今週の日本市場を、株式の「割安割高の目安」になりそうな5つの指標で定点観測してみます。
今週の日経平均
※出所:日経平均インデックス(N225 - Investing.com
今週日経平均はやや下落。
24000円近辺から23500円に近づいています。
今週の日本10年債利回り
今週日銀のテーパリング思惑?のニュースもあり、若干上昇した長期利回り。
円が全面高、日銀によるテーパリング思惑で-ドル・円一時112円半ば - Bloomberg
今週のドル/円
※出所:USD JPY 証券株式相場 | ドル 円 相場 - Investing.com
113円台前半⇒111円台前半(12日22:30時点)へと円高が進んでいます。
ドル/円はほったらかしで株価は比較的高いところにいる印象。
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5つの指標
★日本バフェット指標 <日本の時価総額÷日本の名目GDP>
★信用買い残 <信用取引における買い方の残高>
★東証一部PBR <東証一部上場企業全体の株価純資産倍率>
★信用評価損益率 <日本市場。信用買いの損益>
★日経平均ボラティリティー・インデックス<日経平均版の恐怖指数>
日本バフェット指標
※出所:以下サイトデータより管理者作成 日本取引所グループ 世界経済のネタ帳 ※期間:1985年1月末~2017年12月末
1.12の日本バフェット指標は「1.31」でした。
先週末と変わらず、2017年12月末の「1.29」より上昇。
この指標のピークとしては約28年前、1989.12月の「1.45」に次ぐ高い水準になっています。
あと10%ちょっとで「1.45」に届くところまで伸びています。
1.12の時価総額は約「722.8兆円」(全市場の合計値)。
時価総額は先週末よりわずかに減少。
1.10の728.4兆円が現時点での最大値。
1985年からの日本バフェット指標の長期平均は「0.75」です。
割高圏の目安「1.0」以上なので、長期的観点からは
日本株は割高圏?
と推測。
※出所:以下サイトデータより管理者作成 日本取引所グループ 世界経済のネタ帳
日本バフェット指標について詳しくはコチラ↓
★日本バフェット指標 <日本の時価総額÷日本の名目GDP>
信用買い残
※出所:トレーダーズ・ウェブより管理者作成 ※期間2001年6月1日~2017年12月8日
今週は更新されていません。
2017.12.29 30212億円(約3.0兆円)です。
前週比約709億円の減少です。
8週連続で増加した後、2週連続で減少。
上記期間の長期平均は約2.4兆円であり、3.0兆円は長期平均から上方に偏った値です。
アバウトな判断ですが2.4兆円から離れてきたので、この指標からは
やや割高?
と推測。
<2017.10.6以降の推移>
※出所:トレーダーズ・ウェブのデータより管理者作成
信用買い残について詳しくはコチラ↓
★信用買い残 <信用取引における買い方の残高>
東証一部PBR
※出所:その他統計資料 | 日本取引所グループのデータより管理者作成 ※グラフの期間:1999年1月末~2017年12月末
2017.12月末の東証一部PBRは「1.4」でした。
2007年8月以降、10年以上ずっと「0.7~1.3」のレンジでしたが、2017年10月末に上抜けし、11月、12月も「1.4」となりました。
割安の目安「1.0」以上なので、割安ではなさそうと判断。
東証一部PBRについて詳しくはコチラ↓
★東証一部PBR <東証一部上場企業全体の株価純資産倍率>
信用評価損益率
※出所:トレーダーズ・ウェブのデータより管理者作成 ※グラフ期間:2001.6.1~2017.9.29
12.29のデータが確認できました。
2017.12.29は「-5.77」でした。12.22の「-6.11」からマイナス幅が減少。
2017.4月後半からほぼ「-5~ー10」のレンジ内に収まっています。
久々に「-5」を上回ってくるでしょうか。
上記期間の長期平均は約「-11」なので、「-5.77」はやや安心モード。
割安の目安「-25」以上なので、割安ではなさそうと判断。
信用評価損益率について詳しくはコチラ↓
★信用評価損益率 <日本市場。信用買い残高の損益>
日経平均ボラティリティー・インデックス
★日経平均ボラティリティー・インデックスのメモ
1998年からの
・長期平均:25.3
・最低値:11.82(2017.7月)
・最大値:91.45(2008年10月)
・個人的には30以上で「株価の割安圏」を示唆しやすい指標と考えます。
<長期チャート>
※出所:日経平均ボラティリティーインデックス(JNIV - Investing.com
※期間:1998年~2017年1日11日
<ここ3ヵ月のチャート>
※出所:恐怖指数(VIX 日経VI VSTOXX) 日経平均比較チャートより管理者作成
1.12は「14.91」。
先週よりやや低下。
長期平均「25.3」よりはるかに下の水準で、市場心理は比較的安心、楽観に偏っていると推測されます。
恐怖指数について詳しくはコチラ↓
現時点での日本市場の割高割安、5つの指標からの推測、まとめ
あくまで個人的な判断ですが、現時点で各指標が示唆する株式の割安、割高の判断をまとめます。
★日本バフェット指標⇒割高圏?
★信用買い残⇒やや割高?
★東証一部PBR⇒割安ではなさそう
★信用評価損益率⇒割安ではなさそう
★日経平均ボラティリティー・インデックス⇒割安ではなさそう
総合的に判断すると、わたしは日本株式は「割高圏?」と推測します。
現時点での日本株の長期投資のタイミングとしては
◎資産配分において、株式の配分比率を減らす
◎資産配分において、現金の配分比率を増やす
◎長期投資を一時やめる
のに適す時期だと考えています。単なる経験則ですが。
※長期投資に関する一つの判断です。短期、中期的な投資には役立たない可能性が高いです
※基本的にできるだけ「割高な時期に株を売り、割安な時期に株を買う」という判断に基づいています
※単なる個人の感想です。未来は誰にも予知できません。投資は自己判断、自己責任で
※指標ごとに、データ確認時期にタイムラグがありますので、必ずしもリアルタイムの判断ではありません
バブル期と「今」のデータ比較
※出所:日経平均、TOPIX⇒Yahoo!ファイナンス、東証REIT指数⇒SBI証券、貸し出し態度判断DI⇒主要時系列統計データ表
2017年11月頃に「1600」近くまで下落した東証リート指数が「1700」近くまで回復してきました。
あとがき
バフェット氏は仮想通貨に関して否定的な様子です。
上記記事により引用
「仮想通貨は総じて悪い結末に至るだろうと、ほぼ確信を持って言える」と発言。「それがいつ起こるのか、どのように起こるのかなどは分からない。ただし、これだけは分かっている。全ての仮想通貨について5年物のプットを買うことができるなら、私は喜んでそうするだろうが、10セント分すらもショートにすることは決してない」
バフェット氏は
「総じて悪い結末に至るだろうと、ほぼ確信を持って言える」
と述べているのに、
「悪い結果を迎えるのは確実」
という記事タイトルは、少しひっかかります。
どうなるかは確実にはわからないのだから
総じて
とか
だろう
とか
ほぼ
という言葉を使用しているのに、それを削除してしまうと、断言している印象を与えますね。
また、
長期のオプションでプットを買えるなら喜んでやるが、単純なショートは決してしない
と述べているところ、印象的です。
プットオプション買いによる損失額は限定されている一方、ただのショートポジションの損失額は理屈では無限大です。
そんなリスクは10セント分でもしょいこみたくない・・・バフェット氏らしいコメントと思います。
関連記事。仮想通貨に関する記事です。