2018年7月、米国投資家のリスク許容度はやや上昇か?
クレジットスプレッドの一つ、「米国社債スプレッド」関する記事です。
クレジットスプレッドとは
★信用力の差⇒利回りの差=クレジットスプレッド
★クレジットスプレッド=信用力の低い債券利回り-信用力の高い債券利回り
たとえば、債券が償還されるまでの期間が同じ社債と国債があり、社債の利回りが5%、その国の国債利回りが2%であった場合、
5%-2%=3%
がクレジットスプレッドです。
クレジットスプレッドの一つの使い方に
★クレジットスプレッドが縮小するとき(小さくなるとき)
⇒投資家心理は安心・楽観傾向、リスク許容度は高い
⇒株式などのリスク資産は割高傾向
★クレジットスプレッドが拡大するとき(大きくなるとき)
⇒投資家心理は不安・悲観傾向、リスク許容度は低い
⇒株式などのリスク資産は割安傾向
があります。
詳しくは下記リンクを参照ください。
【米国社債スプレッド】とは
本ブログにおける米国社債スプレッドは、
「米国の社債(ムディーズ格付けBaa。中等度のリスク)」と「米国債(10年物)」の利回りの差
とします。
例えば、米国社債の利回りが5%、米国債の利回りが3%なら
5%-3%=2%
が米国社債スプレッドになります。
※わたしの個人的な理解、使い方なので、一般的ではない可能性があります
※「米国社債スプレッド」は一般的な名称ではありません
【米国社債スプレッド】の平均値、中央値
<期間:1995.1月末~2018.6月末の月末データより>
★平均値(幾何平均):2.36
★中央値:2.43
直近の【米国社債スプレッド】
<ここ1年の推移>
※出所:https://fred.stlouisfed.org/series/BAA10Yより管理者作成
2018.7.23は「1.91」。
6月末は「1.99」なので、7月はスプレッドが縮小傾向。
今月は投資家のリスク許容度が上がっている印象。
直近の「1.91」は長期平均「2.4」よりは低い値であり、リスク許容度の水準は高い印象。
直近のボトムは2018年1月の「1.56」(2000年以降の最低値)。
<1995年以降の推移>
※出所:https://fred.stlouisfed.org/series/BAA10Yより管理者作成
【米国社債スプレッド】の参考データ
※出所:https://fred.stlouisfed.org/series/BAA10Yのデータより管理者作成 ※単位:%
上記グラフは<1995年1月~2018年4月>の月末の米国社債スプレッドの推移を示したものです。
ある程度時期にずれはありますが、2000年以降のバブル期とその崩壊後に、当スプレッドはピークとボトムをつけている傾向があります。
●ITバブル期のボトム:1.68%(2000.1月)
●サブプライムバブル期のボトム:1.57%(2007.1月)
●ITバブル崩壊後のピーク:3.82%(2002.10月)
●サブプライムバブル崩壊後のピーク:6.10%(2008.11月)
●直近のボトム:1.56%(2018.1月)
2000年以降では「世界の時価総額」のボトム・ピークとともに、このスプレッドのボトム・ピークも相場の転換期を探る材料になる可能性がある、かもしれません。
※出所:WFEのデータより管理者作成
おわりに
<ここ1年の推移>
※出所:https://fred.stlouisfed.org/series/BAA10Yより管理者作成
米国社債スプレッドの拡大は6月末頃に一端のピーク。
今後どうなりますか。
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