2019年10月末のFRB、ECB、日銀、3つの中央銀行の資産動向を確認する記事です。
※本記事では便宜的に「1ドル=110円」「1ユーロ=130円」で円換算しており、数値は目安、概算です
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中央銀行の動向を確認するメリット
中央銀行の動向は
投資タイミングの時期を判断する一つの手掛かりになり得る
とわたしは思います。
※その説明↓
●「中央銀行の動向」が「投資タイミング」を判断する、一つの手掛かりになり得ると考える根拠 - ユキマツの「長期投資のタイミング」
FRBの動向
※出所:All Federal Reserve Banks: Total Assets | FRED | St. Louis Fed
ここ5年のFRBの資産推移です。
2018年から資産縮小が本格化し2019年8月までは縮小。
2019年9月中旬より一転して資産は増加中。
2019年11月末:4.05兆ドル(約446兆円)でした。
前月比 +4兆円。
3ヶ月で約32兆円の増加。
昨年末比「-35兆円」水準から「-3兆円」水準まで急速に戻しています。
※出所:All Federal Reserve Banks: Total Assets | FRED | St. Louis Fedのデータより管理者作成
ECBの動向
※出所:Central Bank Assets for Euro Area (11-19 Countries) | FRED | St. Louis Fed
ここ5年のECBの資産推移です。
ECBの資産は2019年11月末:4.70兆ユーロ(約611兆円)でした。
前月比+3兆円。
11月よりECBは量的緩和再開中。
当分資産は増加傾向か。
※出所:Central Bank Assets for Euro Area (11-19 Countries) | FRED | St. Louis Fedのデータより管理者作成
日銀の動向
※出所:Bank of Japan: Total Assets for Japan | FRED | St. Louis Fed
ここ5年の日銀の資産推移です。
日銀の資産は2019年11月末:約579兆円でした。
前月比+3兆円。
今年は11カ月で+27兆円ほど。
※出所:Bank of Japan: Total Assets for Japan | FRED | St. Louis Fedのデータより管理者作成
3つの中央銀行、トータルでの変動
※出所:Bank of Japan、Central Bank Assets for Euro Area 、Total Assets | FRED | のデータより管理者作成
3つの中銀のトータル資産は2019年11月末:約1636兆円でした。
・前月比+10兆円。
・FRB:+4兆円
・ECB:+3兆円
・日銀:+3兆円
※為替レートや四捨五入で誤差あり
2018年は年間で「+16兆円」でした。
2019年も9月まではトータルで「-10兆円」という穏やかな動きでした。
それが10~11月の2ヶ月で「+38兆円」。
リスク資産市場は今のところ総じて好感。
【FRB、ECB、日銀資産】の合計(年末値)と年間増減
※出所:Bank of Japan、Central Bank Assets for Euro Area 、Total Assets | FRED | のデータより管理者作成
おわりに
<2002年12月以降のFRB資産>
近年、3回確認されるFRB資産の急増時期。
①:2008.9月スタート
②:2012.11月スタート
③:2019.9月スタート
①②の時期は世界全体の時価総額は全世界GDPの概ね7割程度。
長期平均の8割程度より低い、比較的株価が割安っぽい時期に開始されました。
③の今回のスタート時点、時価総額はGDPの95%程度。
ひとつの目安に過ぎませんが、この指標ではかなり高い水準からのスタート。
①はタイムラグがありますが、①②の後、時価総額はGDPに対して大きく上昇し、今回も今のところ世界的に株価は上昇傾向。
個人的には年内くらいは大きな波乱なく持ってくれるとありがたいですが、どこまで続きますか。
※バフェット指標=時価総額÷GDP
※データ出所:https://www.world-exchanges.org/、IMFのデータより管理者作成
とりあえず来年、FRBもECBも日銀も、主要3行の資産は増加する気配が濃厚。
物価上昇率が高まらなければ金利抑圧モードが続きそう。
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