ユキマツの「長期投資のタイミング」

「景気(企業利益動向)」「中銀の金融政策(金利動向)」「投資家のリスク許容度」などから長期投資のタイミングを探る投資ブログ

世界一のファンドマネージャーに学ぶ「クレジットの世界」と「信用動向に寄り添う投資スタイル」の一例

本記事は、以下のサイトや書籍を参考にしています。

<参考サイト>

レイ・ダリオ氏が解説する「30分でわかる経済の仕組み」 全文書き起こし

※レイ・ダリオ氏は世界最大のヘッジファンドである「ブリッジウォーター・アソシエーツ」の創業者です。世界最大=世界一とは限りませんが、響きがいいので世界一にしました

 ・GOO辞書 信用 信用収縮 信用膨張 信用拡大

<参考文献>

☆「投資で一番大切な20の教え」 ハワード・マークス(著)

☆「図解 使えるマクロ経済学」 菅原晃(著)

☆「なぜ今、私たちは未来をこれほど不安に感じるのか?」松村嘉浩(著) 

 

クレジット(信用)の理解は、長期投資にとってはかなり役立つ要素だとわたしは考えています。ただ、わかりにくい概念でもあると思います。

ざっくりまとめると、

世の中の信用が拡大している(借金でマネー規模がふくらんでいる)ときに株式は割高になりやすく、信用が縮小している(借金が減りマネー規模がしぼんでいる)ときに株式は割安になりやすい。

したがって、長期的視点に立った信用の拡大・縮小度合いの観察は、株式の割安割高を判断する目安になるのではないか?

そういう意味で、信用状態の観察は、長期投資の役に立つのではないか・・・

 という話です。

 

退屈かもしれませんが、興味のある方はご参考までに。

※あくまで個人的な解釈であり、一般的なものではない可能性があります

※脱線が多く、長文記事です

信用(クレジット)とは

多くの取引において、お金の支払いは手元にある自分のお金(自己資本)か借金(他人のお金。他人資本)、あるいはその両方で行われます。

わたしたちは手元にないお金を、貸し手から借りて、取引に使用することができる経済環境(信用経済)の中で暮らしています。

借金は、借り手にとっては

債務(将来返すという約束・義務)

であり、貸し手にとっては

債権(将来返してもらうという約束・権利)

になります。

この「貸し手ー借り手間」の

「貸しましたよ。返してもらう権利あります(債権)」

「借りました。返す義務あります(債務)」

という約束・関係性(債権・債務関係、権利・義務関係)

を、経済学において「信用(クレジット)」と呼ぶようです。

 

世の中全体で、お金の貸し借りが増えると、信用はふくらみ(=拡大・膨張し)、貸し借りが減ると、信用はしぼみ(=縮小・収縮し)ます。

例えば、わたしが頭金1000万円、ローン3000万円で4000万円の居住用の家を買えば、その時点において、(3000万円+金利分)、世の中の信用はふくらんだことになります。

つまり、わたしの債務が(3000万円+利子分)増え、貸し手の債権が(3000万円+利子分)増え、世の中の債権・債務関係が増えて、信用が少しだけふくらんだのです。

さらに、わたしが購入した家を担保にお金を借りて、そのお金で投資用マンションを買ったとすれば、その分余計に世の中の信用はふくらみます。

 

こういった借金で何かを買う行為を繰り返せば繰り返すほど、信用の風船はゆっくりふくらんでいきます。

逆に、投資用マンションを売って、自宅のローンもすべて完済すれば、わたしの債務はゼロに、貸し手の債権もゼロになり、その分、世の中の債権・債務関係は減り、信用はしぼんだことになります。

ふくらむときと逆に、世の中の債務が返済されればされるほど、信用はしぼんでいきます。

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また、信用(クレジット)はお金の動きに時間差を持ち込む仕組みです。

借金することは、将来使えたであろうお金を、今現在に持ち込んで使ってしまうことでもあり、お金が使われる時期を無理やりズラす作業でもあります。

この

お金が使われるタイミングのズレ

債務返済を後回しにしがちな人の性(さが)

