米国景気動向とインフレ率を直近の
【実質GDP】
【OECD景気先行指数(CLI)】
【コアCPI】
で確認してみます。
まず【実質GDP】から。
米国の実質GDPの推移と現在値
※出所:BEA National Economic Accountsのデータより管理者作成
上記のグラフは1995年第1四半期~2017年第3四半期の実質GDP成長率(年率)を四半期ごとに追ってグラフにしたものです。
この期間、約22年のデータの中央値は2.44%です(オレンジのライン)。
2000年第1四半期~2017年第3四半期の中央値は2.17%です。
修正された最新データ「2016年第3四半期~2017年第3四半期」の年間成長率は
2.30%
です。
2.30%という数値は、前期「2016年第2四半期~2017年第2四半期」の「2.21%」より上昇しています。
1995年以降の中央値「2.44」よりは低い値。
2000年以降の中央値「2.17」よりは高い値。
短期的には2016年の第2四半期「1.23%」で底打ちした後の上昇トレンドにあり
米国実体経済は回復基調にある
と思われます。
※過去3年の推移。出所:BEA National Economic Accountsのデータより管理者作成
米国のOECD景気先行指数(CLI)
次に、米国の景気動向をOECD景気先行指数(以下:CLI)で探ってみます。
CLIの簡単な説明です。
○OECDが算出している景気動向を判断する指標
○100が基準値
○100より低い⇒景気は悪い(99以下はとても悪い)
○100より高い⇒景気はよい(101以上はとてもいい)
○CLIが下降している⇒景気の減速
○CLIが上昇している⇒景気の加速
詳しくは下記記事を参照ください。
※出所:OECD Data ※期間:1995年1月~2017年11月
上記は米国CLIの長期推移です。
下記はここ3年の米国CLIです。
※出所:OECD Data
2016年の春から夏をボトムに景気は回復傾向にあります。
ただ現在も100に届かず、良くも悪くもない、普通の水準。
他の指標は総じてよいのですが、この指標は他の指標に比べてややネガティブな米国景気を示唆しています。
米国のインフレ率
最後に、米国のインフレ率を「コアCPI」で見てみます。
コアCPIは
●消費者物価指数(Consumer price index)のうち、価格変動の激しいエネルギー価格や食品価格を取り除いたもので
●米連邦準備理事会(FRB)は「コアCPI:2%」を目標値としている
ようです。
コアCPI 長期推移
※出所:Bureau of Labor Statistics Dataのデータより管理者作成
約23年間、2003~2004年頃、2010~2011年頃を除いて、概ね
1.5~3.0%
の範囲におさまっています。
ここ3年の推移
※出所:Bureau of Labor Statistics Dataのデータより管理者作成
この期間
1.6~2.3%
で推移。
2017年12月は1.8%。
現在わりとまったりした動きですが、今後上昇していくでしょうか。
まとめ
【実質GDP】【OECD景気先行指数(CLI)】から米国景気動向を探ってみました。
【失業率】 の低さや絶好調の【ISM製造業景気指数】に比べると物足りない感じがする数字ですが、この両者のデータからは、米国景気は
まあまあよい~普通
くらいの印象。
【コアCPI】は2017年、2%台前半から1%台後半に低下し、そのまままったり、少し上がりそうな雰囲気もある、というところ。
ちょうどいいくらいのインフレ率、今後どうなりますか。
関連記事です。
①米国GDP
②米国景気<【失業率】 【ISM製造業景気指数】>
について書いています。www.yukimatu-value.com