個人的に魅力を感じるETFや投資信託を紹介させていただくシリーズ、「魅力的なETF・投資信託」の2回目です。
今回は
【1555】上場インデックスファンド豪州リート
を取り上げます。
【1555】上場インデックスファンド豪州リートとは
上場インデックスファンド豪州リート(S&P/ASX200 A-REIT)|日興アセットマネジメント
以下、上記サイトからの引用です。【1555】は
円換算したS&P/ASX200 A-REIT指数の変動率に一致させることをめざす上場投資信託(ETF)です。(中略)S&P/ASX200 A-REIT指数は、S&P が公表している指数で、オーストラリア証券取引所の上場不動産投資信託の投資収益を時価総額比率で加重平均し、指数化したものです。
【1555】は 円換算したS&P/ASX200 A-REIT指数に連動させることを目指す東証上場のETFです。
※ややこしいので、後で触れますが、実際投資しているのは豪州の不動産だけではなく、米国、英国なども含まれます
基本データです。
・経費率:0.486%(年率。税込み)
・分配金頻度:奇数月、年6回
・分配金利回り:3.48%(2017.6.30時点)
詳しくは下記リンクを参照ください。
【1555】上場インデックスファンド豪州リートの魅力
・米国に偏らず、豪州、米国、英国、欧州、ニュージーランドなどの先進国リートに分散投資できる
のがこの商品の魅力だと思います。
【1555】上場インデックスファンドのチャート
※出所:SBI証券
2011年に上場しています。
当時は円高でもあり、投資を始めておけば、その後の円安と指数の上昇で大きなキャピタルゲイン+分配金のインカムゲインが得られたことになります。結果論ですが。
【1555】上場インデックスファンド豪州リートの値動き、概観
※出所:日経会社情報DIGITAL : 日経電子版の表より管理者作成
上記表は【1555】の2011年以降の値動きを概観した表です。
この期間での安値は2011年10月の「736」、高値は2015年3月の「1705」です。
4年も経過しないうちに、価格は2.3倍になっています。
為替も絡むので指数だけの動きより、値動きは大きくなることがあります。
リスクオフ相場が来て、もし円高、リート安になると、大幅な価格の下落があり得ます。
ちなみに安値をつけた2011.10月頃の
世界バフェット指標:0.70
円の実質実効為替レート:105.6
高値をつけた2015.3月頃の
世界バフェット指標:0.96
円の実質実効為替レート:70.2
です。
世界バフェット指標の1995年以降の長期平均は約0.76であり、2011.10月頃は株式はやや割安、2015.3月頃は割高、【1555】も概ねその判断通りだったといえます。
実質実効為替レートからも、2011.10月頃は円高、2015.3月頃は円安と推測され、【1555】も概ねその影響を受けていると考えられます。やはりただの結果論ですが。
【1555】上場インデックスファンド豪州リートの売買代金(流動性)
流動性の低い商品に多額の投資をすると、いざというとき取引が成立せず困ることがありますので、一応簡単に確認しておきます。
【1555】の一日の売買代金の平均は概算ですが少ない月だと
2017年4月:約350万円
2016年5月:約150万円
2015年10月:約200万円
くらいに落ち込みます。
長期投資で一気に資産を動かさずに少しずつ買っていく、売っていくなら大丈夫かもしれませんが、大きな資産を一気に動かしたいなら、少なすぎる売買代金です。
【1555】上場インデックスファンド豪州リートの注意点
◎投資対象のリートは豪州だけではない
前述しましたが、【1555】が実際に投資している物件は、豪州だけでなく、米国、英国、欧州、ニュージーランドと多岐にわたるようです。
そして、わたしなりに調べてみたのですが、明確な国別配分のデータが得られませんでした。
2017.4月の日興証券の目論見書によれば、上記のような組入比率のようなのですが、投資国は、
・組入れ2位のウエストフィールドは米国、英国中心
・組入れ3位のグッドマングループは欧州、オセアニア中心
だったりで、結局正確な投資国の比率がよくわからないです。
一個一個、解明していけばいいのかもしれませんが、わたしの英語力では労力が大きすぎます。
おそらく豪州メインだとは思いますが、意外に米国、あるいは英国の不動産にも大きな配分で投資している可能性があり、この点は注意が必要なポイントだと思います。
これを
豪州とそれ以外の先進国リートに分散投資できる
とポジティブにとらえることもできますが
国別の投資配分もわからず投資する気にはならない
とネガティブにとらえることもできます。
それでも魅力を感じるポイント
売買代金が少なく、国別配分が不明、それでもわたしがこの銘柄に魅力を感じてしまうのは、「S&P先進国REIT指数」との相違点です。
S&P先進国REIT指数では国別構成比率では約2/3が米国リートに偏っており、分散投資の意味合いからは少し偏っているかなあ、と感じます(先進国リートの本命はこっちで、【1555】は脇役だと思いますが)。
巨大な多国籍企業とは違って、不動産はその土地から動けず、地震やその他何らかのアクシデントで価値が暴落することも想定され、リートに関してはできるだけ広い地域分散が望ましいと個人的には考えています。
それで、【S&P先進国REIT指数に連動する投資信託】と【1555】をブレンドすると、米国に偏り過ぎない、より幅広い分散投資ができると思われ、ここが【1555】に魅力を感じるポイントです。
また、豪州、米国、英国などは長期的に人口増加が見込める先進国であり、【S&P先進国REIT指数】にしても【1555】にしても、主にこれらの国のリートに投資することになるわけで、この点も魅力的なポイントです。
【1555】上場インデックスファンド豪州リートの目標株価
最後に【1555】の目標株価について。
ここでの「目標株価」は、わたしが個人的に「このくらいの値段だったらを買いたい(売りたい)株価」のことです。
単なる個人的な願望なので、あまり参考にならないかもしれませんが、一応記載しておきます。
2017.7.18時点で【1555】の株価は「1570円」です。
この価格から20%程度の円高、40%程度の株安を想定して
1570×0.8×0.6≒754
の計算からざっと
750円
を個人的な目標株価にしています。
※出所:日経会社情報DIGITAL : 日経電子版の表より管理者作成
こんな値段で買えれば嬉しいですが、どうなりますか。
自分勝手な「妄想」を抱いていると、【1555】を買える日は永遠に来ないかもしれませんが・・・
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