が、金融市場の根本的な不安定性をもたらす一因とも考えられます。

すなわち、往々にして集団としての人間は、

お金を借りやすい状況や資産価格の上昇局面において、

むやみに借金して投資を行い(株式・不動産投資、企業の設備投資、M&Aなど)、

債務の返済をめいいっぱい先延ばしにした挙句、

パンパンにふくらんだ「信用の風船」をときどき破裂させ、

 破裂後に

急激な信用収縮

膨大な債務不履行

経済規模の縮小

株価・不動産価格の大幅な下落

企業の赤字、リストラ、失業率の増加

などの事態に直面して大いに社会を混乱させるという経験を、何度も繰り返している可能性があります。

 

具体的な近年の事例としては

・ブラックマンデー(1987年) 

・日本のバブル崩壊(1990年頃)

・アジア通貨危機(1997年)

・ITバブル崩壊(2000年頃)

・サブプライム問題(2007年。その後のリーマンショック)

・ギリシャ危機に始まったユーロ危機(2010年)

 などが挙げられ、上記の現象の全て、あるいは一部が観察できると思われます。 

信用膨張と信用収縮

さて、世の中全体の経済活動の結果、時折、極端に信用がふくらむことがあり、この状態を特に信用膨張と呼びます。

反対に、極端に信用がしぼむこともあり、この状態を特に信用収縮と呼びます。

 

まるで、風船がパンパンにふくらんではショボショボにしぼむ様に、信用膨張では世の中のマネーの総量は激増して膨れ上がっていて、信用収縮ではマネーの総量は激減してしぼみきっています。

マネーの総量が増加している時期、金融市場に流れ込むお金の総量も多くなり、金融資産の評価額は総じて大きくなる傾向があります(同様に、マネー総量減少⇒金融資産の評価額は下落傾向)

 

一例として、近年(1995年1月以降)の全世界の株式市場に流入するマネー総額(全世界の主要株式市場時価総額の総和)の変動を、時価総額がピークに達した時と、どん底まで落ちている時のデータを追うと以下の表のようになります。

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※データ出所:WFE(国際取引所連合)

 

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信用がふくらむとき

次に、信用がふくらむ(拡大する)のはどんなときか、考えてみます。

再度の説明になりますが、経済学における「信用(クレジット)」とは、貸し手ー借り手間の

「貸しましたよ。返してもらう権利ありますよ」

「借りました。返す義務あります」

 という債権・債務関係のことです。

なので、信用がふくらむのは、

〇借り手がお金を借りたくなる状況・借りようと思えばたくさん借りれる状況

〇貸し手がお金を貸したくなる状況・低利でもどんどん貸して利益を上げたい状況

つまり、貸し手と借り手、両者のニーズがマッチしやすい状況です。

互いのニーズがマッチすればするほど、信用は加速度的にふくらんで膨張し、ときにバブルを生みだします。

では、どんな状況が、貸し手と借り手間のニーズをマッチさせるのか、表で簡単にまとめてみました。

<信用がふくらみやすい状況>

金利(政策金利、長期金利など)

低い

中央銀行のスタンス

緩和的

GDP成長率の見通し

高い

「家計所得」「企業利益」の先行き

明るい見通し

株や不動産などの資産価格

上昇している

金融機関の貸出審査

甘い

金融機関同士の信頼度

高い

投資家、経営者の態度・心理状況

リスクテイク志向

楽観・期待・安心モード

信用がふくらむのは総じて、世の中の金回りがうまくいっている状況であり、投資家や経営者がリスクを過小評価する時期ともいえます。

家計の所得は増えるか安定的で、不動産や株の資産価値も上がり、投資や消費意欲も向上します。

企業は業績もよく、低金利や株高で資金調達も容易、設備投資や雇用拡大の意欲も湧く時期です。

銀行などの金融機関にとっては、債務という義務を果たせない借り手も少なく、非常に商売のしやすい状況です。

信用力が高く見える家計や企業を探すのに困らず、貸せば儲かりやすい状況なので、どんどん融資し、儲けようとします。

当然、貸し出しの際の審査も甘くなりがちです。

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さらに、上記のような状況が続くことに加えて、恐怖体験、すなわち、前回の信用収縮の記憶が薄れれば薄れるほど、集団としての人は、すべてがうまくいっていると思い込み、過剰にお金を借りて信用を膨張させ、消費や投資を行う傾向があるようです。

