2018年2月末のFRB、ECB、日銀、PBOC(中国人民銀行)4つの中央銀行の資産動向を確認する記事です。
※便宜的に本記事では「1ドル:110円」「1ユーロ:130円」「1人民元:17円」で計算
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FRBの動向
※出所:All Federal Reserve Banks: Total Assets | FRED | St. Louis Fed
ここ5年のFRBの資産推移です。
2018年2月末:4.39兆ドル(約483兆円)でした。
前月比 -3兆円。
※出所:All Federal Reserve Banks: Total Assets | FRED | St. Louis Fedのデータより管理者作成
ECBの動向
※出所:Central Bank Assets for Euro Area (11-19 Countries) | FRED | St. Louis Fed
上記グラフはここ5年のECBの資産推移です。2015年頃から激増しています。
ECBの資産は2018年2月末:4.52兆ユーロ(約588兆円)でした。
前月比+4兆円。
※出所:Central Bank Assets for Euro Area (11-19 Countries) | FRED | St. Louis Fedのデータより管理者作成
2018年1月より、ECBの債券買い入れの規模は、昨年の半額、
●月額300億ユーロ(約4兆円)
になるとされ、実際、それを反映した金額になっていそうです。
日銀の動向
※出所:Bank of Japan assets:Total Analysis - BJACTOTL - Bloomberg Markets
上記グラフはここ5年の日銀の資産推移です。2013年頃から増え続けています。
日銀の資産は2018年2月末:約530兆円でした。
前月比+3兆円。
※出所:Bank of Japan assets:Total Analysis - BJACTOTL - Bloomberg Marketsのデータより管理者作成
PBOCの動向
※出所:China Central Bank Balance Sheet ※単位:1億元
上記グラフはここ5年の中国人民銀行(PBOC)の資産推移です。
PBOCの資産は2018年2月末:約36.3兆元(617兆円)でした。
前月比+8兆円。
短期的には増えたり減ったり、いまいちつかみにくい動き。
4つの中央銀行、トータルでの変動
4つの中銀のトータル資産は概算で2018年2月末:約2218兆円でした。
・前月比+12兆円。
・FRB:-3兆円
・ECB:+4兆円
・日銀:+3兆円
・PBOC:+8兆円
※為替レートや四捨五入で誤差あり
※出所:Bank of Japan、Central Bank Assets for Euro Area 、Total Assets | FRED | 、China Central Bank のデータより管理者作成
2017年は年間でこの4大中銀の資産増加額は約182兆円。
ひと月平均15兆円ほどの増加ペースでした。
今年は2ヶ月でまだ9兆円しか増えていないので、年間54兆円のペース。
今のところ、4大中銀の資産増加ペースが
急速に落ちている
といえそうです。
で、何のために中銀の資産動向を確認するのか?
中央銀行の動向を確認するメリット
中央銀行の動向は
投資タイミングの時期を判断する一つの手掛かりになり得る
とわたしは思います。
一般論として、金利が下がると
◎経済活動が活発になり景気に好影響
⇒企業利益の増加⇒株高
◎企業の借入金の金利負担は減少
⇒企業利益の増加⇒株高
◎債券利回り低下
⇒投資先としての債券の魅力DOWN
⇒債券以外の投資先(株、不動産など)の相対的な魅力UP
⇒株高
などの要因で株高になりやすいと思われます。
つまり、
・中央銀行が緩和政策をとり、市中の国債などを購入し(国債価格は上昇、金利は下がる傾向。対価として債券保有者にマネーを供給し)
・中央銀行の資産規模が増大することは
・基本的に株価に好影響を与える
その逆も然りだと考えられます。
※中央銀行の資産規模が
◎増加⇒株価に好影響
◎減少⇒株価に悪影響
以上のことから、以下のような投資判断は不自然でないようにわたしは思います。
◎中央銀行の資産規模が大幅に増える見通し
≒緩和マネーが大幅に増える
⇒金利低下傾向?
⇒将来の株高?
⇒株式などのリスク資産の配分を増やすのに適す時期?
◎中央銀行の資産規模が大幅に減る見通し
≒緩和マネーが大幅に減る
⇒金利上昇傾向?
⇒将来の株安?
⇒株式などのリスク資産の配分を減らすのに適す時期?
おわりに
シロウト流の雑な解釈ですが、中銀の量的緩和は一言でいえば、
金利の低下要因
にして
株価の上昇要因。
これまでの緩和ペースが急速に落ちることは、株式市場にはネガティブ。
ペースは落ちたといえど、現在の4大中銀資産は増加傾向ですが、もし減少傾向に転じることがあれば、それは長期的には明確な
株価の下落要因
と思われます。
今後もときどき確認していきます。
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