ユキマツの「長期投資のタイミング」

「景気(企業利益動向)」「中銀の金融政策(金利動向)」「投資家のリスク許容度」などから長期投資のタイミングを探る投資ブログ

世界の景気 ~OECD景気先行指数 2017年12月データ~

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 世界景気に関する記事です。

景気動向を確認するメリット

●景気が「よい」「上向き傾向」⇒将来の企業利益が増えやすく、株価に好材料

●景気が「悪い」「後退傾向」⇒将来の企業利益が減りやすく、株価に悪材料

どちらかというと、

●景気がよい時期⇒株式は割高になりやすい?

●景気が悪い時期⇒株式は割安になりやすい?

長期的な観点から、景気の「水準」や「トレンド」を確認しておくことは、長期投資のタイミングを計るうえで、役立つ可能性が高いと思われます。

景気の指標の一つ「OECD景気先行指数」

景気の指標の一つに

●OECD景気先行指数(Composite leading indicator。以下CLI)

があります。

本記事は最新のCLIで景気を見ていきます。

※以下、断りのない限り本記事では「CLI⇒OECD全体のCLI」です

※CLIについて詳しくは以下の記事を参照ください

www.yukimatu-value.com

CLIとは

 以下、株初心者のための株式投資と相場分析方法からの引用です。

OECD景気先行指数(CLI)とは

OECD景気先行指数(CLI:Composite Leading Indicators)とは、OECD(経済協力開発機構)が景気循環の転換点を早期に見極めるために1970年代から算出を開始した指数で、鉱工業在庫率、輸入輸出比率、住宅着工戸数、株価指数など、経済活動の変化を示す統計を基に算出される指数のことです(使われる統計は国ごとに異なる)。

OECD景気先行指数(CLI)の見方

OECD景気先行指数(CLI)は、景気の転換点の6~9カ月先行するように作成されていますので、景気の先行きを予想する指数として注目されます。

OECD景気先行指数(CLI)は、その数値が、

・100より低ければ景気の悪化
・100より高ければ景気の拡大

を示します。

上記をまとめ、補足すると、CLIは

○OECDが算出している景気動向を判断する指標

100が基準値

○100より低い⇒景気は悪い

○100より高い⇒景気はよい

○CLIが下降している⇒景気の減速

○CLIが上昇している⇒景気の加速

を意味します。

※CLIの数値は絶対値でなく、データを抽出する期間で変動します

※OECDについては、以下サイトを参照ください

経済協力開発機構(OECD)


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CLIの使い方の例

景気水準(好景気?不景気?)の目安

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 ※出所:OECD DATE のグラフを管理者編集 ※期間:1995年1月~2017年7月

あくまで、わたしの個人的な使い方ですが、

●CLI:101以上

⇒めったにない世界的な好景気

⇒株式は割高⇒株式を売るチャンス

●CLI:99以下

⇒めったにない世界的な不況

⇒株式は割安⇒株式を買うチャンス

という目安として用いる。

※CLIの数値は絶対値でなく、データをみる期間で変化するので、101、99はあくまで目安です

CLIのトレンドの把握

また、CLIが上昇しているか、下降しているか、も重要な情報と思われます。

●100以下の水準でも、景気の底からCLIが上昇してきている

⇒株式の先行きにはプラス要因?

●100以上の水準でもCLIが景気のピークから下降してきている

⇒株式の先行きにはマイナス要因?

要するに、

●現在の水準(今、好景気か?不景気か?)

●トレンド(今後、CLIが上昇していきそうか?下降していきそうか?)

の2点が景気動向と景気動向に関連する株価動向の参考になるのではないかと推測されます。

株式の「バブル期」と「暴落、低迷期」とCLIの関連

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※出所:OECD DATE のグラフより管理者作成 ※期間:1995年1月~2017年7月

●景気がよい時期⇒株式は割高になりやすい?

●景気が悪い時期⇒株式は割安になりやすい?

という仮説の根拠の一つ。

CLIの推移と現在値

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※出所:OECD DATE のグラフより管理者作成

上記グラフは1995年1月~2017年12月のCLIの推移を示しています。

2017年12月のCLIは「100.16」です。

11月と同じ数値で横ばい。

景気の水準としては、基準値100をやや上回っており、世界経済は

ふつう~ややよい

と推測されます。

短期的なトレンドを見てみます。

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※出所:OECD DATE  ※期間:2014.12月~2017.12月

ここ3年間のCLIの推移です。

回復基調にはありそうですが、若干の停滞も感じさせる推移です。

米国、中国、日本、ドイツのCLI

f:id:yukimatu-tousi:20180308203036p:plain※出所:OECD DATE より管理者作成

2014.12月~2017.12月の主要経済大国4ヶ国のCLIの推移です。

中国以外の3ヶ国は2016年の春ごろに短期的な景気のボトム、その後回復基調にあります。

ドイツは絶好調。

米国は2017年以降、回復のペースが鈍化、まだ100に届きません。

日本はボチボチ。

中国は2015年以降、基準の100をずっと下回っており、トレンドもパッとしない状態です。

まとめ

2017年12月時点では

●世界の景気水準⇒ふつう~ややよい

●世界景気の短期トレンド⇒ゆるやかな拡大基調~少し停滞?

と推測されます。

主要な経済大国では、

●ドイツ>日本>米国>中国

の順で、ドイツが最も景気がよそさう。

CLIの注意点

●データの更新が遅い(タイムラグが2~3ヶ月あることも多い)

●最新のデータが出るとしばしば過去データの数値も修正され、今の今の景況をとらえにくいことも

あとがき

ひとことで

景気

といっても実際、様々な指標があるようで、意外に把握するのが難しい面があります。

CLIも景気の一つの指標として、妄信せず見くびらず、複数の観点から観察を続けていきたいと思います。

関連記事です。

●【失業率】【ISM製造業景気指数】でみた米国景気

www.yukimatu-value.com

●製造業購買担当者指数での景気判断

www.yukimatu-value.com

●米国GDPのデータをいち早く知るサイトや米国GDPの推移について

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●米国の景気動向に関するメジャーな指標

www.yukimatu-value.com

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