今週の日本市場を、株式の「割安割高の目安」になりそうな5つの指標で定点観測してみます。
今週の日経平均
※出所:日経平均インデックス(N225 - Investing.com
日経平均は上昇。23000円に迫っています。
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5つの指標
★日本バフェット指標 <日本の時価総額÷日本の名目GDP>
★信用買い残 <信用取引における買い方の残高>
★東証一部PBR <東証一部上場企業全体の株価純資産倍率>
★信用評価損益率 <日本市場。信用買いの損益>
★日経平均ボラティリティー・インデックス<日経平均版の恐怖指数>
日本バフェット指標
※出所:以下サイトデータより管理者作成 日本取引所グループ 世界経済のネタ帳 ※期間:1985年1月末~2017年11月末
12.1の日本バフェット指標は「1.27」でした。
11月末の「1.27」と同水準。
11.24の「1.26」より上昇しています。
この指標のピークとしては約28年前、1989.12月の「1.45」に次ぐ高い水準になっています。
単なる印象ですが、グラフの形が1980年代のバブル期と似ています。
当時は1987.8月に「1.12」でいったんピーク。
その後少し下落して、2年4か月後の1989.12月に「1.45」でピークを迎えました。
今回は、2015.7月に「1.17」でいったんピーク。
その後少し下落して、2年4か月後が2017.11月の「1.27」。
今がピークか、全く分かりませんが、少し気になる相似形。
12.1の時価総額は約「690兆円」(全市場の合計値)。
11.8の「695.6兆円」が今までの最高値。
700兆円に迫っています。
1985年からの日本バフェット指標の長期平均は「0.75」です。
割高圏の目安「1.0」以上なので、日本株は割高圏と推測。
※出所:以下サイトデータより管理者作成 日本取引所グループ 世界経済のネタ帳
日本バフェット指標について詳しくはコチラ↓
★日本バフェット指標 <日本の時価総額÷日本の名目GDP>
信用買い残
※出所:トレーダーズ・ウェブより管理者作成 ※期間2001年6月1日~2017年9月29日
2017.11.24 29073億円(約2.9兆円)です。
前週比約742億円の増加です。
5週連続で増加、増加幅は5週トータルで約3350億円。
短期間で大きな変動です。3兆円まで突っ走る勢いです。
信用買い残市場には明らかに動きが出ています。
上記期間の長期平均は約2.3兆円であり、11.24は長期平均から上方に偏った値です。
アバウトな判断ですが2.3兆円から離れてきたので、この指標からは
やや割高傾向?
と推測。
※出所:トレーダーズ・ウェブのデータより管理者作成
信用買い残について詳しくはコチラ↓
★信用買い残 <信用取引における買い方の残高>
東証一部PBR
※出所:その他統計資料 | 日本取引所グループのデータより管理者作成 ※グラフの期間:1999年1月末~2017年10月末
2017.11月末の東証一部PBRは「1.4」でした。
2007年8月以降、10年以上ずっと「0.7~1.3」のレンジでしたが、10月末に上抜けし、11月も「1.4」となりました。
割安の目安「1.0」以上なので、割安ではなさそうと判断。
東証一部PBRについて詳しくはコチラ↓
★東証一部PBR <東証一部上場企業全体の株価純資産倍率>
信用評価損益率
※出所:トレーダーズ・ウェブのデータより管理者作成 ※グラフ期間:2001.6.1~2017.9.29
2017.11.24は「-8.41」でした。11.17の「-9.95」からややマイナス幅が減少。
2017.4月後半からほぼ「-5~ー10」のレンジ内に収まっています。
上記期間の長期平均は約「-11」なので、「-9.95」は若干の安心モード。
割安の目安「-25」以上なので、割安ではなさそうと判断。
信用評価損益率について詳しくはコチラ↓
★信用評価損益率 <日本市場。信用買い残高の損益>
日経平均ボラティリティー・インデックス
<長期チャート>
※出所:日経平均ボラティリティーインデックス(JNIV - Investing.com
<ここ3ヵ月のチャート>
※出所:恐怖指数(VIX 日経VI VSTOXX) 日経平均比較チャート
日経平均版の恐怖指数、日経平均ボラティリティー・インデックスの長期チャートとここ3ヵ月のチャートです。
1998年からの
・長期平均:25.4
・最低値:11.82(2017.7月)
・最大値:91.45(2008年10月)
個人的には30以上で「株価の割安圏」を示唆しやすい指標と考えます。
12.1は「17.22」。
11.9以降「20」近辺にいましたが、少しずつ下がってきています。。
長期平均以下の市場が落ち着いた水準で、市場心理は比較的安心、楽観に偏っていると推測されます。
恐怖指数について詳しくはコチラ↓
現時点での日本市場の割高割安、5つの指標からの推測、まとめ
あくまで個人的な判断ですが、現時点で各指標が示唆する株式の割安、割高の判断をまとめます。
★日本バフェット指標⇒割高圏?
★信用買い残⇒やや割高?
★東証一部PBR⇒割安ではなさそう
★信用評価損益率⇒割安ではなさそう
★日経平均ボラティリティー・インデックス⇒割安ではなさそう
総合的に判断すると、わたしは日本株式は「やや割高~割高圏?」と推測します。
※信用買い残が伸びてくれば「割高圏?」
したがって、現時点での日本株の長期投資のタイミングとしては
◎資産配分において、株式の配分比率を減らす
◎資産配分において、現金の配分比率を増やす
◎長期投資を一時やめる
のに適す時期だと考えています。単なる経験則ですが。
※長期投資に関する一つの判断です。短期、中期的な投資には役立たない可能性が高いです
※基本的にできるだけ「割高な時期に株を売り、割安な時期に株を買う」という判断に基づいています
※単なる個人の感想です。未来は誰にも予知できません。投資は自己判断、自己責任で
※指標ごとに、データ確認時期にタイムラグがありますので、必ずしもリアルタイムの判断ではありません
バブル期と「今」のデータ比較
※出所:日経平均、TOPIX⇒Yahoo!ファイナンス、東証REIT指数⇒東証REIT指数 日足 時系列データ
TOPIXは抜きつ抜かれつです。
あとがき
今年もあとひと月を切りました。
寒くなってきましたが、日本市場は熱くなっています。
時価総額は700兆円、信用買い残は3兆円に迫っています。
昨年の今頃、それぞれ560兆円、2.1兆円だったので、トランプ相場の継続で市場が大いに活気づいたことがわかります。
1年でずいぶん景色は変わるものです。