おそらく、

・前回の信用収縮の記憶は数年で薄れる

・容易に借りれるのなら借りてしまい、未来よりも今、お金を使って何かをしたいと思う

これらの傾向は、ヒトという生き物に備わった性質、性(さが。わかっちゃいるけどやめられない癖のようなもの)であって、今後も周期的に信用は膨張し、破裂するのではないかと思われます。

※「借金は悪である」と断定するつもりはありません。信用経済によって確保されている利便性は非常に大きいと思います。ただ、近視的で無節操な信用の膨張は、しばしば後味の悪い後遺症を残すことがある、と思われます

信用がしぼむとき

反対に、信用がしぼむ(縮小する)のはどんなときか、考えてみます。

信用がしぼむのは、

〇借り手がお金を借りたくない状況・借りたくても借りれない状況

〇貸し手がお金を貸したくない状況・貸したくても貸せない状況

つまり、貸し手と借り手、両者のニーズがマッチしにくい状況です。

互いのニーズがマッチしなければしないほど、信用は加速度的にしぼんで収縮し、ときに金融危機に陥ります。

では、どんな状況で、貸し手と借り手のニーズはマッチしにくいのか、表で簡単にまとめてみました。

<信用がしぼみやすい状況>

金利(政策金利、長期金利など)

高い

中央銀行のスタンス

どちらかというと引き締め

(利上げを試みているケースが多い)

GDP成長率の見通し

低いかマイナス

「家計所得」「企業の利益」の先行き

暗い見通し

株や不動産などの資産価格

下落している

金融機関の貸出審査

厳しい

金融機関同士の信頼度

低い

投資家、経営者の態度・心理状況

リスク回避志向

悲観・恐怖・不安モード

信用がしぼむのは世の中のお金回りが総じてうまくいっていない状況であり、リスクを過大評価せざるを得ない状況ともいえます。

家計の所得は不安定になり、不動産や株の資産価値も下がり、投資や消費意欲も低下します。

企業は業績に不安要素が増え、株安や銀行の貸し渋りで資金調達にも支障が出やすく、設備投資や雇用拡大の意欲は低下、リストラせざるを得ない状況に陥ることもあります。

銀行などの金融機関にとっては、債務という義務を果たせない借り手の増加により、回収できない権利(不良債権)が増えます。

そして、人に貸すどころか、金融機関自身の自己資本比率を保持するために、債権の回収が最優先課題になり得る時期です(貸し渋り、貸しはがし)。

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信用が極端にしぼんだ信用収縮時は、総じて投資家が

「こんなはずじゃなかった」「何であの時売らなかったんだろう・・・」

と呆然自失し、かつて砂上の楼閣で輝いていた金融資産の存在に自分が大きな価値を見出しすぎていたことを後悔する時期です(わたしの経験談)。

 

金融資産は広義の債権に過ぎず、いわば債権という権利の評価額であり、会計上の数字です。

そして「金融資産≒債権」は必ず誰かの「債務」で成り立っているものであり、何らかの原因で債務という義務を果たせない事案が大規模に発生すると(債券のデフォルト、企業の赤字決算、倒産など)、債務に支えられた債権、すなわち金融資産の価値(評価額)は連鎖的に激しく減価、あるいは消滅してしまいます。

金融資産評価額の興隆と衰退には、そんなはかない一面(真夏が終わり秋風が吹いてくるような、祭りの後の静けさのような一面)があるともいえるでしょう。

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金融資産は、まさに「信用(いわゆる一般的な意味の信用)」「だれかが自分の権利を保障してくれているという信頼」で成り立っている、その信用や信頼が崩れるとき、金融資産の価値はガラガラと崩れ去るときがある・・・

したがって、金融資産が自分でもびっくりするほど大きくふくらんでいる時期ほど、

「これは幻ではないのか?世界中の投資家が寄ってたかって信用を膨らましてるだけではないのか?」

と疑ってみるような用心深さ、冷静さが、長期的に資産を守り、増やしていく上では大事なのかもしれません。

 

「世界的な信用状態」と株式の関係性

さて、ここでようやく本題に入ります。

株式が割安なのは、信用が収縮しているときでしょうか?

信用が膨張しているときでしょうか?

