世界の時価総額が約85.5兆ドルに。
史上最高の記録を更新中です。
※データ出所:World Federation of Exchanges
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なぜ「世界全体の時価総額」を確認するのか?
株式市場をざっくりと
俯瞰する
場合に便利なデータだと思います。
全世界の株式市場をひっくるめた雑なデータですが、株式市場を観察する上で、世界全体の時価総額は
木を見て森を見ず
でいうところの、
「森」
ではないかと。
このデータ一つで今、世界的に株式市場が上げ相場か下げ相場かを、ざっくり俯瞰できる可能性があるとわたしは思います。
「世界全体の時価総額」とは?
全世界の投資家
が
全世界の上場企業に下した評価額の総計
といえると思います。
よりくだけていえば、全世界の投資家が、ある時点で下した
★全世界の全上場企業のお値段
だと思います。
「企業利益」や「金利」の要因以外にも、「投資家たちの評価」次第で時価総額は変動する性質があり、
●1年で30%以上お高くなることもあれば
●1年で40%以上お安くなることもある
そういう「時価」「値段」の一つだと思います。
例えば、全世界の全上場企業のお値段は
2009年2月末は
約28.9兆ドル
でしたが、
2017年12月末には
85.5兆ドル
に上昇。
非現実的な話ですが、
全世界の全上場企業を2009年に30兆ドルくらいで買っておけば2017年には、85兆ドル以上に値がついていて、高く売れたかも?
という表現は可能です。
「世界全体の時価総額」の特徴
<世界全体の時価総額=以下”時価総額”とします>の特徴や性質について、わたしなりの考えです。
時価総額は主に以下の4つの要因の影響を受けやすいのではないかと。
①世界的な「景気」の影響を受ける
世界的に景気がよく、GDPの成長率もよく、企業利益が増えれば時価総額も増えやすい傾向。
逆も然り。
②世界的な「金利」水準の影響を受ける
世界の主要国の金利が総じて低ければ時価総額は増えやすい傾向。
逆も然り。
③世界的な「信用」状態の影響を受ける
世界的に「借金と貸し出し」「貸し借り」「債権と債務」、つまり信用の規模が大きくなれば、時価総額も増えやすい傾向。
逆も然り。
④世界的な「投資家の心理や評価・リスク許容度」の影響を受ける
全世界の投資家の「期待・楽観度合い」や「リスク許容度」の上昇で評価額は上がりやすく、時価総額も増えやすい傾向。
「期待・楽観度合い」や「リスク許容度」の低下により評価額は下がりやすく、時価総額も減りやすい傾向。
以上をふまえて、近年の世界の時価総額を確認してみます。
近年の世界の時価総額の動向と現状
世界の時価総額 ボトムとピーク
※出所:World Federation of Exchanges、Global Noteのデータより管理者作成 ※いずれも月末値
世界の時価総額のボトムとピークだけを単純化してグラフにすると、上記のようになります。
現在は2009年以来の長い上げ相場の途中と思われますが、いつがピークになるかはわかりません。
世界の時価総額のボトムとピーク、増加・減少期間と変動幅
世界の時価総額の年次変動比率
※出所:World Federation of Exchanges、Global Noteのデータより管理者作成
世界の時価総額の年次ごとの変動率です。
この27年に関しては
●増加 20回(約74%)
●減少 7回(約26%)
圧倒的に増加することが多いです。
経験則としては、市場にとどまり続けるという選択は長期的には正しい場合が多いと思われます。
一方で2000~2002年のような長期下落、2008年のような暴落の年もあります。
おわりに
9年近く続く長い上げ相場はそろそろ終わりに近いのか?
今は引き締めモードに入っているFRBが、何らかの原因でうまく緩和モードに転じることができれば、上げ相場はまだまだ続くのか?
未来は見通せませんが、永遠に続く上げ相場もないと思われるので、注意深く観察を続けていきたいです。
※関連記事です
世界の時価総額の近年の歴史
時価総額の連続増加期間について
世界の信用膨張、収縮について