ユキマツの「長期投資のタイミング」

「景気(企業利益動向)」「中銀の金融政策(金利動向)」「投資家のリスク許容度」などから長期投資のタイミングを探る投資ブログ

実質賃金と経済成長、そして投資

昨日、実質賃金のニュースがあったので、実質賃金に関係する記事を書いてみます。

実質賃金の推移

実質賃金は

「毎月の給与+ボーナス」(名目賃金

をインフレ率で割ったもののことです。

 

名目賃金がいくら増えても、インフレ率が高ければ、実質的な賃金の価値は下がってしまうので、 「賃金の実際の価値」を知るうえで、実質賃金は重要な指標になります。

 

この実質賃金の推移をみてみましょう。

下記グラフは1990~2015年の名目賃金と実質賃金の推移を追ったものです。

1990年=100です。 

f:id:yukimatu-tousi:20170523154713p:plain※出所:大手資産運用会社で働く金融マンのマネーライフ講座

※STAMさん、すごくわかりやすいやすいグラフだったので表をお借り致します

 

1990~2015年の25年で、名目賃金は横ばい、実施賃金は約10%減少しています。

近年の日本では給与は伸びない、そして、実質的には1996~1997年頃をピークに、減少傾向にあります。

 

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実質GDPの推移

では、一国の経済規模を表す日本のGDPはどうなのか。

名目GDPではなく、インフレ率を調整した実質GDPの推移をみてみましょう。

期間は1990~2015年で、1990年=1.00です。

f:id:yukimatu-tousi:20170523154704p:plain

※出所:世界経済のネタ帳

※GDPについてはコチラ⇒国内総生産 - Wikipedia

 

実質賃金は低下しているのに、この期間で実質GDPは28%、約3割増加しています。

25年で28%ほど「経済成長」しています。

 つまり、1990~2015年の日本に関しては、

経済規模が拡大し、日本国内で生み出される付加価値が約3割増えていても、一人当たりの実質賃金は1割減った

ことになります。

 

もっと赤裸々にいえば、「経済成長しても給料が増えない」時期だったといえます。

 

これは一つの経験則に過ぎず、今後、人手不足から賃金の上昇ペースが上がり、実質賃金が上昇していくことも考えられますが、それにしても、あまり心地よくない事実ではあります。

 

実質的な所得を増やす4つの方法

給料の上昇があまり期待できないなら、所得を増やすにはどうすればいいか。

今の日本で一般的なサラリーマンが実質的に使えるお金を増やすには

①節約(支出を減らす)

②アルバイト(労働時間を増やす)

③投資

④副業・起業

 などの手段があると思います。

 

私見ですが、最も一般的で、どんな時代にも通用する第一の手段は

①節約

でしょう。

 

わたしが投資を始めた理由とこれからの時代

ただ、節約にも限度というものがあります。

どれだけ出費を抑えても、手取りの所得以上にはなりません。

節約をがんばりすぎて毎日、もやし、豆腐、バナナの繰り返しではパワーが出ません。体を壊しては元も子もない。

 

そうなってくると、②③④の手段を検討することになりますが、ただでさえ忙しい毎日、長期的に心や体を壊さず継続しやすいのは、わたしの場合、投資でした。

 

わたしはサラリーマンになって1年目に貯蓄と投資を始めました。

約12年前、2005年頃のことです。

投資を始めた理由は、

「給与がほぼ伸びないことを職場の先輩から聞いたこと」

「何十年働いても退職金があまり出ない事実を知ったこと」

⇒「働けど働けど、我が暮らし、楽にならざる、ことを悟らざるを得なかったこと」

でした。

30年働いても、40年働いても、「給与+退職金の総額」はせいぜいこのくらい・・・か

という先が見えすぎて怖い瞬間が、確かにありました。

投資がしたくて投資を始めた訳ではなく、貯蓄+投資しか打開策がないと感じて投資を始めたタイプです。

 

人それぞれだと思いますが、会社が儲かっていても、経済成長していても、自分の給与には反映されない状態が続くなら、そして、現状に満足していないなら、必要に応じて、各個人の裁量で、何らかの手を打っていくしかない時代なのかもしれません。

※しつこいですが、今後、実質賃金が上がっていく可能性はゼロではありません

ただ、投資をしても利益が出る保証はどこにもありません。

投資しなくても問題ない人もたくさんいますし、投資に向いてない人もいるでしょう。

 

結局、投資するしないにかかわらず、実質賃金がどうであろうと、人それぞれ、状況に合わせながら、自分のスタンスを追求、徐々に確立し、家族や仲間とともに支え合って乗り切っていくしかないのかなあと思います。

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