ユキマツの「長期投資のタイミング」

「景気(企業利益動向)」「中銀の金融政策(金利動向)」「投資家のリスク許容度」などから長期投資のタイミングを探る投資ブログ

<輸出総額は前年割れモード>日本の輸出総額と世界景気・株価の関連

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日本の輸出総額(前年同期比。%)と世界景気、株価の関係を考察。


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日本の輸出総額とTOPIX

一つの仮説です。

日本からの主な輸出品「自動車、鉄鋼製品、半導体、自動車部品、発電機械、プラスチック材料」などの輸出額が前年より増えている時期は世界景気が好調、株価も伸びやすい?

逆に輸出額が前年割れしている時期は世界景気が好調、株価も伸びにくい?

と考え、調べてみました。

日本の輸出総額とTOPIX

f:id:yukimatu-tousi:20190521163536p:plain※出所:http://www.customs.go.jp/toukei/suii/html/time.htmhttps://stocks.finance.yahoo.co.jp/stocks/detail/?code=998405.T より作成

2008年以降のTOPIX(右軸)と輸出総額(左軸。前年同期比。%)の推移グラフです。

赤の輸出総額が低下トレンドにあり、前年割れに落ち込んでいく時期、総じてTOPIXは下落、低迷傾向にあるようです。

※タイムラグがある場合も。2008年以降で6回

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逆に、輸出総額が上昇トレンドにあり、前年超えが続く時期、総じてTOPIXは上昇傾向にあるようです。

※タイムラグがある場合も。2008年以降で6回

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日本の輸出総額とCLI

次に2008年以降の日本の輸出総額と世界景気を示唆する指標CLI(OECD全体)の推移を確認してみます。

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※出所:http://www.customs.go.jp/toukei/suii/html/time.htmLeading indicators - Composite leading indicator (CLI) - OECD Dataより作成

CLIはComposite leading indicator (CLI。OECD景気先行指数)の略。OECD全体のCLIであり、世界全体の名目GDPの6割以上を占める国を網羅した景気指数。

「100」が「ふつうの景気水準」、数字が大きいほど好況(景気拡大)、小さいほど不況(景気減速)を示唆します。詳しくはコチラ

 

青のCLIが低下トレンドにあり、世界景気が減速していく時期、総じて輸出総額は低下、低迷傾向にあるようです。

※タイムラグがある場合も。2008年以降で5回

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逆に青のCLIが上昇トレンドにあり、世界景気が拡大していく時期、総じて輸出総額は増加傾向にあるようです。

※タイムラグがある場合も。2008年以降で4回

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ちなみに日本の輸出総額とCLI(OECD全体)、両者の相関係数は2008.1~2019.3までの月足データで「0.78」であり、強い正の相関があります。

まとめ

あくまで2008.1~2019.3の期間に限った仮説ですが、「日本の輸出総額」と「世界景気」には正の相関があり、「日本の輸出総額」と「TOPIX」にもそれなりの同調性は感じられ

★世界景気の拡大期に日本の輸出は伸びやすく株価は上がりやすそう

★世界景気の減速期に日本の輸出は減りやすく株価は下がりやすそう

という認識はそれほど無理がなさそうな印象。

※絶対法則ではなく傾向。経験則。

この認識から

★「世界景気の拡大期」でなおかつ「日本の輸出総額」が上昇トレンドにある時期に株式やリートなどに思い切って投資してみる

★「世界景気の減速期」でなおかつ「日本の輸出総額」が低下トレンドにある時期には大きな含み損を抱えないよう、防御的なポートフォリオでお茶を濁す

という発想があっても面白いかも。

※今後の再現性は不明

現状はどうか(2019.3月まで)

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日本の輸出総額とCLI(OECD全体)の観点でみると2019.3月時点の世界景気は減速傾向、輸出総額も減少傾向にあると思われます。

2018.9~2019.3の7ヶ月のうち5回は輸出総額の前年割れが確認されます。

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日本の輸出総額とTOPIXの観点でみると、日本の輸出総額(前年同月比)は2017.8月にピークアウト。

TOPIXは2018.1月にピークアウト。

両者とも低下、下落トレンドにあると思われますが、株価は2018.12月、輸出総額は2019.1月に「いったんは底打ちした?」といえなくもないところがあります。

とりあえず世界景気の減速傾向が否定できない状態ではあり、株価が割安な水準とも思われないので(わたしの主観です)

①「世界景気の拡大期」でなおかつ「日本の輸出総額」が上昇トレンドにある時期に株式やリートなどに思い切って投資してみる

②「世界景気の減速期」でなおかつ「日本の輸出総額」が低下トレンドにある時期には大きな含み損を抱えないよう、防御的なポートフォリオでお茶を濁す

上記の発想でいくと中長期的には②が無難と感じるところ。

近々日本では選挙があり、株価は最終的に需給で決まると思うので、何らかの対策(増税延期、減税、追加の金融緩和策など?)が打たれて投資家マインドに変化があり、株価が上がることもあるかもしれませんが。

※先のことはわかりません。投資は自己責任で

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