最新の世界景気をCLIとPMIの観点から観察してみます。
①CLI(OECD全体)
※出所:- Composite leading indicator (CLI) - OECD Dataより管理者作成
景気指標の一つ、Composite leading indicator (CLI。OECD景気先行指数)の2017年1月~2018年9月の推移です。
上記はOECD全体のCLIであり、世界全体の名目GDPの6割以上を占める国を網羅した景気指数です。
「100」が「ふつうの景気水準」、数字が大きいほど好況、小さいほど不況を示唆します。
先日更新された2018年9月のデータは「99.50」(前月比-0.14)。
2017年11月:100.37
が直近のピークとなっており、ピークから10ヶ月連続で減速トレンドが続いています。
景気水準自体も
悪い
といえそう。
市場にとってはネガティブ要因と推測。
<参考:近年のCLIと経済イベント>
※出所:- Composite leading indicator (CLI) - OECD Dataより管理者作成 ※数値は概算
1995年1月~2018年5月のCLIの推移と経済イベントです。
あくまで過去の経験則ですがCLIが「99.5」を下回る時期は世界的に不景気で悲観が満ちており、株価は割安なことが多かったと推測されます。
2018年9月時点で約「99.5」のこの指標、「チャイナショック」「欧州債務危機」の頃の数値と似た水準になっています。
※最近の数値は随時修正されます
※CLIについて詳しくコチラ↓
●トレンドは回復~少し停滞? ~OECD全体の景気先行指数 2017年11月データ~ - ユキマツの「長期投資のタイミング」
②グローバル製造業PMI
「購買担当者指数」は「PMI」とも呼ばれる景気指標の一つです。
世界の多くの国で採用されており、毎月更新される即時性の高い便利な指標です。
50が分岐点であり、
●50より大きい⇒景気拡大
●50より小さい⇒景気後退
と判断します。
製造業PMIは「製造業購買担当者指数」のことで、製造業全般の景気を示唆します。
グローバル製造業PMIは「全世界の製造業の景気状況」を示唆する指数です。
グローバル製造業PMIの推移を見てみます。
※グローバル製造業PMIについて、詳しくはコチラ(英語サイト、PDF)
https://www.markiteconomics.com/Public/Home/PressRelease/4e00b35a3b5942f4b6e2cf591f2ac011
※出所:https://www.markiteconomics.com/Public/Home/PressRelease/4e00b35a3b5942f4b6e2cf591f2ac011より作成
2018年10月は「52.1」でした。
2017年12月をピークに、ゆるやかながらCLIと同じく、10ヶ月続く下落トレンド。
●2018年2月:54.1
●2018年3月:53.3
●2018年4月:53.5
●2018年5月:53.1
●2018年6月:53.0
●2018年7月:52.7
●2018年8月:52.6
●2018年9月:52.2
●2018年10月:52.1
こちらはCLIと違って、節目の50は超えており、景気水準自体は
悪くはなく
引き続き、減速トレンドが続くかどうか、要経過観察というところ。
※PMIについて詳しくコチラ↓
●中日独の景気動向 2017年11月データ - ユキマツの「長期投資のタイミング」
③主要国製造業PMI
最後に主要4ヶ国(米中日独)の国別の製造業PMIを確認します。
期間は2016年1月~2018年10月です。
※出所:「https://jp.investing.com/search?q=製造業購買担当者指数 PMI」のデータより管理者作成
直近のピークは
●中国:2017.9月
●ドイツ:2017.12月
●日本:2018.1月
●米国:2018.4月
です。
10月の数値変動は
●日本:上昇
●米国:横這い
●中国、ドイツ:下落
ざっくりした印象ですが
●米国・日本:まずまず
●ドイツ・中国:下落トレンドが鮮明
特に中国は節目の「50」スレスレであり、来月「50」を割れるのかどうか。
おわりに
<CLI(OECD全体)と世界の時価総額の推移>※出所:https://www.world-exchanges.org/、Leading indicators - Composite leading indicator (CLI) - OECD Dataより作成
現在は2000年以降で5回目の世界的な景気減速期、かもしれません。
●いつ景気が回復していくのか
●だましの景気回復(下落トレンドの途中で一時的にみられる景気回復)が起きるのか
引き続き注視していきます。
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