今週の日本の株価や金利をごく簡単に確認し、その後、株式の「割安割高の目安」になりそうな5つの指標で定点観測し、日本市場の概況をみてみます。
今週の日経平均
※出所:マーケット|SBI証券
11.22は「21,647」。先週末比−0.2%。
週間でわずかに下落。
10月末は「21,920」だったので、11月は今のところ−1.2%。
10月の大幅下落後、それほど反発することなくずるずる下落していくかどうか。
日経平均の直近の高値は2018年10月の「24,448」で今は高値から「−11.5%」の水準。
今週の日本10年債利回り
2018.7.23以降、日銀が0.2%程度までの金利水準を容認する?
という話もある日本の長期国債利回り。
11.22は約「0.10%」(前週は「0.11%」)とやや低下基調が続いています。
7/23以降の利回りの最高値は2018年10月の「0.169%」。
今週のドル/円
※出所:USD JPY 証券株式相場 | ドル 円 相場 - Investing.com
今週は概ね「1ドル=112円台後半」で推移。
週末はやや円高方向ですが鈍い動き。
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5つの指標
★日本バフェット指標 <日本の時価総額÷日本の名目GDP>
★信用買い残 <信用取引における買い方の残高>
★東証一部PBR <東証一部上場企業全体の株価純資産倍率>
★信用評価損益率 <日本市場。信用買いの損益>
★日経平均ボラティリティー・インデックス<日経平均版の恐怖指数>
日本バフェット指標
※出所:以下サイトデータより管理者作成 日本取引所グループ 世界経済のネタ帳 ※期間:1985年1月末~2018年10月末
11.22の日本バフェット指標は「1.13」で先週末の「1.13」と変わらず。
10月末は「1.14」で、11月は今のところやや低下。
直近の月末値ピークは2018年1月の「1.28」。
11.22の時価総額は約「628.8兆円」(全市場の合計値)。
確認できている範囲では、2018.1.23の736.8兆円が現時点での最大値。
現在は最大値を14.7%下回っています。
1985年からの日本バフェット指標の長期平均は「0.76」です。
割高圏の目安「1.0」以上なので、長期的観点からは
日本株は割高圏?
と推測。
※出所:以下サイトデータより管理者作成 日本取引所グループ 世界経済のネタ帳
この指標では昨年の8月頃と似たような水準。
日本バフェット指標について詳しくはコチラ↓
★日本バフェット指標 <日本の時価総額÷日本の名目GDP>
信用買い残
※出所:トレーダーズ・ウェブより管理者作成 ※期間2001年6月1日~2018年7月27日
2018.11.16 30,274億円(約3.0兆円)。
前週比+369億円と小幅な増加。
直近ピークは2018.3.23の約3.7兆円。
水準としては長期平均の「2.4兆円」より大きく、この指標からは
やや割高?
と推測。
<2017.10.27以降の推移・月末値と直近数値>
※出所:トレーダーズ・ウェブのデータより管理者作成
信用買い残について詳しくはコチラ↓
★信用買い残 <信用取引における買い方の残高>
東証一部PBR
※出所:その他統計資料 | 日本取引所グループのデータより管理者作成 ※グラフの期間:1999年1月末~2018年10月末
2018年10月末の東証一部PBRは「1.2」(前月比-0.2)でした。
10月の株安を受けて大きく低下しています。
直近ピークは2018年1月末の「1.5」。
今回の上昇相場のピークは「1.5」となるのかどうか。
割安の目安「1.0」以上なので、割安ではなさそうと判断。
東証一部PBRについて詳しくはコチラ↓
★東証一部PBR <東証一部上場企業全体の株価純資産倍率>
信用評価損益率
※出所:トレーダーズ・ウェブのデータより管理者作成 ※グラフ期間:2001.6.1~2018.10.26
2018.11.16は「-13.14」でした。前週の「-9.73」からマイナス幅が拡大。
上記期間の長期平均は約「-11」であり投資家心理は
やや不安?
と推測。
割安の目安「-25」以上なので、割安ではなさそうと判断。
信用評価損益率について詳しくはコチラ↓
★信用評価損益率 <日本市場。信用買い残高の損益>
日経平均ボラティリティー・インデックス
★日経平均ボラティリティー・インデックスのメモ
1998年からの
・長期平均:25.3
・最低値:11.82(2017.7月)
・最大値:91.45(2008年10月)
・個人的には30以上で「株価の割安圏」を示唆しやすい指標と考えます。
<ここ3ヵ月のチャート>
※出所:恐怖指数(VIX 日経VI VSTOXX) 日経平均比較チャート
11.22は「20.29」。前週末は「22.60」だったので今週は低下。
長期平均は「25.3」であり、投資家心理は
やや安心?
と推測。
割安の目安「30」より小さいので、「割安ではなさそう」と推測。
恐怖指数について詳しくはコチラ↓
現時点での日本市場の割高割安、5つの指標からの推測、まとめ
あくまで個人的な判断ですが、現時点で各指標が示唆する株式の割安、割高の判断をまとめます。
★日本バフェット指標⇒割高圏?
★信用買い残⇒やや割高?
★東証一部PBR⇒割安ではなさそう
★信用評価損益率⇒割安ではなさそう
★日経平均ボラティリティー・インデックス⇒割安ではなさそう
総合的に判断すると、わたしは日本株式は「割高圏?」と推測します。
現時点での日本株の長期投資のタイミングとしては
①リスク資産の資産配分が大きくなりすぎていれば、所定の配分に戻す
②資産配分において、株式の配分比率を減らす
③資産配分において、現金の配分比率を増やす
④長期投資を一時やめる(投資をやめる機会を探している場合)
のに適す時期だと考えています。単なる経験則ですが。
※長期投資に関する一つの判断です。短期、中期的な投資には役立たない可能性が高いです
※基本的にできるだけ「割高な時期に株を売り、割安な時期に株を買う」という判断に基づいています
※単なる個人の感想です。未来は誰にも予知できません。投資は自己判断、自己責任で
※指標ごとに、データ確認時期にタイムラグがありますので、必ずしもリアルタイムの判断ではありません
サブプライムバブル期と「今」のデータ比較
※出所:日経平均、TOPIX⇒Yahoo!ファイナンス、東証REIT指数⇒SBI証券、貸し出し態度判断DI(中小企業)⇒主要時系列統計データ表
●日経平均VI:大きく上がらないがなかなか下がりもしない、という状態。
●TOPIX:1月高値「1911」の「-14.8%」の水準。
あとがき
※出所:世界の経済大国、次の危機には減税と財政出動で協調をーOECD - Bloomberg
全世界、OECD加盟国全体、米国、ユーロ圏、日本、中国の経済成長率の見通し(2017年は実績。OECDによる)です。
米国と世界全体は2018年、その他の国や地域は2017年以降、緩やかに成長率が低下すると予測している模様。
上記記事より引用。
世界経済が急激な減速に見舞われた場合、中央銀行には手段が残されていないため、減税と財政出動が必要になるだろうと、経済協力開発機構(OECD)が指摘した。
サブプライムバブル崩壊後の不況期には、量的緩和政策を含む中央銀行の緩和政策が機能したと思われますが、OECDは次回の不況では中銀にあまり手段がないとみているようです。
減税と財政出動で協調?
見通しが当たるかはわかりませんが、一つのネガティブシナリオとして気にはなることろ。
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