ユキマツの「長期投資のタイミング」

「景気(企業利益動向)」「中銀の金融政策(金利動向)」「投資家のリスク許容度」などから長期投資のタイミングを探る投資ブログ

2018年は1月以降、リスク許容度が低下した?

f:id:yukimatu-tousi:20190116154213p:plainクレジットスプレッドの一つ、「米国社債スプレッド」関する記事です。

クレジットスプレッドとは

★信用力の差⇒利回りの差=クレジットスプレッド

★クレジットスプレッド=信用力の低い債券利回り-信用力の高い債券利回り

たとえば、債券が償還されるまでの期間が同じ社債と国債があり、社債の利回りが5%、その国の国債利回りが2%であった場合、

5%-2%=3%

がクレジットスプレッドです。

クレジットスプレッドの一つの使い方に

★クレジットスプレッドが縮小するとき(小さくなるとき)

⇒投資家心理は安心・楽観傾向、リスク許容度は高い

⇒株式などのリスク資産は割高傾向

★クレジットスプレッドが拡大するとき(大きくなるとき)

⇒投資家心理は不安・悲観傾向、リスク許容度は低い

⇒株式などのリスク資産は割安傾向

があります。

株式の割安水準や投資家のリスク許容度を探るうえで一つの目安になりそうな指標です。

詳しくは下記リンクを参照ください。

www.yukimatu-value.com

【米国社債スプレッド】とは

本ブログにおける米国社債スプレッドは、

「米国の社債(ムディーズ格付けBaa。中等度のリスク)」と「米国債(10年物)」の利回りの差

とします。

例えば、米国社債の利回りが5%、米国債の利回りが3%なら

5%-3%=2%

が米国社債スプレッドになります。

※わたしの個人的な理解、使い方なので、一般的ではない可能性があります

※「米国社債スプレッド」は一般的な名称ではありません

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【米国社債スプレッド】の平均値、中央値

<期間:1995年1月末~2018年12月末の月末データより>

★平均値(幾何平均):2.35

★中央値:2.40

直近の【米国社債スプレッド】

ここ1年の推移

f:id:yukimatu-tousi:20190116155619p:plain※出所:https://fred.stlouisfed.org/series/BAA10Yより管理者作成

2018年12月末は「2.45」。

2018年10月以降、スプレッドの拡大傾向が続き、長期平均を上回っています。

11月末は「2.27」だったので、12月のスプレッドは大幅に拡大。

12月に関しては

リスク許容度は大幅に低下した?

と推測。

直近のボトムは2018年1月末の「1.56」(2000年以降の最低値)であり、スプレッドが11ヶ月間拡大を続けていることから、

投資家のリスク許容度は11ヶ月間低下トレンドにある?

と推測。

直近の2019.1.14は「2.46」で2018年12月末に比してスプレッドはほぼ変わらず。

1月に関しては株価は大幅に上昇していますが、この指標では

「リスク許容度はあまり変化なし?」

と推測。

直近の「2.46」は長期平均「2.35」よりは高い値であり、リスク許容度の水準は

ふつう~やや低め?

と推測。

【米国社債スプレッド】の参考データ

f:id:yukimatu-tousi:20180822004828p:plain

 ※出所:https://fred.stlouisfed.org/series/BAA10Yのデータより管理者作成

上記グラフは<1995年1月~2018年6月>の米国社債スプレッドの推移を示したものです。

ある程度時期にずれはありますが、2000年以降のバブル期とその崩壊後に、当スプレッドは最小値と最大値をつけている傾向があります。

●ITバブル期の最小値:1.68%(2000.1月)

●サブプライムバブル期の最小値:1.57%(2007.1月)

●ITバブル崩壊後の最大値:3.82%(2002.10月)

●サブプライムバブル崩壊後の最大値:6.10%(2008.11月)

●直近の最小値:1.56%(2018.1月

あくまで目安ですが、2000年以降では「S&P500」「世界の時価総額」とともに、このスプレッドの最大値、最小値も

相場の転換期を探る材料になる

かもしれません。

f:id:yukimatu-tousi:20190116155436p:plain※出所:米S&P 500 インデックス(SPX) - Investing.comWFEhttps://fred.stlouisfed.org/series/BAA10Yのデータより管理者作成

あとがき

【米国社債スプレッド】 <ここ1年の推移>

f:id:yukimatu-tousi:20190116155619p:plain

2018年のこの指標の代表的な数値

★2018.1.31~2018.2.1:「1.56%」(ボトム)

★2018.12.31:「2.45%」(ピーク)

この数値を真に受けると

●2018年1月末頃にリスク許容度は最も高く

その後、

●徐々にリスク許容度は低下傾向(スプレッドは上昇トレンド)にあり、年末にかけてリスクオフが強まった

ように読み取れますが、どうなりますか。

今のところ「世界の時価総額」や「米国社債スプレッド」は

「2018年1月頃が世界的な株価のピーク仮説」

を否定しない状態。

CLI(OECD全体)やグローバル製造業PMIが

2017年11~12月頃が世界景気の直近ピーク?

を示唆していることも含めて考えると「世界の時価総額」や「米国社債スプレッド」の動向は概ね整合的。

※だいたいの感じでS&P500はだいぶ時期がずれてますね。一つの目安。

f:id:yukimatu-tousi:20190116160421p:plain
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