不景気な時期に株式は割安?
わたしは長期的な株式投資を始めるベターなタイミングは
不景気な時期
<失業率が激しく上昇しているような時期>
ではないか?と考えています。
・世の中全体が「未来への期待」より「現在の不安」に縛られる
・投資家のリスク許容度は過度に低下し、積極的な投資は敬遠されやすい
・金融機関の貸し出し意欲も低下しやすく、企業の資金調達コストも上がる
・上場企業の利益は伸びにくく、一時的に赤字転換する企業も多い
などの理由から、不景気な時期は総じて株価は低迷し割安になりがちではないかと思います。
したがって、株式を割安に買いたいならできるだけ不景気な時期を選ぶのがベターなのではないかと。
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これまでの米国の景気拡大期
※出所:景気循環でみると2017年に米景気は後退期入り?|第一商品
上記の表は、全米経済研究所という研究組織が発表している1945年以降の米国景気拡大期を《第一商品》の方がまとめたものです。とても分かりやすいので引用させていただきます。
この表から分かることをまとめます。
・この期間、11回の景気拡大期があり、その平均期間は約58ヶ月(5年足らず)。
・最長:120ヶ月(10年)
・最短:12ヶ月(1年)
・現在は2009年6月に始まる非常に長い景気拡大期にあり、2017年11月も景気拡大が続いているならば、8年5ヶ月、101ヶ月続く景気拡大期となる
・101ヶ月は1990年代の120ヶ月、1960年代の106ヶ月に次ぐ、長期景気拡大期となる
景気拡大は永遠に続くか?
景気には循環的な要素があり、過去の経験からおそらくずっと続くことはないと思われます。
景気拡大が終息する時期を知ることはできるか?
未来のことなどで、誰も確実にはっきりわからないと思われます。
ただ、一つの手がかりとしてわたしは米国の失業率に注目します。
不景気になると失業率が上昇し、好景気だと失業率が低下する傾向があるので、失業率の動きで景気の動向を占えるかもしれません。
米国の失業率<失業率のピーク>と景気と株価
※出所:アメリカの失業率の推移(1980~2017年) - 世界経済のネタ帳のグラフより管理者作成
上記グラフは1980年以降の米国失業率(年間平均)の推移です。
失業率のピークと株価(S&P500)のボトムは
①1982年:9.71%<株価のボトム:1982.6月頃>
②1992年:7.49%<株価のボトム:1990.9月頃>
③2003年:5.99%<株価のボトム:2002.9月頃>
④2010年:9.61%<株価のボトム:2009.2月頃>
です。
株価のボトムは
・失業率がピークに達している時期か
・それより少し早い時期
に訪れているようです。
<S&P500 株価のボトム>
※出所:S&P 500 Stock - Yahoo Financeのグラフより管理者作成
また、下記表を参考にすると、
①⇒1981年7月からの不況
②⇒1990年7月からの不況
③⇒2001年3月からの不況
④⇒2007年12月からの不況
の影響を受けてそれぞれ失業率がピークに達したと推測されます。
※出所:景気循環でみると2017年に米景気は後退期入り?|第一商品
米国の失業率<失業率のボトム>と景気と株価
※出所:アメリカの失業率の推移(1980~2017年) - 世界経済のネタ帳のグラフより管理者作成
失業率のボトムは
①1989年:5.26%<株価のピーク:1990.6月頃>
②2000年:3.97%<株価のピーク:2000.3月頃>
③2006年:4.61%<株価のピーク:2007.9月頃>
④2017年:4.39%(IMF推計値)<株価のピーク:??>
です。
株価のピークは
・失業率がボトムに達している時期か
・それより少し遅い時期
に訪れているようです。
<S&P500 株価のピーク>
※出所:S&P 500 Stock - Yahoo Financeのグラフより管理者作成
下記表を参考にすると、
①⇒1982年11月からの好景気
②⇒1991年3月からの好景気
③⇒2001年11月からの好景気
④⇒2009年6月からの好景気
の影響を受けてそれぞれ失業率が最低値をつけたと推測されます。
※出所:景気循環でみると2017年に米景気は後退期入り?|第一商品
直近の失業率の推移
過去の事例から、景気動向と失業率、株価にはかなり強い関連がありそうです。
では直近の失業率はどうなっているか?
2017年1月:4.8%
2017年10月:4.1%
です。
失業率は改善を続けており、この視点では、米国経済の好調さを明示しているといえそうです。
まとめ:米国景気はいつまで拡大するか?
結局、いつまで米国の景気拡大は続くでしょうか?
単なる個人的な所感、推測ですが
①今回の景気拡大期はすでに100ヶ月を超えており、1945年以降の最長記録は120ヶ月
②失業率の水準が1980年以降最低水準の「2000年(年間平均):3.97%」に近付いてきている(2017年10月の失業率:4.1%)
③景気は循環的なものである
以上の点から、単なるアノマリー、経験的な知見に過ぎないものの、
・今後、それほど長くは景気拡大が続かない可能性が高い?
・長くて2、3年?(2019~2020年?)短くて1年以内?(2018年?)
かなあ、とわたしは思います。
一方で「今回は違う」「景気拡大は10年以上、もっと長く続く、失業率も3%台前半まで低下する」という予測を否定する明確な根拠もわたしにはありません。
中央銀行の金融緩和、低金利が歴史的にマレな長期の景気拡大をもたらすかもしれません。
さらに、景気後退の時期が来たとしても、どの程度の株価調整があるか、それもよくわかりません。
上記の所感は過去のデータを基にした、ただの勘です。
ご参考程度に。