ユキマツの「長期投資のタイミング」

「景気(企業利益動向)」「中銀の金融政策(金利動向)」「投資家のリスク許容度」などから長期投資のタイミングを探る投資ブログ

最新の世界的な景気動向<OECD景気先行指数、2017年2月>

世界の景気動向を示唆してくれる指標、

OECD景気先行指数(Composite leading indicator。以下CLI)

で2017.2月時点の景気動向と株式市場の未来を推測します。

CLIについては以下の記事を参照ください。

www.yukimatu-value.com

CLIとは

 以下、株初心者のための株式投資と相場分析方法からの引用です。

OECD景気先行指数(CLI)とは

OECD景気先行指数(CLI:Composite Leading Indicators)とは、OECD(経済協力開発機構)が景気循環の転換点を早期に見極めるために1970年代から算出を開始した指数で、鉱工業在庫率、輸入輸出比率、住宅着工戸数、株価指数など、経済活動の変化を示す統計を基に算出される指数のことです(使われる統計は国ごとに異なる)。

OECD景気先行指数(CLI)の見方

OECD景気先行指数(CLI)は、景気の転換点の6~9カ月先行するように作成されていますので、景気の先行きを予想する指数として注目されます。

OECD景気先行指数(CLI)は、その数値が、

・100より低ければ景気の悪化
・100より高ければ景気の拡大

を示します。

上記をまとめ、補足すると、CLIは

○OECDが算出している景気動向を判断する指標

○100が基準値

○100より低い⇒景気は悪い

○100より高い⇒景気はよい

○CLIが下降している⇒景気の減速

○CLIが上昇している⇒景気の加速

を意味します。

※CLIの数値は絶対値でなく、データを抽出する期間で変動します。

※OECDについては、以下サイトを参照ください。

経済協力開発機構(OECD)

 

どのCLIを見るべきか

CLIには、OECD各国のCLI、OECD全体のCLI、ヨーロッパ地域、その他、中国、インドのCLIなど様々なバージョンがあります。

必要に応じて、確認すればよいのですが、わたしが最も有用と感じるのは、

OECD全体のCLI

です。

その理由はOECD全体の経済規模は

全世界の実質GDPの約7割

名目GDPの約6割

を占めるため、概ね全世界の景気動向を反映しやすいと考えられることです。

グローバルノートの2015年のデータより

以下、本記事ではこのOECD全体のCLIを見ていくので、

CLI=OECD全体のCLI

の意味で表記していきます。

 

CLIの使い方

f:id:yukimatu-tousi:20170502163139p:plain

 ※出所:OECD DATE のグラフを管理者編集

あくまで、わたしの個人的な使い方ですが、

●CLI:101以上

⇒めったにない世界的な好景気

⇒株式は割高⇒株式を売るチャンス

●CLI:99以下

⇒めったにない世界的な不況

⇒株式は割安⇒株式を買うチャンス

と判断します。

※CLIの数値は絶対値でなく、データをみる期間で変化するので、101、99はあくまでこの期間に限った参考値です。

 

また、CLIが上昇しているか、下降しているか、も重要な情報です。

●100以下の水準でも、景気の底からCLIが上昇してきている

⇒株式の先行きにはプラス要因

●100以上の水準でもCLIが景気のピークから下降してきている

⇒株式の先行きにはマイナス要因

と判断します。

要するに、

●現在の水準(今、好景気か?不景気か?)

●トレンド(今後、CLIが上昇していきそうか?下降していきそうか?)

の2点を確認して判断材料とします。

CLIの推移と現在値、その分析

f:id:yukimatu-tousi:20170502161829p:plain

図表1。出所:OECD DATE 

上記グラフは1995年1月~2017年2月のCLIの推移を示しています。

 

2017年2月の最新のCLI:100.06

です。

景気の水準としては、ほぼ基準値の100です。

不景気でも好景気でもないという値です。

 

ではトレンドはどうか。

f:id:yukimatu-tousi:20170503201848p:plain

※出所:OECD DATE データより管理者作成

上記グラフは図表1の期間の、最後の2年間を切り取ったものです。

短期的なトレンドを推測してみます。

 

2015.2月は「100.43」と景気はややよい状態でしたが、その後悪化を続けます。

直近の短期的な世界景気の底は2016.6月の「99.61」であり、2017.2月の「100.06」は8ヶ月続く景気回復トレンド上にある数値といえます。

 

まとめると2017.2月時点では

●世界の景気水準⇒ふつう(良くも悪くもない)

●世界景気の短期トレンド⇒よい(改善基調)

ということになります。

 

したがって、2017.2月のデータではありますが、この指標だけから判断すれば、

●景気は過熱しすぎてはいない

●しかも世界的に短期的には景気回復基調にある

⇒株式市場も拡大し、株価もしばらく上昇する?

と考えてもよいかもしれません。

 

※いつこのトレンドが変化するかはわかりません

※現在(2017年5月)の状態はわかりません

 

個人的にはバフェット指標やその他の指標から、わたしは現在の株価水準は「やや割高~割高」と考えており、今から長期投資を始める気はありません(できるだけ割安な時期にスタートしたいので)。

 

しかし、CLIを見ていると、現在の株価水準はネガティブなイベントなどが起きなければ、しばらく維持、上昇していくかもしれません。

 

もし2015年5月末に記録した、過去最高の時価総額(全世界。約75.6兆ドル。2017.2月末は約73.6兆ドル)を超えてきた場合、さらなる割高な次元に行くかもしれないと考えています。

 

いずれにしても、しばしわたしの出番はなさそうです。

f:id:yukimatu-tousi:20170503205917j:plain

※未来は予測できません。投資は自己責任でお願い致します。

CLIが確認できるサイト

OECD

 東海東京証券

 など。

関連コンテンツ




【更新の励みになります。よければ応援クリックを!】

follow us in feedly