米国の景気動向、株価動向を【米国の失業率】と【景気循環】で探る記事です。
米国の失業率を知るメリット
「失業率」と「景気」は関連が強く、「景気」と「株価動向」にも関連があり、「失業率」は長期的な「株価動向」を探る材料になり得る、と思われます。
失業率 ⇔ 景気 ⇔ 株価
最新の失業率
2018年4月の失業率「3.9%」でした。
2017年10月より6カ月連続で失業率は「4.1%」を記録し、4月に「3.9%」に低下。
この数値は
・サブプライムバブルの頃のボトム「4.4%」は下回り
・ITバブルのころのボトム「3.8%」よりは高い
値です。
今は近年のバブル期に匹敵する非常に失業率の低い時期です。
失業率の推移
※出所:US Unemployment Rateのデータより管理者作成 ※期間:1995年1月~2018年4月
この期間の長期平均「5.6%」で、ラインを引いています。
2018年4月「3.9%」に低下したことにより、米国失業率は2009年10月のピーク(10.0%)から8年半、下落トレンドが続いているといえそうです。
株価(S&P500)と米国失業率
※出所:US Unemployment Rate、Yahoo Financeのデータより管理者作成 ※期間:1995年1月~2018年4月
米国の失業率と「<S&P500>÷200」の推移を併記したグラフです。
この期間、失業率の「下落時期」に株価は上昇しやすく、失業率の「急上昇+高水準の維持期」に株価は低迷していることがうかがえます。
4月は株価がわずかに上昇し、失業率は低下したので、2~3月閉じていた【ワニの口】はまた少し開きました。
米国景気拡大期
※出所:景気循環でみると2017年に米景気は後退期入り?|第一商品より管理者作成
1945年以降の米国景気拡大期をまとめた表です。
あくまで経験則に過ぎませんが、今後も景気循環が今までのように続くなら、とても参考になる情報です。
下記データによれば、1945年以降の米国の景気拡大期の平均は約5年、最長で10年。
直近3回の景気拡大期の平均は「95ヶ月」(7年11ヶ月。約8年)。
今回の景気拡大は2009年6月に始まり、現在は9年近く、米国の景気拡大が続いているようです。
失業率の動向や過去の景気拡大期間の経験から、おそらく現在は景気拡大期の
●後期?(少なくとも前期や中期ではなさそう)
と推測していますが、いつ拡大が終わるかは株価のピークと同様、不明です。
多くの景気後退期の前後に株価は大幅な下落をみせています。
長期投資の成功の是非は
株価下落期の対応力
に左右される部分も大きいと個人的には推測しており、この意味で、景気後退に対する配慮は大切ではないかと思います。
関連記事
●株価の「ピーク」と「ボトム」のタイムラグ・ピークからの下落率②
参考データ
失業率の長期推移(1948年~)と景気後退
※出所:Civilian Unemployment Rate ※期間:1948年1月~2017年12月
上記は米国失業率の約70年の長期推移です。
灰色のラインは景気後退期でこの期間、11回あります。
よくよく観察すると、
●失業率のボトムからしばらくして
あるいは
●失業率のボトムから失業率が上昇し出すタイミングで
景気後退が訪れるというパターンが目立ちます。
米国失業率のデータ
1948年1月~2018年2月で最低の失業率は1953年の2.5%です。
その他、失業率のボトムは1960年代に3.4%。
その後はITバブルの頃(2000年)の3.8%が目立ったところ。
最大値は1982年11~12月の10.8%。
比較的近年では2009年10月に10.0%を記録。
平均値は5.78%。中央値は5.60%。
終わりに
※出所:US Unemployment Rate、Yahoo Finance、Effective Federal Funds Rateのデータより管理者作成 ※期間:1995年1月~2018年4月
1995年以降の「失業率(%)」「FFレート(%)」「S&P500÷300」の推移です。
この期間に関しては
失業率が下落トレンドにあり、FFレートが上昇している時期は、株価は堅調であった
というジンクスがあります。
来月以降どうなるかわかりませんが、今の今は
「失業率が下落トレンド」+「FFレートが上昇している」時期
です。
この観点では、今回はどうなりますか。
関連記事です