 

過去の経験則では、信用収縮しているときです。 

金融機関の相互不信が高まり、

短期金利は上昇し、

貸し出し審査は厳しく、

株式や不動産の価格が下落して投資家は総じて損失を出し、

悲観・不安・恐怖に支配されリスク回避的であり、

企業利益や家計所得にも先行き不安が生じる、

総じてお金回りがうまくいっていない、まさにそんなときに、信用は過剰に収縮しており、誰も買いたがらない、売り手でいっぱいの市場で、株式を割安で買うことが可能になると思われます。

逆にいうと、こんなひどい状況であるからこそ、公開市場で、びっくりするようなバーゲン価格で優良株が叩き売られている。

つまり、こんな時にしか、わたしのようなそんじょそこらの個人投資家が本当に割安な優良株を買う機会はない、と考えるべきなのかもしれません。

 

逆に、株式が割高なのは、信用が収縮しているときでしょうか?膨張しているときでしょうか? 

過去の経験則では、信用膨張しているときです。

金融機関同士の信頼度は高く、 

金利は安く、貸し出し審査は甘く、

株式や不動産の価格が上昇し、

投資家や経営者が総じて楽観・安心・期待に支配されリスクテイク志向であり、

企業利益や家計所得の先行きも明るい、

まさにそんなときに、信用は過剰に膨張しており、誰も売りたがらない、買い手でいっぱいの市場で、株式を割高な価格で売ることが可能となると思われます。

 

ここまで読んでいただければお分かりと思いますが、要するに、世界的な「信用」の状態、つまり

世界的に信用が

膨張しているのか

収縮しているのか

あるいはその間なのか

それをある程度把握できれば、

株式を割安に買って割高に売る収益率の高い取引

を成立させる可能性を向上させることができるかもしれません。

 

基本的には、

できるだけ信用収縮している(らしい)時に株を買って

できるだけ信用膨張している(らしい)時に売ればいい

と考えるのが自然です。

あるいは、

「できるだけ信用収縮している(らしい)時に株式への配分比率を増やし」

「できるだけ信用膨張している(らしい)時に株式への配分比率を減らす」

というポートフォリオ運用を長期的に繰り返せばいい

とも考えられます。

さらに、具体的に説明すれば、何らかの指標で、長期的な信用状態の平均値(代表値)を算出し、

平均値より低い(信用が収縮気味?)時期に株式を多く保有して、

平均値より高い(信用が膨張気味?)時期に株式を少なく保有すればいい

ということになります。

 

ただ、理屈はそうなのですが、問題があります。

信用収縮時に株式や不動産を大量に買う行為は、人の恐怖心、不安といった強い感情に著しく反した行動です。

普通、怖くてできません。

わかっちゃいるけどなかなかできない行為と思われます。

※わたし自身、リーマンショックの時には投資歴も浅く、傍観しかできませんでした

この虎穴に自ら突撃していくような、ある種異常な行動を可能にするのは、

「かつて信用収縮期を乗り越えた経験」

「過去の事例研究」

「市場に対する深い洞察」

「冷静な判断力や強い意志」

「長期戦略」

などを投資家が備えているかどうか、ではないかと思われます。

 ※インデックス投資ではリバランス(配分比率が乱れた際、所定の配分比率に戻す行為)により、理論的には自動的に「信用収縮期に株を買う」逆張り投資が可能です

※バランスファンドを買えば、自動的にこのような「自然な人間心理に著しく反した投資行動」をファンド側で行ってくれます。バランスファンドの優れた特徴の一つだと思われます

※いずれにしても「投資家が怖くなって自らファンドの解約手続きを行わなければ」という条件がつきます。理論や理屈と投資家がとる現実の行動はしばしばズレます。投資において「危機に陥った状況の自分自身の心理面、感情面への配慮やシミュレーション」は重要だと思います

 

さて、理屈が分かったところで、今度は実際的な問題に突き当たります。

世界的な信用状態を把握する方法・指標は存在するのでしょうか?

