時代や国を問わず、説得力を持ちつづけそうな言葉を拾ってまとめていくシリーズ
「時空をこえたメッセージ」
の13回目です。
今回はダブルライン・キャピタルCEO、ジェフリー・ガンドラック氏の言葉です。
スポンサーリンク
『カリスマ投資家の教え』
図書館でに何気なく手に取った文庫本
『カリスマ投資家の教え』
面白かったです。
ガンドラック、ダリオ、バフェット、アインホーン(敬称略)などなど、個性的な投資家についての評伝。
図書館の本で面白いのに遭遇できると、妙に得した気分。
人々は『次に何が起きるか』ではなくて、『何が起きてほしいか』という願いにも似た思いから物事を考えがちだ
人々は『次に何が起きるか』ではなくて、『何が起きてほしいか』という願いにも似た思いから物事を考えがちだ
※引用元:『カリスマ投資家の教え』川上穣<著>日本経済新聞出版社 2017
わたしの推測ですが、優れた投資家は人間心理に対する洞察が深い方が多いような気がします。
上記の言葉、ドキッとしませんか?
普段は冷静な人でも、お金や愛情、大切なものへの執着などが絡むと、その心理は実に揺れやすく、平静を保ちにくいもの。
平静を失うと、往々にして希望的観測に頼りがちです。
1円くらいは、上がるだろう
わたしは投資を始めたばかりの頃、日本市場の100円以下、一株30円くらいの低位株に手を出し、
1円上がれ、1円上がれ、1円くらいは上がるだろう・・・
そんな独りよがりな願いだけを根拠に、1円上昇による3%程度の利幅を求める取引を試したことがあります。
14年くらい前の話。
結局、その低位株は1円も上がらず、逆に2~3円下げ、その水準から1ヶ月、まったく動かず、しびれを切らしたわたしは1ヶ月後に損切り。
数年後、ふと思い出してその銘柄を確認すると上場廃止になっていました。
希望だけを根拠に投資ができた、怖いもの知らずの頃。
希望的観測は人の自然な行動?
わたしはどちらかというと楽観的な人が好きです。
将来の不安ばかり聞かされてもつまらないし、苦しい状況に打ち負かされず、希望をつないでいける人を好ましく思います。
いつ事故や病気、何らかのアクシデントが自分に降りかかるか、それは誰にも予期できないことですが、いちいちそういうことばかり気にしていたら、毎日つまらない。
基本的には今日の延長線上に明日があって、しんどい日も楽しい日も、そこそこの安心感の上に存在してくれている・・・
そう思わないと、つらいものがあり、未来に何らかの希望を持っているから日々の活動性を保てる面も大きく、
希望的観測を持ちつつ日常を楽しむこと
は人のごく自然なあり様だと思われます。
永遠の上昇は、なさそう
1950年以降のS&P500の年率リターン(配当再投資ベース)は9.6%と実に高い。しかし、1950年以降で12回も生じている平均30%余りの株価の下落に耐えられないと、その高リターンは獲得できないのだ。
上記記事によれば、1950年以降の米国株式市場においては、12回の大きな下落相場があり、その下落幅は平均30%余り、とのこと。
つまり、1950年以降、米国市場においては、平均5~6年に一度、平均30%余りの下落相場がやってきているというデータがあります。
脅かすわけでも嫌がることを書きたい訳でもなく、ただの事実です。
ずっと上昇相場が続けばいいのですが、景気は循環的なもので、長めの好況期の後、人が忘れた頃に不況が来てしまうようで、不況が来れば(不況の来る少し前に株価が下がっていることもあり。例えば、ITバブルで株価は2000年にはピークを迎えますが、景気後退は2001年3月~とされており、株価のピークと景気後退の始まりは必ずしも一致せず)、基本的に株価も大きく下がる傾向がある模様。
『次に何が起きるか』でいえば、株価と景気のボトムとピークにタイムラグはあるものの、総じて
●長い好況期の後⇒不況(下落相場)
●不況の後⇒好況(上昇相場)
の繰り返し
というのが、経験的には当てはまりやすい模様。
いつ不況が来るかはわかりませんが、いつかは必ず来る前提で、それに対して何らかの自分なりの備えをしつつ投資を続けていくしかないような気がします。
関連記事
・時空をこえたメッセージ、シリーズ
・米国の「景気」について
・竹中氏の言葉