株価のピークから底打ちまでの期間はだいたいどのくらいか?
ピークからボトムまでの下落率はどの程度か?
一つの経験則に過ぎませんが、1950年以降の景気後退を伴う時期の「米国の株価指数S&P500のピークとボトムのタイムラグ」と「ピークからの下落率」を調べてみました。
データの出所
●S&P500のピーク時期
^GSPC : Summary for S&P 500 - Yahoo Finance
●景気後退の始まり
What Dates are Used for the U.S. Recession Bars? | Getting To Know FRED
のデータを参考にしました。
株価の「ピーク」と「ボトム」のタイムラグ
1950年以降の10回の景気後退期で調べると上記のようになりました。
確認できることを列挙してみます。
●10回のうち7回は株価のピークからボトムまでが14~21ヶ月におさまる。
ピークから「1年2ヶ月~1年9カ月」程度で底打ちすることが多かった。
●10回のうち3回は株価のピークからボトムまでが8ヶ月以内におさまっており、3ヶ月以内に底打ちしていたことも2回あった。
●10回のタイムラグの平均値は10.1ヶ月。タイムラグが14ヶ月以上の7回の平均は17.4ヶ月(1年半足らず)。
株価のピークからボトムまでの下落率
1950年以降の10回の景気後退期で調べると上記のようになりました。
確認できることを列挙してみます。
●10回の平均下落率:27.4%
●1973年までの5回の平均下落率:24.2%
●1973年以降の5回の平均下落率:30.9%
まとめ
景気後退を伴う株価の「ピーク」と「ボトム」のタイムラグ・ピークからの下落率、をまとめると上記のようになりました。
気づいたことをいくつか。
①この期間、ピークからボトムまで2年かかったことはなかった
株価の「ピーク」と「ボトム」のタイムラグは最長で1年9ヶ月でした。1950年以降では2年以上タイムラグがあったことはなかったことになり、意外に早く底打ちしている印象。
※景気後退を伴わないケースを含めると、2000.3月のピーク(1553)から2002.10月のボトム(769)まで、2年7ヶ月で約50%の暴落期もあり、これを含めると、2年半程度が最長
②ピークからボトムまでの下落率は軽症の場合は2割、重症だと4~6割
下落率はざっと3割足らずが平均値でした。
軽症の場合は2割、重症だと4~6割というイメージ。
また下落率は10回のうち、20%台が4回と最も多いが、その他10%台、30%台、50%台、それぞれ2回ずつあり、ばらけている印象。
③ひどい暴落のイメージ
この10回の暴落のうちだと、「経過期間」「下落率」両方で厳しかったのは⑤⑩の二つです。
1年5ヶ月~1年9ヶ月かけて50~58%程度の下落がひどい暴落のイメージ。
為替が円高に振れれば円建てではより大きなダメージ。
おわりに
景気後退を伴わないS&P500の暴落が1987年と2002年に起きています。
必ずしも景気後退とともに株価が暴落する訳でもないようです。
このイレギュラーな2回のデータも絡めてまた簡単にまとめる予定です。
また、ネガティブな話ばかりしていますが、基本的にS&P500は上昇を続けてきた株価指数です。
※出所:^GSPC : Summary for S&P 500 - Yahoo Finance
※単なる過去データとその分析、経験則です。この先何が起きるかわかりません。投資は自己責任、自己決断で
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