2017年12月の中国人民銀行(PBOC)の資産動向に関する記事です。
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中国人民銀行の資産動向を確認するメリット
一般論として、金利が下がると
◎経済活動が活発になり景気に好影響
⇒企業利益の増加⇒株高
◎企業の借入金の金利負担は減少
⇒企業利益の増加⇒株高
◎債券利回り低下
⇒投資先としての債券の魅力DOWN
⇒債券以外の投資先(株、不動産など)の相対的な魅力UP
⇒株高
などの要因で株高傾向になりやすいと思われます。
そして、金利動向には中央銀行の金融政策が大きく影響します。
中央銀行が
●緩和政策をとり、市中の国債などを購入し(国債価格は上昇、利回りは低下)
●対価として債券保有者にマネーを供給し
●結果的に、中央銀行の資産規模がふくらむこと
は基本的な傾向として
●株価に好影響を与える
●その逆も然り
だと考えられます。
中央銀行の資産規模が
◎増加⇒金利は低下しやすい状況⇒株価に好影響?
◎減少⇒金利は上がりやすい状況⇒株価に悪影響?
したがって、資産規模の大きいECB、FRB、日銀、中国人民銀行(PBOC)などの中央銀行の資産規模やその動向を確認しておくことは、
●長期的視点から、株式市場の環境を考える
上で役に立つと思われます。
近年のPBOCの資産動向グラフ
※出所:China Central Bank Balance Sheet | 1999-2018 | Data | Chart | Calendar
※単位:1億元 ※期間:1999年~2017年12月
近年のPBOCの資産推移グラフです。
2015年に減少しましたが、ほぼ一貫して増加傾向。
PBOC資産の推移と増減
※出所:China Central Bank Balance Sheet | 1999-2018 | Data | Chart | Calendarのデータより管理者作成
PBOCの2006年以降の資産(年末値)とその増減を表にしたものです。
2017年は年間で約32兆円の増加となりました。
最近の11年間で、下から3番目に少ない増加額です。
前月からの変化としては、2017年11月は約615兆円、12月は617兆円なので、前月より約2兆円増加。
4大中央銀行の合計資産の推移と増減
FRB、ECB、PBOC、日銀の
合計資産の推移と増減
を確認してみます。
※便宜的に「1ドル:110円」「1ユーロ:130円」「1人民元:17円」で計算
<資産推移>
※出所:Bank of Japan、Central Bank Assets for Euro Area 、Total Assets | FRED | 、China Central Bank のデータより管理者作成
<資産の増減>
※出所:Bank of Japan、Central Bank Assets for Euro Area 、Total Assets | FRED | 、China Central Bank のデータより管理者作成
この期間、4大中央銀行の合計資産は一貫して増加しています。
・2008年の金融危機
・2010~2012年頃の欧州債務危機
・2015年後半~2016年前半の小さな不況
において特に大きく資産が増えているように見えます。
4大中央銀行資産合計データ
※出所:Bank of Japan、Central Bank Assets for Euro Area 、Total Assets | FRED | 、China Central Bank のデータより管理者作成
4大中央銀行の合計資産は2007~2017年の10年の概算で「692兆円⇒2209兆円」になり、増加額は
1517兆円
くらいになりそうです。
おわりに
わたしが確認している範囲の4大中央銀行動向です。
●FRB⇒資産縮小中
●ECB⇒緩和ペースを半減
※2018年1月から、債券購入額を月額600億ユーロ⇒300億ユーロ(約4兆円)に減額
※2018年9月まで継続
●日銀⇒2016年と2017年を比べると緩和ペースが落ちている
※日銀資産の増加額は2016年:約93兆円、2017年:約45兆円
●PBOC⇒不明
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