8月以降、少しふらふらしていた日本市場ですが、時価総額的にはほぼ復活したといっても過言ではない今週を振り返ります。
各指標の現在
直近の日本市場を株式の「割安割高の目安」になりそうな
★日本バフェット指標 <日本の時価総額÷日本の名目GDP>
★信用買い残 <信用取引における買い方の残高>
★東証一部PBR <東証一部上場企業全体の株価純資産倍率>
★信用評価損益率 <日本市場。信用買いの損益>
★貸し出し態度判断DI <金融機関の貸し出し態度が「緩い」から「厳しい」比率を引いた値>
の5つの指標の最新データで観察していきます。
日本バフェット指標
※出所:以下サイトデータより管理者作成 日本取引所グループ 世界経済のネタ帳 ※期間:1985年1月末~2017年8月末
9.1の日本バフェット指標は「1.14」でした。
一時期611兆円程度まで下げた時価総額も今週は620兆円を回復し、直近の最高額、8月7日の「627兆円」と1%程度しか違いません。
株価指数は不十分ですが、時価総額的には復活です。
1985年からの日本バフェット指標の長期平均は「0.75」です。
割高圏の目安「1.0」以上なので、日本株は割高圏と推測。
※出所:以下サイトデータより管理者作成 日本取引所グループ 世界経済のネタ帳
日本バフェット指標について詳しくはコチラ↓
★日本バフェット指標 <日本の時価総額÷日本の名目GDP>
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信用買い残
※出所:トレーダーズ・ウェブより管理者作成 ※期間2001年6月1日~2017年7月28日
2017.8.25 27183億円(約2.7兆円)です。
8.25は先週比110億円ほどの増加です。
上記期間の長期平均は約2.3兆円であり、長期平均から少し上方に偏った値です。
この指標では「ふつう~やや割高傾向?」と推測。
信用買い残について詳しくはコチラ↓
★信用買い残 <信用取引における買い方の残高>
東証一部PBR
※出所:その他統計資料 | 日本取引所グループのデータより管理者作成 ※グラフの期間:1999年1月末~2017年6月末
2017.8月末のデータはまだ確認できていません。
2017.7月末「1.2」です。2016.12月以来「1.2」で膠着しています。
割安の目安「1.0」以上なので、割安ではなさそうと判断。
東証一部PBRについて詳しくはコチラ↓
★東証一部PBR <東証一部上場企業全体の株価純資産倍率>
信用評価損益率
※出所:トレーダーズ・ウェブのデータより管理者作成 ※グラフ期間:2001.6.1~2017.5.12
2017.8.25は「-8.95」でした。
2017.4月後半から続いている「-5~ー10」のレンジ内です。
上記期間の長期平均はおおむね「-12」なので、市場はわずかに安定、安心モードといえそうです。
割安の目安「-25」以上なので、割安ではなさそうと判断。
信用評価損益率について詳しくはコチラ↓
★信用評価損益率 <日本市場。信用買い残高の損益>
貸し出し態度判断DI (中小企業)
※以下サイトデータより管理者作成 日銀 ※期間:1983.6月~2017.6月
2017.6月 「+21」です。
※3カ月ごとの更新データです
割高の目安「+10」以上なので、割高圏と推測。
日本の金融機関の貸し出し態度は中小企業に関しては、1980年代並みに「とても緩くて甘い」状態が続いているようです。
貸し出し態度判断DIについて詳しくはコチラ↓
★貸し出し態度判断DI <金融機関の貸し出し態度が「緩い」から「厳しい」比率を引いた値>
現時点での日本市場の割高割安、5つの指標からの推測、まとめ
あくまで個人的な判断ですが、現時点で各指標が示唆する株式の割安、割高の判断をまとめます。
先週と変わりありません。
★日本バフェット指標⇒割高圏?
★信用買い残⇒ふつう~やや割高?
★東証一部PBR⇒割安ではなさそう
★信用評価損益率⇒割安ではなさそう
★貸し出し態度判断DI⇒割高圏?
総合的に判断すると、わたしは日本株式は「やや割高~割高圏」と推測します。
したがって、現時点での日本株の長期投資のタイミングとしては
◎資産配分において、株式の配分比率を減らす
◎資産配分において、現金の配分比率を増やす
◎長期投資を一時やめる
のに適す時期だと考えています。単なる経験則ですが。
※長期投資に関する一つの判断です。短期、中期的な投資には役立たない可能性が高いです
※バリュー投資の発想から「割高な時期に株を売り、割安な時期に株を買う」という判断に基づいています
※単なる個人の感想です。未来は誰にも予知できません。投資は自己判断、自己責任で
サブプライムバブル期との比較
※出所:日経平均、TOPIX⇒Yahoo!ファイナンス、東証REIT指数⇒東証REIT指数 日足 時系列データ
あとがき
ここ10年のジャスダック平均。ここ一年、2013年の暴騰以来の鋭角的な急上昇を見せています。
ここ1年のジャスダック平均。
2017.4月にきつめの下げがあった以外、それほど崩れることなくひたすら上昇を続けています。
ジャスダック全体の時価総額は約10兆円、Jリートの約11兆円と大差なく、約600兆円の東証などに比べるとごく小さな市場で価格変動は大きくなりがちではあります。
どこまでいきますか。
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