2月は相場が少し荒れましたがJリートはどうでしょうか。
2月末のデータからその割安割高を探ってみます。
TOPIXと東証リート指数
※出所:SBI証券のグラフより管理者作成
上記グラフはここ1年の東証リート指数とTOPIXの値動きを比較したものです。
2017年4月頃から、両者のかい離が進み現在も20%程度の差がついています。
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Jリートスプレッド
Jリートの割安割高の判断の目安の一つとしてわたしはJリートと日本の長期国債利回りの差(スプレッド)を確認しています。
本記事ではJリートスプレッド
「Jリートの平均利回り-日本国債利回り(10年物)」
とします。
クレジットスプレッドと同じような発想で、「Jリートの利回り」と「長期国債の利回りの差」が
・大きいほどJリートは割安
・小さいほどJリートは割高
とみなす指標です。
※「Jリートスプレッド」は一般的な用語ではありません
※クレジットスプレッドについてはコチラ↓
過去の利回り「Jリート」と「日本10年国債」
少し古いデータですが、過去の推移の確認です。
下記グラフは2001.9月末~2017.7月末のJリートと長期国債の利回りの推移を示したものです。
※出所:JAPAN-REIT.COM、日本 10年 債券利回りのデータより管理者作成 ※国債の長期金利がマイナスの時期は「0%」で表示
Jリートの平均利回りは
・ITバブル崩壊後:約6%
・リーマンショック後:約8%
まで上昇しています。
リーマンショック後は銘柄によっては利回り10%を超えて12~13%のものもありました。
そんな時期が来るかは分かりませんが、総じて不景気な時期に買えば、悪い買い物になる確率は下がりそうです。
最新のJリートスプレッド
次にJリートスプレッド
●【Jリートの平均利回り-日本国債10年物の利回り】
の推移を確認してみます。
期間は2001.9月~2018.2末です。
※出所:JAPAN-REIT.COM、日本 10年 債券利回りのデータより管理者作成
この期間の長期平均は「3.4」です。
個人的には割安時期の経験的な目安を概ね「5.0以上」としています。
2018.2月末の値は「4.1」でした。
・Jリートの平均利回り:4.11%
・日本国債10年物の利回り:0.04%
2018年1月末は「3.9」だったので、割安方向にぶれました。
「4.1」は平均値「3.2」を上回るも「5.0」には届かない値であり、個人的には
少し~まあまあ割安?
と推測。
株式市場が盛況の中、Jリートがさえない理由の一部として、
●地銀を中心とした金融機関(日銀除く)によるJリート売り
●Jリートに関わる毎月分配型投信の販売自粛
などの特殊要因がからんでいると推測されます。
詳しくはコチラ↓
NAV倍率が低めの銘柄の比率
より一般的にリートの割安度合いをみる指標としてNAV倍率があります。
NAV倍率は、リートの価格が保有不動産の正味の価値に比べて、何倍かを示す指標のことで、株式のPBRと同様、
・小さいほど割安
・1.0を下回るほど割安
と判断します。
2/28時点で、NAV倍率を確認できる銘柄は57個。
NAV倍率「0.9」以下のそこそこ割安なJリート銘柄は7個。
全体の約12%で先月末の9個より減っています。
この観点では、それほどお得感は感じない状況。
おわりに
<米国リートETF【IYR】、ここ3ヶ月>
※出所:IYR | iShares US Real Estate ETF - Investing.com
<米10年国債利回り、ここ3ヶ月>
昨年12月には「IYR」は「83」近くの価格でしたが現在は「74」程度に下落。
10%以上低下。
金利上昇の影響はありそうです。
関連記事です。
●米国のリートと株価
●クレジットスプレッド
に関する記事です。