ブログのアクセスがほぼゼロだったころの記事を再掲するシリーズです。
投資は賭け、賭けには期待値の判断が重要
という話です。
今すぐ役に立つテーマでもありませんが、暇つぶしには向くかもしれませんのでよければどうぞ。
投資は賭けであり、賭けで勝つには期待値の判断が重要
人は未来を正しく予測し続けることができません。
にもかかわらず、人は未来の収益を期待して、どうなるかわからないものに、お金をゆだねます。
丁と出るか半と出るか、わからないものにお金をゆだねるのですから、投資は一種の「賭け」です。
「投機」と「投資」を分けて定義したり、積み立て投資やドルコスト平均法など、あれやこれやで
投資に安心感を漂わせよう
とする向きの文章、書籍、サイトもありますが、わたしは投資は
投資は
●起業、ビジネスと同様、収益の可能性と引き換えに、大きな損失ももたらしうる行為である
●そして、収益か損失か、結果がどうなるかは、起業やビジネスと同様、事前には誰にもわからない
●そういう意味では投資はリスクを背負う「賭け」である
と考えます。
また、近年の東電、シャープや東芝、タカタなどの顛末を見ていると、
「どんな企業に就職するか」
それも十分な「賭け」であるように思われます。
※人生に「安心、安全、安定」というものを過剰に求めてもあまり報われないのかもしれません
※わたしは「賭け」をネガティブにとらえていません。「どうなるかわからない未来に期待し、それに賭ける」人の姿は自然でまっとうだと考えています
さて、「どんな投資もしょせん賭け」と認識したうえで投資を行う場合、賭けなのだから、できるだけ期待値の高い賭けを行うべきです。
※「投機=期待値がマイナスの賭け」「投資=期待値がプラスの賭け」という指摘もあるようです
期待値とは「①賭けの勝率」×「②賭けの収益率」で求められる値です。
期待値=勝率×収益率
①勝率は文字通り、賭けに勝てる確率です。
②収益率は、勝ったら+30%、負けたら-50%というような、収益の大きさを表す比率です。
例えば、勝率は90%(負ける確率は10%)で、勝った場合の収益率「+5%」、負けた場合の収益率は「-60%」の賭けがあるとします。
負けたときはえらい目に遭いますが、9割の確率で5%儲かる賭けです。
あなたは賭けますか?やめておきますか?
この賭けは、単純計算では、以下の計算式から、勝ったとき、負けたときの期待値の合計がマイナスになるので、理論的にはやめておいた方がいい賭けになります。
(期待値がマイナスの賭けは、やればやるほど負ける確率が高くなる賭けです)
0.9(勝率)×0.05(収益率5%)+0.1(負ける確率)×(-0.6)(収益率-60%)
=0.045-0.06 =-0.015
=-1.5%
繰り返しになりますが、投資は賭けの一つなので、期待値の判断が重要です。
勝率がいくら高くても、負けたときの収益率が低すぎれば(小さくたくさん勝って、ごくまれにドデカく負けるのなら)、それは期待値の低い、さえない投資スタイルである可能性があります。
一方、勝率はかなり低くても、勝ったときの収益率がとても高ければ(ちょこちょこ負けて、たまにどでかく勝つなら)、期待値の高い優れた投資スタイルである可能性があります。
(次回に続きます)
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「マネーの公理」は市場にもまれて揺らぐ投資家心理をリアルに生々しく描き指摘してくれる面白い本だと思います