ユキマツの「長期投資のタイミング」

「景気(企業利益動向)」「中銀の金融政策(金利動向)」「投資家のリスク許容度」などから長期投資のタイミングを探る投資ブログ

2007年以降で最低値 米国債 長短金利差 <2018年3月末データ>

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米国債の長短金利差に着目し、米国の景気動向、株式市場の動向を推測する記事です。

米国債の長短金利差を確認するメリット

 

米国の景気・株式市場の動向を探る役に立つかも?

 

※当ブログでは「長短金利差」

【米10年国債利回り-米2年国債利回り】

とします。

長短金利差について、詳しくはコチラをどうぞ↓

米国債 長短金利差 <2017.12.22> - ユキマツの「長期投資のタイミング」


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1980年以降の逆イールドと景気後退

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※出所:FRED | St. Louis Fedのグラフより管理者作成 ※期間:1976年~2017.11月

1976年~2017.11月の長短金利差のグラフです。

5回の逆イールド期(短期金利>長期金利の時期)とその後の景気後退期(グレーラインの時期)を示しています。

5回とも景気後退期の前に逆イールドが生じており、景気後退期には株価は大きく下げる傾向があります。

なので、逆イールドは景気や株式市場にとって、不穏な兆候になると思われます。

1995年以降の長短金利差と株価の関係

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 ※出所:アメリカ 10年 債券利回りアメリカ 2年 債券利回り^GSPC : Summary for S&P 500 - Yahoo Finance のデータより管理者作成 ※期間:1995年1月~2018年3

1995年以降の長短金利差と株価(【S&P500】を900で割ったもの)の推移グラフです。

このグラフでは、タイムラグはありますが、長期のトレンドとして概ね

●株価上昇期⇔金利差縮小トレンド

●株価下落期⇔金利差拡大トレンド

が確認できます。

また、この時期のデータに限れば、どちらかといえば

●金利差が大きい時期⇒株式は比較的割安

●金利差が小さい時期⇒株式は比較的割高

ともいえそうです。

※長い目でみた一つの傾向、経験則

1995年以降の長短金利差

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※出所:アメリカ 10年 債券利回りアメリカ 2年 債券利回りのデータより管理者作成 ※期間:1995年1月末~2018年3月末

直近のピークは2010年3月の「2.81%」。

2018年3月末は「0.47%」。

2007年以降の月末値では最低の数値です。

2018.4.5現在、長短金利差は、0.51%です。

※A:2.81%。B:2.30%。A-B=0.51% 

※データ:米国債・金利 - Bloomberg

今年のFRB利上げ予測

Countdown to FOMC: CME FedWatch Tool

上記サイトによれば

年内にあと2回程度(1~3回)

のFRBの利上げにより、現在「1.50-1.75%」のFF金利は年内に

「2.00-2.25%」

になると予測されている様子。

現在「2.30%」程度の米2年債利回りが2回の利上げで仮にあと「0.50%」上昇するとすれば、年内に米2年債利回りは「2.80%」程度に上昇する、かもしれません。

そのとき、10年債利回り

●今と同じくらい(2.80%程度)⇒逆イールドリスク

●今より高くなっていれば(3.00%以上)⇒金利上昇による景気減速リスク

も想定され、「利上げペースの按配」というのはおそらく誰がやっても難しいことのようです。

※長期金利「3.00%」程度では「景気減速しない可能性」も十分あります

おわりに

依然、逆イールドは発生しておらず、景気後退はまだ先、かもしれません。

ただ、過去においては逆イールドが発生せずに景気後退になったことや、景気後退なしに株価が暴落したこともあります。

この意味では、リスク管理の観点で逆イールドを重視しすぎるのも少し危険かもしれません。

それでも投資タイミングや市場動向を探るうえでの一つの便利な目安ではあると思われ、引き続き観察していきます。

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