ユキマツの「長期投資のタイミング」

「景気(企業利益動向)」「中銀の金融政策(金利動向)」「投資家のリスク許容度」などから長期投資のタイミングを探る投資ブログ

トレンドは回復~少し停滞? ~OECD全体の景気先行指数 2017年11月データ~

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OECD景気先行指数、11月のデータが確認できました。

2017.11月のデータによれば、世界景気は

●世界の景気水準⇒ふつう~ややよい

●世界景気の短期トレンド⇒わずかに拡大基調~少し停滞?

と推測されます。

OECD景気先行指数を確認するメリット

OECD景気先行指数(Composite leading indicator。以下CLI)は

景気動向

を知るための指標。

★株価動向★景気動向

には密接な関連があると思われ、現在の株価水準や今後の株価の動向を探るうえで、景気動向を確認しておくことは有益と思われます。

※CLIについて詳しくは以下の記事を参照ください

www.yukimatu-value.com

CLIとは

 以下、株初心者のための株式投資と相場分析方法からの引用です。

OECD景気先行指数(CLI)とは

OECD景気先行指数(CLI:Composite Leading Indicators)とは、OECD(経済協力開発機構)が景気循環の転換点を早期に見極めるために1970年代から算出を開始した指数で、鉱工業在庫率、輸入輸出比率、住宅着工戸数、株価指数など、経済活動の変化を示す統計を基に算出される指数のことです(使われる統計は国ごとに異なる)。

OECD景気先行指数(CLI)の見方

OECD景気先行指数(CLI)は、景気の転換点の6~9カ月先行するように作成されていますので、景気の先行きを予想する指数として注目されます。

OECD景気先行指数(CLI)は、その数値が、

・100より低ければ景気の悪化
・100より高ければ景気の拡大

を示します。

上記をまとめ、補足すると、CLIは

○OECDが算出している景気動向を判断する指標

100が基準値

○100より低い⇒景気は悪い

○100より高い⇒景気はよい

○CLIが下降している⇒景気の減速

○CLIが上昇している⇒景気の加速

を意味します。

※CLIの数値は絶対値でなく、データを抽出する期間で変動します

※OECDについては、以下サイトを参照ください

経済協力開発機構(OECD)


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どのCLIを見るべきか

CLIには、OECD各国のCLI、OECD全体のCLI、ヨーロッパ地域、その他、中国、インドのCLIなど様々なバージョンがあります。

必要に応じて、確認すればよいのですが、わたしが特に有用と感じるのは、

OECD全体のCLI

です。

その理由はOECD全体の経済規模は

全世界の実質GDPの約7割

名目GDPの約6割

を占めるため、概ね全世界の景気動向を反映しやすいと考えられることです。

グローバルノートの2015年のデータより

以下、本記事ではこのOECD全体のCLIを見ていくので、

CLI=OECD全体のCLI

の意味で表記していきます。

CLIの使い方の例

景気水準(好景気?不景気?)の目安

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 ※出所:OECD DATE のグラフを管理者編集

あくまで、わたしの個人的な使い方ですが、

●CLI:101以上

⇒めったにない世界的な好景気

⇒株式は割高⇒株式を売るチャンス

●CLI:99以下

⇒めったにない世界的な不況

⇒株式は割安⇒株式を買うチャンス

という目安として用いる。

※CLIの数値は絶対値でなく、データをみる期間で変化するので、101、99はあくまで目安です

CLIのトレンドの把握

また、CLIが上昇しているか、下降しているか、も重要な情報と思われます。

●100以下の水準でも、景気の底からCLIが上昇してきている

⇒株式の先行きにはプラス要因?

●100以上の水準でもCLIが景気のピークから下降してきている

⇒株式の先行きにはマイナス要因?

要するに、

●現在の水準(今、好景気か?不景気か?)

●トレンド(今後、CLIが上昇していきそうか?下降していきそうか?)

の2点が景気動向と景気動向に関連する株価動向の参考になるのではないかと推測されます。

株式の「バブル期」と「暴落、低迷期」とCLIの関連

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※出所:OECD DATE のグラフより管理者作成 ※期間:1995年1月~2017年7月

上記グラフを見る限り、

◎株を買うなら、どちらかというと

景気の悪そうな時期(CLIが小さい時期)

◎株を売るなら、どちらかというと

景気のいい時期(CLIが大きい時期)

というのは、経験則としては説得力があると思います。

CLIの推移と現在値、その分析

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※出所:OECD DATE のグラフより管理者作成

上記グラフは1995年1月~2017年11月のCLIの推移を示しています。

11月のCLIは100近辺。

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※出所:OECD DATE

上記の表は2016年8月~2017.11月のCLIの数値です。

2017年11月のCLIは「100.15」です。

景気の水準としては、基準値100をやや上回っており、世界経済は

ふつう~ややよい

と推測されます。

 

短期的なトレンドを見てみます。

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※出所:OECD DATE 

上記グラフはここ3年間のCLIの推移です。

2015年春頃から景気は後退、2016年6月頃に底打ちし、その後回復傾向。

回復のペースは2017年春ごろから少しペースダウン。

回復基調にはありそうですが、2017年11月は10月と変わらない数値であり、若干停滞の雰囲気も。

まとめ

2017年11月時点では

●世界の景気水準⇒ふつう~ややよい

●世界景気の短期トレンド⇒拡大基調~少し停滞?

と推測されます。

●米国の【失業率】の低さ 、【ISM製造業景気指数】の高さ

●主要国の【製造業購買担当者指数】の高さ

に比べてCLIは物足りない数字ですが、決して景気が悪いという数字でもないので、引き続き観察を続けていきます。

CLIが確認できるサイト

OECD

 東海東京証券

 など。 

あとがき

米10年債利回りが2.7%を超えてきました。

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※出所:アメリカ 10年 | アメリカ 10年 債券利回り ※ここ1ヶ月

金利上昇のわりに、米国ハイイールド債やS&P500はほとんど反応していません。

f:id:yukimatu-tousi:20180129223158p:plain※出所:https://jp.investing.com/indices/us-spx-500  ※ここ1ヶ月

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※出所:JNK | SPDR Barclays High Yield Bond ETF - Investing.com  ※ここ1ヶ月

米国リートは少し反応?

f:id:yukimatu-tousi:20180129223529p:plain※出所:IYR | iShares US Real Estate ETF - Investing.com ※ここ1ヶ月

今後どうなっていきますか。

関連記事です。

●【失業率】【ISM製造業景気指数】でみた米国景気

www.yukimatu-value.com

●製造業購買担当者指数での景気判断

www.yukimatu-value.com

●米国GDPのデータをいち早く知るサイトや米国GDPの推移について

www.yukimatu-value.com

●米国の景気動向に関するメジャーな指標

www.yukimatu-value.com

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