ユキマツの「長期投資のタイミング」

「景気(企業利益動向)」「中銀の金融政策(金利動向)」「投資家のリスク許容度」などから長期投資のタイミングを探る投資ブログ

<クレジットの逆回転> レイ・ダリオ「30分でわかる経済の仕組み」の覚書⑧

www.youtube.com

ヘッジファンド「ブリッジウォーター」創業者レイ・ダリオ氏の考えを解説した無料動画が公表されています。

全31分です。

あくまでダリオ氏の個人的な経済観ですが、個人投資家にも役立つ部分もありそうな気はするので記事にしています。

解説ではなくただのわたしの「おぼえがき」。

前回の7回目は経済がクレジットによって押し上げられる話でした。

今回の8回目は、バブル崩壊の仕組みが描かれています。

※以前の記事

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15分55秒~18分25秒:クレジットの蒸発

何十年もたつと債務額がだんだん大きくなり返済額が増えてきます。

そして返済額が所得よりも速いスピードで増えるときが来ます。

すると人々は支出を抑えることになります。

1人の支出はほかの人の所得ですから所得水準が下がりだします。

すると、借りることも難しくなり縮小傾向となります。

債務の返済は依然として続きますから支出はさらに減少します。

経済変動の波のぶり返しが起こるのです。

これが長期債務周期の頂点となります。

債務負担が支えきれなくなったのです。

アメリカ、ヨーロッパ、その他の地域ではこれが2008年に起こりました。

同じ理由で日本では1989年に起こり、アメリカでは1929年にも起こりました。

こうなるとレバレッジが勢いをなくします。

そうなると支出が減りだします。

所得が縮小しクレジットが消滅し資産価格が急落し銀行は苦しくなります。

株式市場はクラッシュし社会的緊張感が強くなりこの悪循環が繰り返されることになります。

所得が減り債務返済がふえると借り手は締め出されてしまいクレジットは底をついてしまい借り手は返済に充てるお金を借りることもできなくなります。

このため資産を売り払うことになりますから市場は売りに出される資産であふれます。

すると株式が暴落し不動産市場も崩壊し銀行が苦しくなります。

資産価値が減ると担保の価値も縮小することになりますから借りることがさらに難しくなります。

人は貧しいと感じクレジットは蒸発してしまい、支出は減り所得が減り資産価値が減りクレジットが減り、借りることがさらに難しくなる悪循環です。

これは不景気と似ているようですが違います。

利子を下げても景気回復に結びつかないのです。

不景気なら利子を下げれば借りる金額がふえます。

でもレバレッジが消滅していますから利子を下げようとしても既に利子は低くなっており、ときには0%になってしまいます。すると景気回復は不可能です。

★長期的に積み上げた債務が大きくなりすぎる

⇒債務返済額が所得よりも速いスピードで増える時期の到来

⇒経済活動全般の収縮

 <資産価値に関しては>

⇒株式や不動産などのリスク資産が債務返済のために売却される

⇒株式等の資産価値の大幅な下落

⇒企業の資金調達能力も低下し、不景気の一因に

少し話がずれますが、

多額の負債を抱える国の長期金利が上がると、国債の利払い費が急増し、政府は予算も組めなくなるので、国債発行により穴埋めし、負債が雪だるま式に増えるという悪循環に陥る可能性がある・・・

あるいは

中央銀行が政府の国債発行を実質的に引き受け、長期金利の上昇を抑えることには成功するが、その国の通貨価値は大きく落ちる可能性がある・・・

という仮説を聞いたことがあります。

一方「赤信号みんなで渡れば・・・」ではないですが、世界各国政府の負債が全体的に増えすぎ、どこもかしこも負債が多い場合、相対的に「各国通貨価値の棄損度合いの差」が小さくなり、結果、意外にどこの国もわりと大丈夫・・・という都合のいい話は成り立つんでしょうか。

いずれにしても、安心してクレジットを増やすことができる環境では、その負の側面があまり気にならないのが負債のたちの悪いところ。

昔日本でも「徳政令」(債権者・金融業者に対して、債権放棄を命じた法令)というものがあったようですが、うまく利用すればとても便利な「負債」との付き合い方は、いつの時代も一筋縄ではいかないようで。

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