2018年1月末のFRB、ECB、日銀、3つの中央銀行の資産動向を確認する記事です。
※本記事では便宜的に1ドル=110円、1ユーロ=130円で円換算しています
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中央銀行の動向を確認するメリット
中央銀行の動向は
投資タイミングの時期を判断する一つの手掛かりになり得る
とわたしは思います。
一般論として、金利が下がると
◎経済活動が活発になり景気に好影響
⇒企業利益の増加⇒株高
◎企業の借入金の金利負担は減少
⇒企業利益の増加⇒株高
◎債券利回り低下
⇒投資先としての債券の魅力DOWN
⇒債券以外の投資先(株、不動産など)の相対的な魅力UP
⇒株高
などの要因で株高になりやすいと思われます。
つまり、
・中央銀行が緩和政策をとり、市中の国債などを購入し(国債価格は上昇、金利は下がる傾向)、
・対価として債券保有者にマネーを供給し、中央銀行の資産規模が増大することは
・基本的に株価に好影響を与える
その逆も然りだと考えられます。
※中央銀行の資産規模が
◎増加⇒株価に好影響
◎減少⇒株価に悪影響
以上のことから、以下のような投資判断は不自然でないようにわたしは思います。
◎中央銀行の資産規模が大幅に増える見通し
≒緩和マネーが大幅に増える
⇒金利低下傾向?
⇒将来の株高?
⇒株式などのリスク資産の配分を増やすのに適す時期?
◎中央銀行の資産規模が大幅に減る見通し
≒緩和マネーが大幅に減る
⇒金利上昇傾向?
⇒将来の株安?
⇒株式などのリスク資産の配分を減らすのに適す時期?
FRBの動向
※出所:All Federal Reserve Banks: Total Assets | FRED | St. Louis Fed
ここ1年のFRBの資産推移です。
2018年1月末:4.42兆ドル(約486兆円)でした。
前月比 -4兆円。
2017.10月よりFRB資産縮小
というアナウンスでしたが、実際の2017.9月末~2017.12月末のFRB資産減少額は1兆円にも届かない金額で、昨年はほぼ減っていませんでしたが、2018年1月は明らかに減りました。
今後もこのようなペースで減らしてくるようなら、株式市場には分かりやすいネガティブ要因。
※出所:All Federal Reserve Banks: Total Assets | FRED | St. Louis Fedのデータより管理者作成
ECBの動向
※出所:Central Bank Assets for Euro Area (11-19 Countries) | FRED | St. Louis Fed
上記グラフはここ5年のECBの資産推移です。2015年頃から激増しています。
ECBの資産は2018年1月末:4.49兆ユーロ(約584兆円)でした。
前月比+3兆円。
※出所:Central Bank Assets for Euro Area (11-19 Countries) | FRED | St. Louis Fedのデータより管理者作成
2018年1月より、ECBの債券買い入れの規模は、昨年の半額、
●月額300億ユーロ(約4兆円)
になるとされ、実際、概ねそのくらいの額になっていそうです。
大幅な減額であり、FRBの資産縮小とともに今年に入ってからの主要国国債金利の上昇に影響を与えている可能性もありそうです。
日銀の動向
※出所:Bank of Japan: Total Assets for Japan | FRED | St. Louis Fed
上記グラフはここ5年の日銀の資産推移です。2013年頃から増え続けています。
日銀の資産は2018年1月末:約527兆円でした。
前月比+6兆円。
2017年12月はなぜか減少していたので、その分もあってか1月は大きな増加額でした。
※出所:Bank of Japan: Total Assets for Japan | FRED | St. Louis Fedのデータより管理者作成
3つの中央銀行、トータルでの変動
3つの中銀のトータル資産は2018年1月末:約1597兆円でした。
・前月比+5兆円。
・FRB:-4兆円
・ECB:+3兆円
・日銀:+6兆円
※為替レートや四捨五入で誤差あり
・2017.12月からの増減:+5兆円
昨年、2017年1月の3行トータルの資産増加額は前月比:+15兆円でした。
今年は昨年より10兆円少ない増加ペースです。
※出所:Bank of Japan、Central Bank Assets for Euro Area 、Total Assets | FRED | のデータより管理者作成
おわりに
FRBの資産が減ったのが印象的でした。
ECBもアナウンス通り、昨年より月ごとの資産購入額を減らしてきそうです。
中央銀行は昨年より、今年は総じて株式市場に冷たい態度といえそうな雰囲気。
金利は上がりやすい環境と思われます。
わたしには中央銀行のスタンスにあえて歯向かう勇気もなく、個人的にはむやみにリスクをとらなくてもよい時期か、と考えます。
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