「不幸にしてバブルのピークで買ってしまっても、長く保有していれば報われる度合い」
⇒オフェンス力
として、「近年の2回のバブル期ピーク後の値動き」を確認してみるシリーズ。
今回は米国の個別銘柄、 ベライゾン【VZ】を取り上げます。
※あくまで過去のオフェンス力です。「今や未来のオフェンス力」は不明です
ベライゾン【VZ】のメモ
ベライゾン・コミュニケーションズは米国の総合電気通信会社。
上記グラフは過去5年の株価推移。
・直近のPER:12.13
・直近配当利回り:4.91%
・時価総額:約1986億ドル(約21.8兆円。1ドル=110円で計算)
※データ出所:VZ:New York 株価 - ベライゾン・コミュニケーションズ - Bloomberg Markets
※S&P500の直近配当利回り:1.80%
※2018.6.15 時点
ベライゾン【VZ】とS&P500の推移
1999年12月末を「1.0」としたときのVZとS&P500の推移をみてみます。
※出所:VZ、米S&P 500インデックス(SPX - Investing.comのデータより管理者作成
この期間において、VZの株価は1999年12月末の値をほぼ全期間、上回っていません。
2018年5月末で約「0.86」。
一方、S&P500は約1.8倍になっています。
※配当込みのリターンではなく株価推移のみの観察
ベライゾン【VZ】の(過去の)オフェンス力
過去20年における2回のバブル期ピークの後、VZがどのような値動き(リターン)だったか、S&P500(ここではSPY)と比較しながら見てみます。
※出所:VZ - Yahoo Finance、SPY Historical Prices のデータより管理者作成
SPYはITバブルのピークで買って18年ほど長期保有すると2018年1月に約1.8倍(配当込みで約2.2倍)に。
対してVZはITバブルのピークで買って17年ほど長期保有すると2016年7月に約0.9倍(配当込みで約1.5倍)に。
SPYはサブプライムバブルのピークで買って10年ほど長期保有すると2018年1月に約1.8倍(配当込みで約2倍)に。
対してVZはサブプライムバブルのピークで買って9年ほど長期保有すると2016年7月に約1.3倍(配当込みで約1.7倍)に。
いずれの時期もVZのリターンはSPYを下回っています。
※ちなみに1999年⇒2016年で米国のGDPデフレーター(物価指数の一つ)は「80.07⇒111.42」と約1.4倍になっており、物価上昇を加味すると、この期間のVZへの長期投資(約1.5倍のリターン)は実質的にほとんど利益が出ない、可能性があります(ドル⇔円の為替要因は考慮しない場合)。
所感
あくまでバブル期のピークに買って、長期投資をしたら・・・
という条件で、VZはSPYを下回っています。
この期間の
VZの「オフェンス力」は強くはなかった
と思われます。
ただ、物価を考慮せず、配当を含めれば一応利益は出ています。
高配当によるキャッシュフロー発生の価値
を投資家がどう評価するか、によりこの期間のVZへの投資の評価も分かれるのかもしれません。
配当が出るから長期投資を辛抱強くできる、という考えもあると思われます。
わたし自身は、どうにかして①や②<下記グラフ参照>みたいな割安な時期に買えないか、という欲張りな方向性。
不景気で米国失業率が高めの①②のような時期、結果的にはVZへの投資も比較的安全で、リターンも大きかった。
SPYも同様。
ただの結果論、経験則ですが。
<2000年以降 米国の失業率>
※出所:Civilian Unemployment Rate | FRED | St. Louis Fed
※出所:VZ、米S&P 500インデックス(SPX - Investing.comのデータより管理者作成
※あくまで過去のオフェンス力の印象です。「今や未来のオフェンス力」は不明です。VZの今後のEPS、財務状況、投資環境等で変わってくると思われます。過去のリターンは未来のリターンを保証するものではなく、投資は自己責任でお願い致します。
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