<米国ETF【IYR】と米10年債の利回り差>から米国リートの割高、割安を探ってみます。
※IYR:ダウ・ジョーンズ米国不動産指数に連動する投資成果を目指す米国上場ETF
【IYR】【米10年債】の利回り差
<【IYR】【米10年債】の利回り差>はクレジットスプレッドと同じような発想で、「IYRの利回り」と「米10年債の利回りの差」が
・大きいほどIYRは割安
・小さいほどIYRは割高
とみなす、一つの割安・割高の目安です。
例えば、
A:【IYR】の利回り
B:米10年債の利回り
とします。
①「A:6%」で「B:3%」のとき「A-B=3%」です。
②「A:3%」で「B:3%」のとき「A-B=0%」です。
①の方が②のときより【IYR】は割安と判断します。
※クレジットスプレッドについてはコチラ↓
2019年4月末:【IYR】と【米10年債】の利回り差からの推測
※出所:IYR Historical Prices Yahoo Finance、アメリカ 10年 | アメリカ 10年 債券利回りのデータより管理者作成
2019年4月末のスプレッドは「0.5%」でした。
・IYRの利回り:3.03%
・米10年債の利回り:2.50%
2019年3月末は約「0.6%」だったので、月間でスプレッドはやや縮小。
「0.5」はこの期間の中央値「1.1」を下回る値であり、
やや割高?(割安ではなさそう)
と推測。
個人的には
割安で投資のチャンス!
とは素直に思えない水準。
※IYRの利回り:過去一年(4回)分の分配金とIRY値から算出
参考データ①
※出所:IYR Historical Prices Yahoo Finance、アメリカ 10年 | アメリカ 10年 債券利回りのデータより管理者作成 ※期間:2002.9月~2018.5月末
この期間で利回り差が3%を超えているのは2002~2003年頃(ITバブル崩壊後)と2008~2009年(サブプライムバブル崩壊後)だけです。
その他、2%を超えているのは2011~2012年頃(欧州債務危機)と2015~2016年(チャイナショック)頃。
2%を超える時期に比較的IYRは割安な傾向がありそうで、個人的には割安時期の経験的な目安を概ね「2.0以上」としています。
※適当な目安なので再現性があるかは不明
※主に「割安な時期を知る目安」として利用。割高な時期のスプレッドはブレが大きい印象
参考データ②過去の利回り:「IYR」と「米10年債」
下記グラフは2002年9月末~2018年5月末のIYRと米10年債の利回りの推移を示したものです。
※IYRの利回り:過去一年(4回)分の分配金とIRY月末値から算出
※出所:IYR Historical Prices Yahoo Finance、アメリカ 10年 | アメリカ 10年 債券利回りのデータより管理者作成
IYRの利回りは
・ITバブル崩壊後:約7%
・リーマンショック後:約12%
まで上昇しています。
Jリート平均の利回りピークは
・ITバブル崩壊後:約6%
・リーマンショック後:約8%
なので、似たような傾向はあります。
なおサブプライムバブルの頃や2010~2011年の一時期、IYRの利回りは米国債よりも低かったことがあります。※出所:IYR Historical Prices Yahoo Finance、アメリカ 10年 | アメリカ 10年 債券利回りのデータより管理者作成
あとがき
<米国長期金利:ここ1ヶ月>
※出所:https://jp.investing.com/rates-bonds/u.s.-10-year-bond-yieldより作成
4月は米国の長期金利が2.6%程度まで上昇する時期があり、その影響もあってか一時「84」程度まで下落しましたが後半持ち直し、結局は順調な推移となったIYR。
<IYR:ここ1ヶ月>
株価と同様2019年は好調です。
このまま金利が上昇しなければ堅調な推移が続くのかどうか。
<IYR:ここ1年>
とりあえず1、2割の急落はあったものの2009年以降の米国リートは結果を出している資産クラス。
<IYR:2000年以降>
※出所:https://jp.investing.com/etfs/ishares-dow-jones-us-real-estより作成
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