2018年7月末の米国の時価総額とバフェット指標についての記事です。
米国のバフェット指標を知るメリット
●長期的観点から、米国株の割安・割高を判断する目安の一つになる、かも
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「バフェット指標」とは?
バフェット指標は、投資の神様とも言われる、ウォーレン・バフェット氏が愛用しているとされる、ある国のGDPと上場株式の時価総額の総和を比べる指標をいいます。これは、ある国の株式時価総額増加率と名目GDP成長率は長期的には収斂するとの主張に基づくもので、ある国の株式相場に急落の可能性は高まっていないか、あるいは逆に売り込まれすぎていないかを見る場合に使われます。
※引用元:金融情報サイト「バフェット指標」
「ある国の株式時価総額増加率と名目GDP成長率は長期的には収斂する」
という視点、個人的には参考になる見方と思います。
米国バフェット指標とは
①米国バフェット指標=米国の時価総額÷米国の名目GDP
※時価総額は「ニューヨーク+ナスダックの合計額」を使用
※浮動株調整を行わず
②米国株式の割安割高を判断する目安
③1995~2017年の各年末のデータから
★平均値:1.25
★中央値:1.32
米国バフェット指標の使い方の一例
※出所:グローバルノート、WFEのデータより管理者作成 ※期間:1995年末~2017年末
①長期平均とのかい離を見る
ざっくりした大まかな使い方として、長期平均1.25より
★大きい⇒株式は割高傾向?★小さい⇒株式は割安傾向?
という見立ては可能かもしれません。
②割安圏・割高圏の目安にする
あくまで近年の事例に基づいた経験則ですが、米国バフェット指標が
★1.05以下は株式は割安圏?★1.40以上は株式は割高圏?
という判断もできなくはないかもしれません。
あくまで一つの目安ですが。
直近の数値の確認
※出所:グローバルノート、WFEのデータより管理者作成 ※期間:1995年末~2017年末
米国の時価総額は2018年7月末で約「35.2兆ドル」。
2017年1月からの1年半で約27%増加しました。
2018年7月末の米国バフェット指標は「1.72」であり、過去最高値です。
割高圏の目安「1.4」を上回っているので、米国株式は割高圏?と推測。
※2018年米国名目GDP:20.20兆ドル(IMF推計)。2017年は19.36兆ドル
米国バフェット指標について詳しくはコチラ↓
米国の時価総額(ニューヨーク市場+ナスダック)の推移とここ5年のハイペースについて
※出所:グローバルノート、WFEのデータより管理者作成 ※期間:1995年末~2017年末
1997年末~2017年末の20年間の時価総額の動きをみてみます。
●1997年末:10.8兆ドル
●2017年末:32.1兆ドル
1997年末⇒2017年末:約3倍(2.98倍)
20年間の年率平均の増加率は+5.6%です。
一方、2012年末⇒2017年末の5年(※18.7兆ドル⇒32.1兆ドル)だけでみると、時価総額の増加率は年率平均で+11.5%です。
過去5年は長期平均に比べ2倍以上のハイペース。
一つの観点に過ぎませんが、もし長期平均に平均回帰すると考えるなら、今後のペースダウンの可能性は高い?かもしれません。
参考データ①:S&P500と米国バフェット指標
※出所:グローバルノート、WFEのデータより管理者作成 ※期間:1995年末~2017年末
米国バフェット指標と【S&P500÷1000】を比較したグラフです。
参考データ②:米国の時価総額の年間増加率(1996~2017年)
2017年は22年間で8番目に時価総額の増加率が高かった米国市場。
おわりに
米国の時価総額、バフェット指標は過去最高値を順調に更新中。
昨年よりは悲観論もちらほらと散見されますが、米国市場全体に関して、とりあえず7月までは、2018年もすこぶる堅調だったとはいえそうです。
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