ユキマツの「長期投資のタイミング」

「景気(企業利益動向)」「中銀の金融政策(金利動向)」「投資家のリスク許容度」などから長期投資のタイミングを探る投資ブログ

【中銀のサポートのある時期、ない時期】 レイ・ダリオ「30分でわかる経済の仕組み」の覚書⑥

www.youtube.com

ヘッジファンド「ブリッジウォーター」創業者レイ・ダリオ氏の考えを解説した無料動画が公表されています。

全31分です。

あくまでダリオ氏の個人的な経済観ですが、個人投資家にも役立つ部分もありそうな気はするので記事にしています。

解説ではなくただのわたしの「おぼえがき」。

今回6回目です。

※以前の記事

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10分20秒~11分48秒「クレジットが経済成長を生み出す仕組み」

ここで誤解をしないでください。

クレジットは単に経済変動を引き起こす悪い要素とは限らないのです。

悪くなるのは消費が過剰となり返済ができない場合です。

でも経済資源を活用し所得を生み出し、債務の返済を可能にするときはよい要素となります。

例えば、借金をしてテレビを購入する場合は、借りを返済する所得は発生しません。

でも借金をしてトラクターを買い、収穫量をふやし売上をふやせば、借金を返済できると同時に生活水準を向上できます。

クレジットの存在する経済でクレジットがどんな形で経済成長を生み出すか見てみましょう。

一例を考えましょう。

あなたの年収が10万ドルで債務がゼロと仮定します。

信用力がありますから、例えばクレジットカードを使って1万ドルを借りることができます。

すると収入が10万ドルであっても11万ドルの支出が可能となります。あなたの支出はほかの人の所得ですから、その人が11万ドルを得たことになります。

この人に債務がなく11万ドルの収入があったのなら1万1000ドルを借りることができ、収入が11万ドルでも12万1000ドルを使えます。

この人の支出はほかの人の所得ですから同じ原理で見ると、これがさらに経済の波を押し上げることがわかります。

<覚書>

●クレジットは使い方次第で「いい結果」も「悪い結果」も生む。

「いい結果」の一例は、クレジットを利用により生産性や所得が増え、無事、クレジットの返済や借り換えも可能であった場合。

「悪い結果」の一例は、クレジットを利用して過剰に消費し、クレジットの返済ができない場合。

●あなたの支出は誰かの所得。

経済全体で見れば、だれかの支出の増加はだれかの所得の増加、経済全体の拡大につながる。

11分48秒~13分40秒「利子」「支出」「インフレ」「経済活動」

でも忘れてはいけないことがあります。

債務が経済の波の高さを押し上げたとしても、その波はいずれ低くなることです。

これが債務の短期周期となります。

経済活動がふえると経済が拡大し短期債務変動が始まります。

すると、支出がさらに増加し価格が上昇し始めます。

これは経済がクレジットによって押し上げられたからです。

このクレジットは何もなかったところに発生したのです。

支出と収入が生産高より速いスピードでふえると価格が上昇し始めます。

価格の上昇はインフレを招きます。

中央銀行はこのような問題を避けたいのでインフレを避けようとし、価格の上昇を感知すると利子を上げるようにします。

利子が高くなるとお金を借りることができる人の数が減ります。

すると、既存の債務のコストもふえます。

これはあなたのクレジットカードの支払額がふえることを意味します。

借りる人が減り、返済のコストが高騰するので、一般市民の支出は減ります。

支出はほかの人の収入ですから収入が全体的に縮小します。

支出が減ると価格も減少します。これがデフレです。

経済活動が縮小し、不景気となります。

不景気がひどくなりインフレの問題がなくなると、中央銀行は利子を引き下げ経済活動を活性化しようとします。

利子が引き下げられると債務返済費が縮小しますから、借り出しと支出が再度ふえます。

これが経済活動を押し上げます。これが経済活動のからくりなのです。 

 <覚書>

●債務の拡大で経済を押し上げ続けることはできず、債務の”つけ”を払う時期もある

●中央銀行はインフレを抑え、物価を安定させるため利上げを行う。

【利上げ】は「借金する人を減らし」「債務の返済コストを上昇させる」効果があり、結果、経済全体の支出(所得)を減らし、経済活動を縮小させ、物価を抑える傾向がある。

●【利下げ】は逆の理屈で、経済全体の支出(所得)を増やし、経済活動を拡大させる傾向がある。

●一般に、「中央銀行の利上げ、利下げ」と「投資タイミング」を考えてみると、

「中銀が経済活動を拡大させたがっている時期」

≒利下げ時期、低金利が保たれている時期

≒経済活動の拡大により景気がよくなり、将来の企業利益が伸びが期待しやすい時期

に投資を行う方が、

すでに景気が回復、過熱段階に至り、中銀が利上げを行っている時期

よりは、比較的安心して投資を行いやすい、と思われます。

※「中銀の利下げ時期、低金利が保たれている時期」

⇒中銀が資産運用を強力にサポートしてくれている時期

との解釈も可能?

絶好の投資タイミング!

のような言葉は

”ドキドキハラハラの大きな賭け!”

みたいな印象を与えますが、個人的には「長期投資のタイミング」に関しては、もっと地味で退屈、景気や中銀動向、金利、株価などを見ながら、冷静に、ときには年単位でじっくりゆっくり探るべきものと考えます。

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