ユキマツの「長期投資のタイミング」

「景気(企業利益動向)」「中銀の金融政策(金利動向)」「投資家のリスク許容度」などから長期投資のタイミングを探る投資ブログ

久々の動きです。 日本株のバーゲンタイムをお知らせする目安?「東証一部PBR」の確認<2017.8月>

日本株式の割安時期を示唆する可能性がある指標「東証一部PBR」の最新データを確認する記事です。 

www.jpx.co.jp

東証一部のPBRを把握するメリット

①株式が割安な時期を把握する目安になります

②株式が割安な時期に長期投資を始められる可能性が上がり、長期的な投資リターンの向上につながる可能性があります

 

PBRとは

PBRは株式の割安割高を判断する基本的な指標の一つです。

1株当たりの純資産に対し、株価が何倍まで買われているか

を表したのがPBR(株価純資産倍率)です。

1.0以下では、企業の時価総額が企業の保有する純資産を下回っていることになり、個別株などでは

「割安水準の目安」

と判断されることが多い指標です。

数値が大きいほど割高傾向

数値が低いほど割安傾向

と判断します。

詳しくは以下のサイトを参照ください。

「PBR」の意味と使い方を教えてください。 | 日本証券業協会

また、当ブログでは、

「東証一部市場の上場企業全体のPBR」

=東証一部PBR

 とします。

f:id:yukimatu-tousi:20170904102243j:plain

東証一部PBRの推移

f:id:yukimatu-tousi:20170903221426p:plain

※出所:その他統計資料 | 日本取引所グループのデータより管理者作成

上記グラフは、1999年1月末~2017年8月末の東証一部のPBRの推移を示したものです。

①ITバブル崩壊後の2002~2003年頃

②リーマンショック後の2008~2012年頃

にかけて、東証一部のPBRは節目の1.0を下回っています。

①では「0.9」の期間が約7ヶ月続きました。

②では2008.8月~2013.3月まで、4年半ほどの時期、PBRは「1.0」以下(1.0を含んだ期間)でした。

しかも、その最低値は「0.7」。

株式時価総額が「東証一部上場企業の総純資産額の70%程度」で放置されていた時期がそこそこあったことになります。

結果論に過ぎませんが、このように東証一部PBRに関しては、シンプルにわかりやすく近年「日本株が割安だった時期」を示唆しています。

東証一部PBRの使い方

f:id:yukimatu-tousi:20170903221426p:plain

 ※出所:その他統計資料 | 日本取引所グループのデータより管理者作成

※期間:1999年1月末~2017年8月末

上記期間に関しては、基本に忠実にPBRが1.0を下回っている時期に、日本株は割安圏にあった可能性があります。

したがって、一つの経験則として、今後、東証一部PBRが1.0を下回る局面では

★株式中心の長期投資を開始する

★現金比率を下げ、株式・リートなどのリスク資産の比率を上げる

という投資判断をしてもよいかもしれません。

 

効率的市場仮説が完全なら、投資タイミングを図るのは全くの無駄

という主張もありますが、わたしは

株式はできるだけ市場全体のPBRが低いときに買う方が、投資リスクが低くなる可能性が高い

という経験則にそれなりの説得力を感じる「派」です。

近年の日本株を見る限り、それは「客観データ的な事実」ですから。

ただ、未来にもこの経験則が応用できるか、それはわかりません。

過去の株価チャートでの確認とPBRを利用した投資スタイル

株価との比較のために、1999年1月末~2017年4月末の日経平均、S&P500のグラフも掲載しておきます。赤丸の時期が「東証PBRが1.0を下回っている時期(0.9以下)」です。

f:id:yukimatu-tousi:20170521215201p:plain

f:id:yukimatu-tousi:20170521215208p:plain

 ※出所:◎Yahoo!ファイナンス ◎Yahoo Financeデータより管理者作成

日経平均に関しては割安時期を示唆する精度の高い指標だったと思われます。

S&P500に関しても、そこそこいい指標になっていると思います。 

日本株に関しては

愚直に市場全体のPBRが低い時期にだけ株式を買い増し、後は放置しておくか、あるいは割安感が薄れたら売ってしまう

という投資スタイルは、あっけないほどシンプルですが、意外に合理的で負けにくい投資スタイルかもしれません。

手間の少なさ、効率性と「株式が割安らしい時期を、シンプルにPBRで判断する」という理論的な背景を考えれば、悪くないスタイルです。

 

ただ、なかなかチャンスがやってこないので

ひたすら安くなるのを待つ

という「長期的な忍耐」と一生投資タイミングがやって来ないかもしれないという「機会損失リスク」をしょい込む必要がありますし、

単なる結果論

でもあります。

 

「日銀の年間6兆円の株式ETF購入」「世界的な低金利の影響」などで、株価水準が上ずれし、東証一部PBRが「1.0」を割り込むような時期はなかなかやってこない確率が上がっている可能性もあります。

投資は賭けなので、個人の判断、選択次第ということになります。

スポンサーリンク

★ブログランキング参加中 にほんブログ村 株ブログ 米国株へ

 

2017.8月末は割安か?

f:id:yukimatu-tousi:20170903221426p:plain

 ※出所:その他統計資料 | 日本取引所グループのデータより管理者作成

※期間:1999年1月末~2017年8月末

2017.8月末の東証一部PBRは

1.3

でした。

1.2がしばらく続いていたので久々の変化で、③のように変化しました。

割安判断の基準となる1.0を上回っており、この指標のみで判断すると、

日本の株式は割安な時期ではなさそう

です。

※単なる個人の感想です。未来は誰にも予知できません。投資は自己判断、自己責任で 

 

<関連記事です>

米国市場、S&P500のPBRに関する時期です。

www.yukimatu-value.com

関連コンテンツ




【更新の励みになります。よければ応援クリックを!】

follow us in feedly