<米国ETF【IYR】と米10年債の利回り差>から米国リートの割高、割安を探ってみます。
※IYR:ダウ・ジョーンズ米国不動産指数に連動する投資成果を目指す米国上場ETF
【IYR】【米10年債】の利回り差
<【IYR】【米10年債】の利回り差>はクレジットスプレッドと同じような発想で、「IYRの利回り」と「米10年債の利回りの差」が
・大きいほどIYRは割安
・小さいほどIYRは割高
とみなす、一つの割安・割高の目安です。
例えば、
A:【IYR】の利回り
B:米10年債の利回り
とします。
①「A:6%」で「B:3%」のとき「A-B=3%」です。
②「A:3%」で「B:3%」のとき「A-B=0%」です。
①の方が②のときより【IYR】は割安と判断します。
※クレジットスプレッドについてはコチラ↓
最新の【IYR】と【米10年債】の利回り差からの推測
※出所:IYR Historical Prices Yahoo Finance、アメリカ 10年 | アメリカ 10年 債券利回りのデータより管理者作成
2019年7月末のスプレッドは約「0.8%」でした。
・IYRの利回り:2.84%
・米10年債の利回り:2.01%
前月末は約「0.9%」だったので、月間でスプレッドは縮小。
「0.8」はこの期間の中央値「1.1」を下回る値であり、
やや割高?(割安ではなさそう)
と推測。
直近の低スプレッド値は2019.2月の「0.4%」。
6月末⇒7月末でIYRの株価は「87.3⇒89.4」で2.4%UPと堅調。
※IYRの利回り:過去一年(4回)分の分配金とIRY値から算出
参考データ①
※出所:IYR Historical Prices Yahoo Finance、アメリカ 10年 | アメリカ 10年 債券利回りのデータより管理者作成 ※期間:2002.9月~2018.5月末
この期間で利回り差が3%を超えているのは2002~2003年頃(ITバブル崩壊後)と2008~2009年(サブプライムバブル崩壊後)だけです。
その他、2%を超えているのは2011~2012年頃(欧州債務危機)と2015~2016年(チャイナショック)頃。
2%を超える時期に比較的IYRは割安な傾向がありそうで、個人的には割安時期の経験的な目安を概ね「2.0以上」としています。
※適当な目安なので再現性があるかは不明
※主に「割安な時期を知る目安」として利用。割高な時期のスプレッドはブレが大きい印象
参考データ②過去の利回り:「IYR」と「米10年債」
下記グラフは2002年9月末~2018年5月末のIYRと米10年債の利回りの推移を示したものです。
※IYRの利回り:過去一年(4回)分の分配金とIRY月末値から算出
※出所:IYR Historical Prices Yahoo Finance、アメリカ 10年 | アメリカ 10年 債券利回りのデータより管理者作成
IYRの利回りは
・ITバブル崩壊後:約7%
・リーマンショック後:約12%
まで上昇しています。
Jリート平均の利回りピークは
・ITバブル崩壊後:約6%
・リーマンショック後:約8%
なので、似たような傾向はあります。
なおサブプライムバブルの頃や2010~2011年の一時期、IYRの利回りは米国債よりも低かったことがあります。※出所:IYR Historical Prices Yahoo Finance、アメリカ 10年 | アメリカ 10年 債券利回りのデータより管理者作成
あとがき
<IYRと東証リート指数:ここ10年>
※出所:外国株式・海外ETF|SBI証券
IYRと東証リート指数のここ10年の推移比較です。
※分配金の差や為替要因は考慮していません
東証リート指数が肉薄している印象。
<IYRとS&P500:ここ1ヶ月>
※出所:外国株式・海外ETF|SBI証券
IYRとS&P500のここ1ヶ月の比較。
6月は株価がリートよりいい成績でしたが最近はリートが優位。
ここ1ヶ月で約5%の差をつけました。
※出所:IYR | iShares US Real Estate ETF - Investing.comより作成
国債利回り低下を追い風に最高値近くで順風にのっていそうな米国リート市場に死角はあるか?
あるとすれば
・米国債利回りの上昇
・本格的なリスクオフ相場の到来
など思われますが、今後どうなりますか。
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