米国の景気動向、株価動向を【米国の失業率】と【景気循環】で探る記事です。
米国の失業率を知るメリット
「失業率」と「景気」は関連が強く、「景気」と「株価動向」にも関連があり、「失業率」は長期的な「株価動向」を探る材料になり得る、と思われます。
失業率 ⇔ 景気 ⇔ 株価
最新の失業率
2018年7月の失業率は「3.9%」でした。
この数値は
・サブプライムバブルの頃のボトム「4.4%」は下回り
・ITバブルのころのボトム「3.8%」は上回る
値です。
失業率の推移
※出所:US Unemployment Rateのデータより管理者作成 ※期間:1995年1月~2018年7月
この期間の長期平均「5.6%」で、ラインを引いています。
米国失業率は2009年10月のピーク(10.0%)から2018年5月まで、8年7ヶ月下落トレンドが続いていました。
下落トレンドが終わったかは不明。
最近の動向。
2017年10月~2018年3月は6カ月連続で「4.1%」、4月「3.9%」、5月「3.8%」、6月「4.0%」、7月「3.9%」。
2017年10月の「4.1%」以来、1年近くボトム付近での停滞が続き、今後上昇していくのか、逆にここからさらに下がっていくのか、わかりません。
実に微妙な時期。
とりあえず
水準としてはかなり低い
とはいえます。
株価(S&P500)と米国失業率
※出所:US Unemployment Rate、Yahoo Financeのデータより管理者作成 ※期間:1995年1月~2018年7月
米国の失業率と「<S&P500>÷200」の推移を併記したグラフです。
この期間、失業率の「下落時期」に株価は上昇しやすく、失業率の「急上昇+高水準の維持期」に株価は低迷しやすい傾向がうかがえます。
短期的な状況判断には役立ちませんが、長い目で見ると、
景気(⇔失業率)と株価
の関係をうかがう目安にはなりそうなグラフ。
米国景気拡大期
※出所:景気循環でみると2017年に米景気は後退期入り?|第一商品より管理者作成
1945年以降の米国景気拡大期をまとめた表です。
あくまで経験則に過ぎませんが、今後も景気循環が今までのように続くなら、とても参考になる情報です。
今回の景気拡大は2009年6月に始まり、現在は9年以上、米国の景気拡大が続いているようです。
日本や欧州、中国は少し心配な部分もありますが、米国景気は相対的に強そうです。
上記データによれば、1945年以降の米国の景気拡大期の平均は約5年、最長で10年。
直近3回の景気拡大期の平均は「95ヶ月」(7年11ヶ月。約8年)。
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●株価の「ピーク」と「ボトム」のタイムラグ・ピークからの下落率②
参考データ
失業率の長期推移(1948年~)と景気後退
※出所:Civilian Unemployment Rate ※期間:1948年1月~2017年12月
上記は米国失業率の約70年の長期推移です。
灰色のラインは景気後退期でこの期間、11回あります。
よくよく観察すると、
●失業率のボトムからしばらくして
あるいは
●失業率のボトムから失業率が上昇し出すタイミングで
景気後退が訪れるというパターンが目立ちます。
米国失業率のデータ
1948年1月~2018年6月で最低の失業率は1953年の2.5%です。
その他、失業率のボトムは1960年代に3.4%。
その後はITバブルの頃(2000年)の3.8%が目立ったところ。
最大値は1982年11~12月の10.8%。
比較的近年では2009年10月に10.0%を記録。
平均値は5.78%。中央値は5.60%。
終わりにFFレートも確認
※出所:US Unemployment Rate、Yahoo Finance、Effective Federal Funds Rateのデータより管理者作成 ※期間:1995年1月~2018年7月
1995年以降の「失業率(%)」「実効FFレート(%)」「S&P500÷300」の推移です。
2018年7月は
・「失業率(%)」:下落
・「実効FFレート(%)」:上昇
・「S&P500÷300」:上昇
でした。
景気:改善、政策金利:上昇、株価:上昇
月間ではわかりやすくリスクオン。
S&P500は1月の最高値が目前。
8月もリスクオンとなるか。
<2018.8.7夜のS&P500>
※出所:https://jp.investing.com/indices/us-spx-500より管理者作成
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