もうすぐ正月。
さて、もしもの円暴落があるとわたしは現在の長期投資の投資ポジション(日本円100%)では非常に困るので、
「もしも」の兆し
がないか適時確認しています。
その確認内容を記事にするシリーズです。
<2017.12.14>以来の更新になります。
円暴落の兆しを知るための指標
わたしは以下の5つの指標を適時確認しています。
①ドル円名目レート
②円の実質実効為替レート
③日本の消費者物価指数
④日本の長期金利(10年国債の金利)
⑤日銀の資産動向
※あくまで個人的な対策に過ぎないので、本当に役立つかはわかりません
それぞれが何を意味するのかの説明は以下の記事を参照ください。
ここから5つの指標を一つずつ確認していきます。
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「ドル円名目レート」
<2013年1月からのチャート>
※出所:セントラル短資FX
<2017.10月からのチャート>
※出所:セントラル短資FX
ここ数カ月は110円台前半で安定的。
円の実質実効為替レート
※出所:<BIS>Effective exchange rate indices( Monthly data: Narrow indices:last updated 20 December 2017 ※グラフ期間:1973.1月~2017.11月
上記は長期的な視点から「通貨の実力」を示唆する、という人もいる円の実質実効為替レートの推移グラフです。
1973.1月~2017.11月の
・長期平均:92.9
・中央値:94.7
・ここ10年の最安値:70.9(2015.6月)
・ここ10年の最高値:108.2(2012.1月)
です。
2017.11月の数値は「76.0」であり、前月(76.1)よりわずかに円安傾向にぶれています。
水準としては長期平均「92.9」より
「18%以上の円安水準」
にあり、円安方向にぶれているように推測されます。
※この解釈の仕方はわたしの個人的なものです。全く一般的ではないので、ご注意ください
ただ、急激な動きではありません。
日本の長期金利(10年国債の金利)
※出所:日本 10年債券利回りチャート
近年の日本の長期国債利回り推移です。
0.1%に満たない低位水準。
今のところ急激な金利上昇はなさそうです。
日本の消費者物価指数
※出所:統計局ホームページ/消費者物価指数(CPI) 時系列データのデータより管理者作成
概ねアベノミクス後、2013.1月~2017.11月の消費者物価指数<生鮮食品を除く総合。前年同月比>です。
消費税増税による上昇分は2015.4月には剥落し、その後は「-0.5~0.5%」程度で推移していたのですが、2017.8月に0.7%とレンジを上抜け。
2017年10月は前年比0.8%に上昇。
2017年11月はさらに上昇し0.9%でした。
2017年はじわじわと上昇していますが、来年はいかに?
とりあえず1%に満たない低い水準です。
日銀保有資産
過去5年の日銀保有資産の推移です。
12月19日は約519.0兆円。12月9日よりやや減少。
2017年の日本の名目GDPは推計で544.2兆円であり、現在の日銀の保有資産額は名目GDPの約95%です。
ちなみに米国の名目GDPは19.36兆ドル(IMF推計)、FRBの資産は約4.45兆ドルなので、名目GDPの約23%になります。
また、約1年前2016.12.24の日銀資産は約472.9兆円なので、概ねこの1年で46.1兆円の増加となっています。
日銀資産の増加額は今年は50兆円前後になりそうです。
米国債の利回りとギリシア国債の利回りの確認(ともに10年物)
もしも日本円が暴落するとき、市場はいわゆるリスクオフ一色の相場になると思われます。
そのとき投資家の資金が逃げ込む国債市場の一つは、流動性や信用力の高い米国債ではないかと思います(ドイツ国債などもおそらく同様)。
逆に投資家が資金を引き揚げる国債の一つは、多額の負債を抱え事あるごとに国債利回りが急騰しているギリシアの国債ではないかとわたしは推測しています(他にもいろいろあると思いますが)。
したがって、もし円に何かあれば、米国債の利回りは下がり(米国債は買われて価格が上がり利回りが下がる)、ギリシア国債の利回りは上がる(ギリシア国債は売られて価格が下がり利回りが上がる)と推測されるので、この意味で米国債やギリシア国債の利回を観察しておくと、役に立つのではないかと思われます。
米国 10年
<2008年~>
<ここ3ヵ月>
米10年国債利回りは最近上昇傾向。現在は2.5%程度。
ギリシア 10年
<2008年~>
<ここ3ヵ月>
ギリシア長期国債利回りは12月初めごろに利回り低下。
5%台中盤⇒4%台前半へ。
ECBのテーパリングを前にギリシア国債が誰かに買われています。
まとめ
もしもの円暴落の気配は感じず総じて市場は安定している印象。
おわりに
最近気にしている中国の10年国債利回りです。
<2008年~>
<ここ3ヶ月>
関連時事
・中央銀行の資産動向