ユキマツの「長期投資のタイミング」

「景気(企業利益動向)」「中銀の金融政策(金利動向)」「投資家のリスク許容度」などから長期投資のタイミングを探る投資ブログ

米国バフェット指標

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世界全体のバフェット指標、日本のバフェット指標についてはすでに記事にしています。

では、米国のバフェット指標はどうなのか、みてみます。

 米国のバフェット指標を知るメリット

 

●長期的観点から、米国株の割安割高を判断する材料の一つになる、かも


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「バフェット指標」とは?

 まず、バフェット指標の一般的な説明を引用します。

バフェット指標は、投資の神様とも言われる、ウォーレン・バフェット氏が愛用しているとされる、ある国のGDPと上場株式の時価総額の総和を比べる指標をいいます。これは、ある国の株式時価総額増加率と名目GDP成長率は長期的には収斂するとの主張に基づくもので、ある国の株式相場に急落の可能性は高まっていないか、あるいは逆に売り込まれすぎていないかを見る場合に使われます。

※引用元:金融情報サイト「バフェット指標」

具体的には

◎バフェット指標=ある国の時価総額÷名目GDP

です。ここでの時価総額は市場規模をさします。

名目GDPは経済規模のことでもあるので、

◎バフェット指標=市場規模÷経済規模

です。

※時価総額の説明→【世界時価総額】で株式の割安割高を探る【ダイジェスト版】

※GDPの説明→金融情報サイト「GDP」

米国バフェット指標とは

◎バフェット指標=ある国の時価総額÷名目GDP

なので、

米国のバフェット指標=米国の時価総額の合計額÷米国の名目GDP

です。

米国のバフェット指標のことを、当ブログでは米国バフェット指標と呼びます。

また、本ブログの「米国の時価総額」はニューヨーク証券取引所とナスダックの時価総額の合計額で計算しています。

経済規模と市場規模の関係(GDPと時価総額の関係)

一般的に名目GDP成長率と株式時価総額増加率は長期的には正比例する傾向があります。

実際、1995年末と2015年末を比較すると、20年間で世界全体の市場規模(時価総額)は

約3.9倍

経済規模(名目GDP)は

約2.4倍

になっています。

※出所:以下サイトデータより管理者作成 ◎名目GDP→IMF ◎世界時価総額→WFE 

 一般的に、一国の経済規模と市場規模の間には長期的には、以下のような関係があるからだと思われます。

●経済規模↑⇒企業利益↑⇒株価↑⇒市場規模↑
●経済規模↓⇒企業利益↓⇒株価↓⇒市場規模↓

※市場規模=時価総額=株価×株数です

国でなく、世界全体で考えても同様に、世界の経済規模が大きくなれば、長期的には世界の株式市場規模も大きくなる傾向がある、逆も然り、といえそうです。

●世界の経済規模⇔世界の市場規模
●世界経済の成長⇔世界市場の拡大

バフェット指標の使い方

◎バフェット指標=時価総額÷名目GDP
◎バフェット指標=市場規模÷経済規模

なので、

◎バフェット指標が大きくなる→市場規模が経済規模に比べて大きくなる
◎バフェット指標が小さくなる→市場規模が経済規模に比べて小さくなる

ことを意味します。

そして、経済規模と市場規模は長期的には概ね連動しているという前提で、バフェット指標が長期的な平均値より

◎大きい→市場規模が大きすぎる→株式は割高(の可能性)
◎小さい→市場規模が小さすぎる→株式は割安(の可能性)

と解釈する指標です。

米国バフェット指標の推移とデータ

日本や世界の時価総額に関しては、月ごとのデータを入手できたのですが、米国に関しては、2003年以前の月ごとのデータが入手できませんでした。

よって、かなり雑なデータになりますが、1995~2016年の各年末の時価総額のデータと名目GDPで米国バフェット指標を算出し、グラフ化しました。f:id:yukimatu-tousi:20170607222329p:plain ※出所:グローバルノートのデータより管理者作成

2008年、2002年、2011年の年末に大きな底があり、1999年、2006~2007年、2014年の年末に大きな山ができているのが観察できます。

2008年末:リーマンショック後
2002年末:ITバブル崩壊後
2011年末:欧州債務危機
1999年末:ITバブル
2006、7年末:サブプライムバブル

また、この期間の

★平均値:1.23
★中央値:1.31

です。

米国バフェット指標の使い方の例

f:id:yukimatu-tousi:20170607223352p:plain※出所:グローバルノートのデータより管理者作成

 ①長期平均とのかい離を見る

ざっくりした大まかな使い方として、長期平均1.23より

★大きい⇒株式は割高傾向?
★小さい⇒株式は割安傾向?

という見立ては可能かもしれません。

②1.05以下は割安圏?1.40以上は割高圏?

あくまで近年の事例に基づいた経験則ですが、米国バフェット指標が

★1.05以下は株式は割安圏?
★1.40以上は株式は割高圏?

という判断もできなくはないかもしれません。

ただ、これだと2013年以降、

ずっと割高?

という推測になってしまいます。

あくまで

一つの目安

としてわたしは使っています。 

S&P500と米国バフェット指標

f:id:yukimatu-tousi:20170607223352p:plainf:id:yukimatu-tousi:20170607231041p:plain※出所:◎グローバルノートYahoo Financeのデータより管理者作成

上記グラフは、1995年末~2016年末の米国バフェット指標とS&P500の推移です。

米国バフェット指標で割高圏のサインが出ている時期のS&Pは赤四角、割安圏のサインは青四角で囲っています。

バフェット指標は年末データのみなので、かなり雑で申し訳ないですが、一つの経験的な目安にはなるかもしれません。

2017年の米国バフェット指標と現状判断

2017.1 1.43

2017.2 1.48

2017.3 1.47

2017.4 1.48

 ※データ出所:WFE

2017年は割高圏の目安、1.40を超えて推移しています。

「1.48」は近年では1999年と2014年の年末の数値に並ぶ、高い水準にあります。

おわりに     

米国の時価総額は、2003年以降のものであれば毎月確認できます。

今後、継続的にご報告する予定です。

 

また、米国バフェット指標は一つの目安に過ぎません。

米国の関わる以下の指標もよければ参照ください。

恐怖指数<米国市場。S&P500の変動性>

世界バフェット指標<全世界の時価総額÷名目GDP>

マージンデット<米国市場。米国投資家の株の売買のための借金額>

米国社債スプレッド<米国市場。クレジットスプレッド>

ジャンク債スプレッド<米国市場。クレジットスプレッド>

ISM製造業景気指数<米国市場。景気動向>

バフェット指標の問題点、弱点について詳しくはコチラの記事をどうぞ

www.yukimatu-value.com

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