中国の中央銀行、 PBOC(中国人民銀行)と主要中銀の資産動向を確認する記事です。
※便宜的に本記事では「1ドル:110円」「1ユーロ:130円」「1人民元:17円」で計算
スポンサーリンク
PBOCの動向
※出所:China Central Bank Balance Sheet ※単位:1億元
ここ約1年の中国人民銀行(PBOC)の資産推移です。
PBOCの資産は2018年5月末:約35.6兆元(605兆円)でした。
前月比+5兆円。
2018年の動向です。
※出所:China Central Bank Balance Sheetのデータより管理者作成
昨年末の617兆円から5ヶ月で12兆円の減少。
PBOCのバランスシートは今のところ縮小傾向。
4つの中央銀行、トータルでの変動
世界の4大中央銀行、FRB、ECB、日銀、PBOC、トータルの資産動向をみてみます。
トータル資産は概算で2018年5月末:約2216兆円でした。
・前月比+10兆円。
※出所:Bank of Japan、Central Bank Assets for Euro Area 、Total Assets | FRED | 、China Central Bank のデータより管理者作成
2018年は5ヶ月で7兆円増加。
2017年は年間で約182兆円増えていました(ひと月平均15兆円ほどの増加ペース。2016年は約249兆円)。
2017年のペースからすると、今年の進捗率は5ヶ月で3.8%程度。
くどいですが、昨年は「ひと月平均15兆円ほどの増加」していたものが今年は5ヶ月で、7兆円しか増えていません。
巨額の緩和マネーを吐き出していた中銀が
2018年はその動きを止めた
と解釈できる数字です。
市場にとっては逆風。
※出所:Bank of Japan、Central Bank Assets for Euro Area 、Total Assets | FRED | 、China Central Bank のデータより管理者作成
2018年の各中銀のバランスシート動向(5月末まで)。
・ECB・・・+13兆円
・FRB・・・-14兆円
・日銀・・・+20兆円
・PBOC・・・-12兆円
ECBは10月以降、量的緩和策による資産買い入れ金額を現状の半分にする見込み。
FRBの資産縮小ペースはやや加速する見込み。
日銀とPBOCの今後は不明ですが、2018年の年間でみると日銀だけが昨年並みの量的緩和ペースを続けることになるかもしれません。
おわりに
4大中銀の資産動向は今のところ、2018年の投資環境の悪化を明確に示唆。
不況がこなければ、
・中銀緩和マネーのサポートが乏しい
場合によっては
・中銀にマネーを吸収されつつの
投資環境が続きそうな雰囲気。
中央銀行の関連記事です