 

世界的な信用状態を把握する方法

あくまで「近年の経験則」の域を出ませんが、わたしは信用状態の一部を把握する指標として、「クレジット(信用。債権・債務関係)」という言葉そのものの意味合いから

マージンデット<米国市場。米国投資家の株の売買のための借金額>

信用買い残 <日本の信用取引における買い方の残高>

貸し出し態度判断DI <日本の金融機関の貸し出し態度が「緩い」から「厳しい」比率を引いた値>

などが役立つと考えています。

また、他にも

世界時価総額<全世界の株式時価総額の総和>

世界バフェット指標<全世界の時価総額÷名目GDP>

東証一部PBR <東証一部上場企業全体の株価純資産倍率>

信用評価損益率 <日本市場。信用買いの損益>

恐怖指数<米国市場。S&P500の変動性>

米国社債スプレッド<米国市場。クレジットスプレッド>

ジャンク債スプレッド<米国市場。クレジットスプレッド>

OECD景気先行指数<世界的な景気動向>

ISM製造業景気指数<米国の景気動向>

なども、「株価や債券の動向」「景気動向」の面から、信用状態を探ることが一部可能な指標だと考えています。

※すべて、わたしの個人的見解であり、ご参考までに

したがって、これらの指標を長期的観点から丁寧に追跡していくことで、

株式を割安に買って割高に売る長期投資

を実現する可能性は上がるのではないかと考えています。

要するに、長期投資において、

現在、信用状態のどの水準にいるだろう?

今、信用は膨張と収縮、どっちに向かっているのだろう?

という視点があってもいいのではないかとわたしは思います(いくら推測したところで正確に当てられるわけではありませんが、ある程度は判断できる、可能性はあります)。

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まとめ

以上、長くなってしまいましたが、要点だけまとめると、以下のようになります。

・当ブログでは、長期的な資産運用全般において、「信用(クレジット)」の動向を確認しておくことは重要だと考えています

・経済学における「信用」とは、貸し手ー借り手間の

「貸しましたよ。返してもらう権利あります」

「借りました。返す義務あります」

という債権・債務関係のことです

・金融資産は(広義の)債権です。債権という権利の、ある時点における評価額です。そして債権の価値は(広義の)債務という義務が履行されることで支えられています。

※何らかの事情で大規模に債務の履行が妨げられた場合(企業の赤字・倒産、債券のデフォルトなど)、債権の価値、すなわち金融資産の価値は暴落したりゼロになることがあります

※株式の価値は「企業が一定の利益を上げる、という債務(義務)」で支えられていると考えられます

・世の中全体で、お金の貸し借りが増えれば信用はふくらみ(=拡大・膨張し)、総じて金融資産の価値もふくらみます

・世の中全体で、お金の貸し借りが減れば信用はしぼみ(=縮小・収縮し)、総じて金融資産の価値もしぼみます

・極端に信用がふくらんだ状態は信用膨張、反対に、極端に信用がしぼんだ状態は信用収縮と呼ばれます

・株式を割安に買えるのは歴史的には世界的な信用収縮の時期です

・株式を割高に売れるのは歴史的には世界的な信用膨張の時期です

・したがって、資産運用に王道があるとすれば、その1つの道は、

できるだけ信用がしぼんでいる時期に株を買い、

長期保有し、

できるだけ信用がふくらんでいる時期に売る

投資スタイル

または

できるだけ信用収縮している時に株式への配分比率を増やし、

長期保有し、

できるだけ信用膨張している時に株式への配分比率を減らす

投資スタイル

ではないかと思われます

・そして、いつが信用収縮、信用膨張の時期に当たるかは、以下の指標を長期的に観察し続けることで、ある程度は判断可能ではないかと思われます

マージンデット<米国市場。米国投資家の株の売買のための借金額>

信用買い残 <日本の信用取引における買い方の残高>

貸し出し態度判断DI <日本の金融機関の貸し出し態度が「緩い」から「厳しい」比率を引いた値>

世界時価総額<全世界の株式時価総額の総和>

世界バフェット指標<全世界の時価総額÷名目GDP>

東証一部PBR <東証一部上場企業全体の株価純資産倍率>

信用評価損益率 <日本市場。信用買いの損益>

恐怖指数<米国市場。S&P500の変動性>

米国社債スプレッド<米国市場。クレジットスプレッド>

ジャンク債スプレッド<米国市場。クレジットスプレッド>

OECD景気先行指数<世界的な景気動向>

ISM製造業景気指数<米国の景気動向>

※あくまで近年の経験則であり、個人的な意見、仮説なので参考までに・・・

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最後まで読んでいただいた方、お疲れさまでした。

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