先週末より世界的に株価が下がっています。
今回の株安と関連があるのか、定かではありませんが、
リスクパリティ戦略
について、主に下記サイトの情報を基に記事にしてみます。
まず、「リスク」とは
「パリティ」とは
parity・・・同等、同価、等価、同量などの意味
「リスクパリティ戦略」とは
変動性(リスク)の割合が、均等(パリティ)になるように保有する
こと。
◎ポートフォリオ全体に占める
◎各資産の変動性の割合が
◎均等になるように保有することで、
◎リスク自体の分散、低減を計る運用リスク管理手法
のこと。
より具体的には、リスクパリティ戦略は
●「株式」「債券」「コモディティ」などの複数資産の保有リスク量をそろえるために、
●各市場の変動性の動きに合わせて各資産の組入比率を機動的に変更する仕組み
●例えば、株式の変動が小さくなれば、機動的に株式への配分を増やし、債券の変動が大きくなれば、機動的に債券の配分比率を減らす運用スタイル
のことを指すようです。
「リスクパリティ戦略」の特徴
資産クラスの変動性(リスク寄与度)をバランスさせて資産配分を決定する。
そのため、「期待収益率に基づく伝統的な資産配分」と比べ、リスクの大きい株式のウェイトは低く、リスクの低い債券のウェイトが大きくなりやすい。
ただ、株式でも債券でも、変動が小さい時期と大きい時期があるので、そこは状況に合わせて機動的に配分比率を変更し続けるのが特徴。
「リスクパリティ戦略」を行っているのは誰?
米欧の年金マネーをはじめとする海外投資家、など。
運用資産は巨額。
「リスクパリティ戦略」の問題点
期待収益率に基づく伝統的な資産配分に比べて、株式へのウェイトが小さくなりやすいリスクパリティ戦略ですが、
株式相場の膠着状態(波乱のないジリ高相場でボラティリティの低下。2017年のような相場。VIXが低位安定しているような相場)が長く続く
⇒株式のリスクが小さいと判断される
⇒機動的に株式の組入比率が高まる
⇒不測の事態があった場合にポートフォリオ全体のボラティリティが急激に高まる危険性をはらみやすい
という弱点があるようです。
2016年11月以降、1年数ヶ月にわたって、世界的な株高が大きな調整なく続いた現在、この戦略においては株式のリスクは
小さい
と判断され、機動的に株式への配分が高くなっており、少し大きめの市場の変動に過剰に反応して、売りが売りを呼ぶ相場を生み出してしまう、可能性があるのかもしれません。
「リスクパリティ戦略」の影響力は?
リスクパリティ戦略を採用する「米欧の年金マネーをはじめとする海外投資家」の運用額は巨額で、相場への影響力は大きいようです。
例えば、
★2015年8月の世界同時株安
(5営業日でS&P500は約10.9%、日経平均は約13%下落。終値ベース)
★2016年1-2月の世界同時株安
(2015年末値よりS&P500は10~11%、日経平均は約21%下落。終値ベース)
においては、
リスクパリティ戦略を採用する巨大投資家の「投げ売り」が株価下落を増幅させる最大の犯人だった
というのが定説となっている模様。
個人投資家と「リスクパリティ戦略」
上記のことから、普段、縁もゆかりもないようにも感じる
米欧の年金マネーをはじめとする海外投資家の挙動
が、わたしのような日本の個人投資家にも、何らかの影響を及ぼし得ることが分かります。
相手の資金は巨額
市場価格を決めるのは最終的には需給
巨額マネーが似たような戦略の元
一気に動けば
市場価格もむやみに大きくぶれ得る
ということのようです。
ただ、今がその時かはわかりません。
また、散々大げさなことを書きましたが、恐怖指数は長期平均(19.4程度)にすら届いていない、S&P500も大して下げていない状況なので、何もまだ起きていない、当分何も起きない、可能性も十分考えられ、引き続き観察を続けていきます。
※出所:S&P 500 VIXインデックス(VIX - Investing.com
※追記:本記事は2/5の深夜に書いたのですが、その後米国株は大きく下落。
2/6の朝には恐怖指数は「37.32」まで上昇。
数時間のうちに、米欧の年金マネーをはじめとする海外投資家が相場を動かした可能性もあります(詳細不明)。
ホントに、急に動くとびっくりします。
VIXはわずか4時間ほどで約2倍に急騰
<VIXのここ1日のチャート>
※出所:S&P 500 VIXインデックス(VIX - Investing.com
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