタイムラグはあるのですが、

・株価上昇期は失業率は下がる

・株価下落期は失業率は上がる

傾向はあります。

f:id:yukimatu-tousi:20180313201740p:plain

米国失業率は、個人的にはとても理解しやすい、比較的眉唾度合いが少ない

「長期投資タイミングを計る一つの材料」

であると思われます。

大事なことは、株価だけを見つめず、景気(景気以外にも「信用状態」「投資家心理」も大事と思いますが)を長い目で見つめることだと思います。

投資タイミングを読むことは素人には絶対に不可能

と簡単に諦めず、むやみに思考停止にならず、景気の流れから株式相場の大局観を得る研究は、してみる価値があるかもしれません。

ある程度でも、投資タイミングを読む精度が上がれば、投資の収益率の向上や投資ストレス(下落相場を耐え凌ぐことなど)の低減が図れる可能性があります。

※例えば、常時バイ&ホールドでインデックスを積み立てていく方法も立派な戦略ですが、この方法を続けていると、ほぼ確実に暴落や長期低迷相場に遭遇します。

資産評価額の減少に耐性の強い人もいれば、中には耐えられない人もいると思います。

どちらかというと、粘り強い方、定期的な積立金額が大きい方、資産規模が大きい方、に向く戦略のような気がします。

投資スタンスは「何が正しい」ではなく、投資家の好み、価値観、戦略、経済環境によるところも大きいと思います

また、ピンポイントで相場のピークとボトムを当てる必要はなく、今は景気拡大のおおむね

●初期?

●中期?

●後期?

か、それだけでも目途がつけば、長期投資の収益率は上がる可能性があります。

例えば、景気拡大の

●初期?・・・リスク資産(株・リートなど)を多くしたポートフォリオ

●中期?・・・リスク資産を中程度にしたポートフォリオ

●後期?・・・リスク資産を少なめにしたポートフォリオ

ざっくりこんな感じで、個人のリスク許容度に応じて「安全資産:リスク資産の配分」を変えてみるのも、一つの発想、スタイルではあります。

一つのアイデア、うまくいく保証はどこにもありませんが。

現在の景気拡大サイクルの段階

失業率の動向や過去の景気拡大期間の観察からは、おそらく現在は景気拡大の

●後期?

とわたしは推測していますが、いつ拡大が終わるかは不明です。

長い目で観察を続けていきます。

関連記事です。

・米国景気はいつまで拡大するか?

・投資と期待値

・OECD景気先行指数

・米国GDP

www.yukimatu-value.com

www.yukimatu-value.com

www.yukimatu-value.com

www.yukimatu-value.com

関連コンテンツ




【更新の励みになります。よければ応援クリックを!】

follow us in feedly