新シリーズを始めます。
題して「時空をこえたメッセージ」
時代や国を問わず、説得力を持ちづけそうな言葉を拾ってまとめていくシリーズにしたいと考えています。
主に投資関連の言葉を拾うつもりですが、たまにどうでもいい、わたしが好きな言葉を拾ってしまうかもしれません。
予めご了承ください。
初回は日本の学者、投資家、本多清六氏の登場です。
時空をこえたメッセージ①
貧乏に強いられてやむを得ず生活をつめるのではなく、自発的、積極的に勤倹貯蓄につとめて、逆に貧乏を圧倒するのでなければならぬと考えた
※出所:本多清六「私の財産告白」
これは9人もの家族を養わなくてはならなくなった若かりし本多氏が、このままではいつまでたっても貧乏生活から抜け出れないと悟ったときの描写です。
一言でいうと、貧乏征伐。
貧乏征伐?
初めて読んだときは「なんのこっちゃ」と思いましたが、じわじわと面白い言葉です。
攻められて苦しむくらいなら、こちらから攻めて、やっつけてやる、という迫力があります。
本多氏は1866年生まれ、ぎりぎり江戸時代に生まれた人ですが、なんというか、精神力がタフというか、勇ましいというか、軟弱な昭和後期生まれのわたしからすると、剛毅なことこの上ないです。
時代が悪い、日本は衰退国だからどうしようもない、いい会社に雇ってもらえない、どうせ自分は下流だから・・・
みたいなグダグダした愚痴は本多氏に通じません。
愚痴る暇があったら自分で解決策を模索し、努力しましょう。
努力できることが幸せです。
貧乏が嫌なら貧乏を征伐しましょう。
そんなノリがあります。
現代では少しうっとうしがられることもあり得るノリです。
※がんばりすぎや方向性を間違った努力は、心や体の健康を損ねる場合があります
しかし、自分で何とかしようと思わないと、何も解決しないことが圧倒的に多いです。
そして、「自分で何かした」感がないと、総じてつまらないことが多いです。
また、結果が伴わなくても、意外に努力の「結果」より、努力の「過程」こそが、より大事で楽しい時間なのかもしれません。
それも、自発的に、積極的に行動を起こすことが、楽しさややりがいを生む、大事なポイントである気がする・・・
「私の財産告白」はそんなことを考えさせてくれる本です。
たまに読み返すと、元気がもらえるときがあります。
古典的な自己啓発本、意欲注入本の一面があるかもしれません。
本多氏の風貌とはずいぶん異なる雰囲気ですが、江戸生まれの松岡修造といったところでしょうか?
貧乏に強いられてやむを得ず生活をつめるのではなく、自発的、積極的に勤倹貯蓄につとめて、逆に貧乏を圧倒するのでなければならぬと考えた
※出所:本多清六「私の財産告白」