ユキマツの「長期投資のタイミング」

「景気(企業利益動向)」「中銀の金融政策(金利動向)」「投資家のリスク許容度」などから長期投資のタイミングを探る投資ブログ

16ヶ月続く世界景気の減速トレンド

f:id:yukimatu-tousi:20190515003830p:plain最新の世界景気をCLIで観察してみます。


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①CLI(OECD全体)

f:id:yukimatu-tousi:20190515004200p:plain※出所:- Composite leading indicator (CLI) - OECD Dataより管理者作成

景気指標の一つ、Composite leading indicator (CLI。OECD景気先行指数)の2017年1月~2019年3月の推移です。

上記はOECD全体のCLIであり、世界全体の名目GDPの6割以上を占める国を網羅した景気指数です。

「100」が「ふつうの景気水準」、数字が大きいほど好況、小さいほど不況を示唆します。

先日更新された2019年3月のデータは「98.98」(前月比-0.08)。

2017年11月:100.60

が直近のピークとなっており、ピークから16ヶ月連続で減速トレンドが続いています。

景気水準自体も

悪い

といえそう。

<参考:近年のCLIと経済イベント>

f:id:yukimatu-tousi:20190213221247p:plain
※出所:- Composite leading indicator (CLI) - OECD Dataより管理者作成 ※数値は概算

1995年1月~2018年12月のCLIの推移と経済イベントです。

2019年2月時点で約「99.0」のこの指標、「チャイナショック」「欧州債務危機」の頃の数値を下回る水準。

ITバブル後(2001~2003年頃)、サブプライムバブル後(2008~2009年頃)の低水準に次ぐ水準。

※数値は随時修正されます

※CLIについて詳しくコチラ↓

トレンドは回復~少し停滞? ~OECD全体の景気先行指数 2017年11月データ~

②主要国CLI

主要4ヶ国(米中日独)の国別のCLIを確認します。

期間は2016年1月~2019年3月です。

f:id:yukimatu-tousi:20190515004755p:plain※出所:- Composite leading indicator (CLI) - OECD Dataより管理者作成

日本 オレンジドイツ 米国 中国

最近では<中国⇒日本⇒ドイツ⇒米国>の順にピークアウト。

3月に関しては中国以外、すべて下げています。

中国に関しては

中国のトレンドは下げ止まりそうな雰囲気もあり。

と先月の記事で書いていた程度のグラフだったのですが、最新のグラフでは2018年12月をボトムに明確な反転を描いています。

2019.2月のグラフ⇒明確な反転は確認されない>

f:id:yukimatu-tousi:20190515005157p:plain

CLIのデータは即時性が低めでデータも地味にいじられることも多いですが、かなり露骨に変化させてきています。

2018年の後半にも中国景気の反転を示すグラフが数ヶ月描かれ、その後下落トレンドに修正されたこともあり、個人的には即断せず経過観察。
<参考>主要国製造業PMI:2016.1~2019.4

f:id:yukimatu-tousi:20190507214549p:plain※出所:「https://jp.investing.com/search?q=製造業購買担当者指数 PMI」のデータより管理者作成

2016年1月~2019年4月までの景気動向を示唆する指標、製造業PMIの主要4国の最近の推移です。

「50」を節目に「景気拡大」「景気減速」を示唆。

こちらは「中国⇒ドイツ⇒日本⇒米国」の順にピークアウト。

 

2019.4月の数値変動は

●米国・ドイツ・日本:上昇

●中国:低下

中国以外は上昇していますが米国とドイツはほぼ横ばい。

日本は大きめの上昇し節目の50をわずかに上回っています。

3月「50.5」まで急上昇した中国は4月に「50.1」まで下落。

中国(50以上をキープできるか)と米国(50に少し接近してきている)の今後の動向が気になるところ。

※PMIについてはコチラ

参考データ:CLI(OECD全体)と世界の時価総額の比較

<近年の主な世界景気減速期における世界の時価総額>

f:id:yukimatu-tousi:20190312155524p:plain※出所:https://www.world-exchanges.org/Leading indicators - Composite leading indicator (CLI) - OECD Dataより作成  ※期間:1995.1~2019.1

<近年の主な世界景気拡大期における世界の時価総額>

f:id:yukimatu-tousi:20190312160147p:plain

※出所:https://www.world-exchanges.org/Leading indicators - Composite leading indicator (CLI) - OECD Dataより作成  ※期間:1995.1~2019.1

相対的に「ストレスを抑えて投資できる可能性が高い」のは世界景気の減速期ではなく、拡大期か?

おわりに

中国は含まれていませんが、CLI(OECD全体)の数値は16ヶ月間低下傾向。

A:一時的な回復期も含みつつ、じわじわ長期化するいやらしい景気減速期となるのか

B:軽症ですみ、今年か来年には本格的な世界景気の拡大期がやってくるのか

何だか最近の米中がらみのニュースだけをみていると、Aパターンの到来を危惧してしまいますが、意外にBパターンがしれっと来るかもしれません。

とりあえず観察継続。

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